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日照りと部活動

「暑ぃ・・・」


 弓道部はその部室の性質上、一部が開放的な弓道場ではなにが起きるか。

 カンカン照りの西陽と熱風にも近い風が弓道場を染め上げのだ。 そんな中で部活などしてみれば、体力など一気に持っていかれる。


 そんなことを言っても改善されるわけではないし、この夏で頑張っている部活も数多くある。 自分だけ弱音を吐くのは失礼だろうと思いながら今日も筋力トレーニングをしている。 流石にコンクリートの上で腹筋などをしたら身体が火傷をすると言うことで、弓道場近くの教室を使っている。


「流石にこんな時期に部活はしたくないよねぇ。」


 そう俺に訴えかけてきたのは臼石先輩である。 臼石先輩も大会が近くなり練習をしたいと思うのだが、こうして俺達新入部員の面倒を見ていたりしている。 というかサボりに来ている、と言っても差し支えないかもしれない。


 筋トレなど特に指示さえされれば勝手にやってくれると思っているのか、島崎部長はともかく他の先輩はこちらに見る様子が伺えなくなった。 そう言う意味合いでは臼石先輩はちゃんと見てくれている、とも言えなくないが。


「臼石先輩いいんですか? こんなところにいて。 また島崎部長に怒られますよ?」

「その怒られるまでは休めるからね。 部長も僕が完全に休んでいる訳じゃないのも知ってるし。」


 ますます2人の関係が分からなくなってきた。 今度問い詰めてみようかな? いや、いなされそうだから止めておこう。

 そして筋トレが終わる時間には先輩達の実践形式の練習が始まる。 仕来たりと言うわけではないだろうが、実践に近付けるために先輩達は道着で練習をしている。 下に肌着を来ていると考えると今の俺達よりも暑そうだ。


 そんな中でも弓を張り詰めて的に矢を放つ。 ただでさえ暑いであろうこの状況であれだけ集中し続けるのは忍耐が必要だろう。 改めて後ろの扇風機が意味を成してないように見える。


 そして部活動も終わり、全員が着替え終わってすぐに弓道場を離れる。


「西陽が眩しい・・・」


 俺は西陽を見ながら目を細める。 ここはおもいっきり当たる位置なのでなおのこと厳しい。


「でも先輩方もあんな西陽を受けながらも良く弓を構え続けてられるよねん。」


 後ろからやってきた引間がそんな感想を述べる。 暑いのかシャツの上部分のボタンを開放していたので、ちょっと目のやり場に困った。


「お? ウチのセクシーな姿にドキッとしちゃった?」

「なーんで口を開くと残念に成り下がるんだ。」

「おうおう酷いぞセッキー。 ここまで距離感が近い女子もそういないだろうで。」

「普段がそのノリじゃないから困惑してるとも言えるんだよ。 後セッキーって安直過ぎるんじゃね?」

「渾名なんて安直上等だよん。 馴染みやすさがウリなんだから。」


 引間の答えに納得はした。 変な渾名を付けられるよりはマシかと思いつつ、ちょうど同じぐらいに部活が終わった西垣と芦原と合流して、4人でいつものように帰った。

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