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授業の様子

 週末も終わって新しい1週間が始まる。 先週までは大体一緒の時間を過ごしていたが、元々は両親ともに仕事がある身なので、大抵は俺や姉さんが起きた頃には既に出掛けている。 そして姉さんも生徒会関連の仕事で早めに出るため結局は俺一人になってしまうのだ。 とはいえ別にこれで遅刻するようなヘマはしないし、中学の時からそうだったので気にもならない。


 そんなわけで朝御飯を食べれば俺も普通に登校する。 20~30分程歩けば学校には到着する。


 昇降口に入ると、他の生徒に混じりながらも西垣の姿があった。 どうやら俺とほとんど同じ時間に登校するようだ。


 そして西垣が俺の方を向いたかと思えば、こちらに見えるか見えないか位の位置で小さく手を振っていた。


 先週の昼休み1つでここまで好意的になるとは思ってもみなかった。 それともあまり絡まなかった俺と話が出来て嬉しかったとか? 彼女自身についても様子を見る必要があるのかもしれない。 やりすぎると嫌われる原因ではあるが。


 全員席に座り授業開始の鐘が鳴った。 月曜日の1時限目は英語だ。


「今日から授業が本格的に始まります。 皆さんは中学校でも英語を習ってきたこととは思いますが、中学の英語はあくまでも「相手がちゃんと分かる範囲」での英語となっていました。 高校からはそこからさらに先にの事を学んで行きます。 まずは英単語から・・・」


 授業は始まったが、ノートを広げてすぐに英単語を綴っていく。 この辺りは普通の授業となんにも変わらない。 姉さんの影響もあって勉強自体は嫌いではない。 覚えていられるかと言われればちょっとあれだったが。


 授業は普通に進んでいく。 そんな状況になりながら、ほんの少しだけ西垣の方に目を向ける。 すると机に突っ伏している西垣の姿があった。


「まさか・・・寝てる?」


 こんな序盤で寝ることあるのか? そう考えたが西垣にとってこの程度の英単語はなんでもないのかもしれない。


 だからと言って寝るのはまずいのではないかと思うが、席の距離的に何も出来ないので、こちらは授業に集中しよう。 まあ、大丈夫だろうと思いながら俺はノートを取っていくのだった。


「それでは今日の授業はここまでとします。 また次回の授業までに教科書を読んでおくことをおすすめしておきます。」


 最初の授業が終わり、次の授業の準備をする。 西垣は別の女子と会話をしている。 あれくらいならばまだ大丈夫だろう。 期間は1年と決めてはいたが、状況によってはもっと短くなる可能性は考えられる。 今は少しでもあの夢にならないように気にかけるしかなかったのだった。

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