テストの終わり
「キーンコーンカーンコーン」
このチャイムの音はすべてのテストが終わったことを意味するチャイムである。 3日間に渡るテストが今終わりを向かえたのだ。
「それではそれ以上なにも書かずに後ろから前に回して。」
先生からそう告げられて解答用紙を前に回す。
「テストは本日で終わりです。 明日からは通常通りになりますが、文化祭の準備も各自行っていってください。 それから部活動に行っている人達も、最終下校時刻には帰れるように励んで下さい。 それでは本日はここまで。」
「起立、礼。」
先生が教室から去ると、クラスメイト達はグループを作り始める。
「今日部活行く?」
「文化祭用の部材はどう?」
「ちゃんと練習してるか?」
部活の事だったり文化祭の事でみんな頭がいっぱいのようだ。 かくいう俺は部活に行く前に寄らなければならない場所があった。 なのでそのままの流れで教室を出る。
辿り着いたのは図書室。 前回借りていった本を返しに来たためだ。 しかし入った図書室はあまりにも静まり返っていた。 使っている人達は多少なりいるとは思っていたのだが、静かなのが不気味な位である。
「こんにちはー。」
それでも誰かいないかとりあえずは声をかけてみる。 テスト終わりだから図書委員もいないのかもしれない。 返事はない。 今は使われていない
「すみませんお呼びですか?」
「うおっ!?」
カウンター側から女子の声がして、ビックリしてしまった。 というかいたんかい。
「ああ。 貴方は先週の。」
「お、覚えててくれたのか? 本を返しに来たんだが。」
「ええまあ。 ここは利用者が少ないので、少人数でしたら覚えられるのですよ。 ほらこれ。」
そう言って見せられたのは貸出名簿だ。 確かに俺が借りる数週間前でも利用者が伺えない程名簿欄が空白になっていた。
「これ図書委員としてどうなんだ?」
「個人としては1人でいる方が気が楽です。」
その女子は目元が前髪で隠れているだけに表情が読み取りにくい。 だが喋っていることは本心なのだろう。
「あ、じゃあ俺も返したら出た方がいいか? まあ部活があるから一応すぐには行くけれど。」
「貴方は騒がしくしないから別にいい・・・かな。 また来てくれても構わない。」
「その言い方、普段は使うのを丁重にお断りしてるように聞こえるんだけど?」
「騒がしくするなら出ていって貰う。 ここはそう言う場所じゃないから。」
図書委員としての仕事は全うしてる感じだな。 とりあえず今は本を返して図書室を出た。 少し歩いたところで図書室の方を振り返れば、先程の図書委員が向こう側から頭を少しだけ出して小さく手を振っていた。
そんな風にやったら怖がられるんじゃね? あえて口にはしないで心の中に留めておき、俺は部室へと向かうのだった。




