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夏休み初旬

 終業式を昨日に終えた次の日。 夏休み最初の土曜日の朝な訳だが、俺は机の上に置いてある夏休みの宿題とにらめっこをしていた。


「カズ。 そのように顔をしかめても向こうは表情一つ変えないぞ。」


 そう言っているのは同じように机の上の宿題に既に取りかかっている姉さんだ。 スポーツブラにハーフパンツと相変わらずのスタイルであるが。

 俺は夏休みの宿題はとにかく早めに終わらせるタイプだ。 小学生の時はそれほどでもなかったのだが、年齢が重なる毎に量と難易度が上がっていき、小4で「これ残すのは無理だ」という考えに至り、早めに終わらせようと思い始めて今に至る。 勿論先駆者として姉さんがやっていた、という環境的要因もあるが。


 姉さんに言われてにらめっこを止めて宿題を始める。 今までの復習と言った内容になっているので、問題を解くのに苦労はしない。


「カズは夏休みの予定は決まったかい?」


 宿題をしつつも会話を挟んでくる姉さん。 会話をすると集中出来なくなるのであまりしたくはないのだが、向こうから言ってきているのなら返すしかない。


「ボチボチってところ。 多すぎず少なすぎずって感じ。 姉さんの方は?」

「私も夏祭りなどは回るつもりだ。 楽しめるかどうかはさておいてな。」

「どういう意味それ?」

「簡単に言えば巡回さ。 不埒な輩は夏に多くなるからな。」

「それは楽しめないだろうね。」


 相変わらず忙しい姉である。 それだけ信頼されているとも言えなくもないが、こう言ったところで損をしているのではないかと思う所もある。 働きすぎも毒な気がする。


「今日はどこまで進める予定だ?」

「7月中には終わればいいと思ってるから、まあ一教材終わらせる程度?」

「ペース配分は考えておけよ。 夏は長いのだからな。」

「へいへい。」

 そう言って俺も姉さんも黙々と宿題をしていたのだった。

「量が多かったなぁ・・・」


 自室に戻って椅子に座りながら背伸びをする。 午前中に終わらせるつもりで挑んだが、結局昼御飯を挟んでの決着となった。

 それでも宿題が一つ終わったので休息を取っていると、携帯から通知の音が鳴った。


「誰だろ?」


 携帯を確認するとそこには「西垣」の文字。 内容を確認するためにその送られてきた文面を見てみる。


『こんにちは積和君。 今はどのようにお過ごしでしょうか?

 先日お話ししていたキャンプについて、日程と場所が決まりましたのでそのご連絡とさせていただきました。

 日程は7月の月末の土日の2日間になります。 場所につきましてはURLを送りますのでそちらで確認をお願いいたします。芦原君や引間さんも折角ですのでお誘いください。

 父共々皆さんが来られることを楽しみにしています。』


 そんな文面が書かれていた。 芦原や引間も誘いたいのならわざわざ俺を経由しなくてもいいのになぁ。 とりあえず後でグループで話を突っ込んでおくか。


「・・・父?」


 何気なく文面を見ていたが、西垣の父親と会うの? いや、俺一人で行く訳じゃないからあれだけど、どうなんだ? 思うところはありつつも、情報共有だけはしておいた。

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