反響と期待は表裏一体
――ん~...!
朝になったが、学校に行くまでの時間が余っていたので、サイトで呟くことにした。
「ちょっとモヤシ生活をするかもしれないから、もし入った時は応援よろしくね...っと」
と送信してからリログをすると、反応が何件か来ていた。...十件!?朝、忙しいはずなのにありがたいなぁ...なんて書いてるんだろう...?そう思い、私の送信したコメントを見た。
「ありがとうございました!」「助かりましたっ!!」というようなコメントが半数近くを占めていた。
何が...?と一瞬考えたが、私の脳では分からないと思ったので訊くことにした。
「深月先生が商品一つにつき五十円分下げてくださいと直談判をしに行ったと知ったので...」
と爆速で返って来た。どこでその事を知ったのか...?と思い、小説を販売してくれている会社のアカウントへ行くと、何故か藍川さんが言ってくれていたようで会社が大々的に発信していた。
――普通に自己満足でやりたかっただけ...では無いけれど流石にこれは...恥ずかしい
一応私が考えていた内容的には、五十円安くなったので五個買おうと考えていたのを八個に...のように売れる個数を増やして売り上げが伸びるようにしようとしただけ...だった。それなのに私の給料から引かれるのかが少し不思議だった。売り上げが伸びたら戻してくれたりするのだろうか...?と思いつつ買ってくれる数が増える程私の給料が減ってしまうと気づいてしまった。それでもファンの人がグッズを買う数が増えるならと思い、いくらでも生活資金を削る事にした。
一番の理由は一つでも多くのグッズをファンの人々に手に入れて欲しいということである。
「助かりました!教えてくれてありがとうね~!」
と返信をくれた子に返信コメントをしておいた。因みに返信には"いいね"機能があったので、押しておいた。
他の子達にも「ありがとう」とひたすら返信していった。
――私の早起きは私の軽い呟きによって時間がほとんど潰れてしまい、いつもと同じような時間になってしまったのだった。
「真奈~!僕、珍しく早く起きたから迎えに来たんだ。一緒に行かないか?」
と声が玄関の方から聞こえた。流石に家の中には入ってきていないだろう、だが玄関の前に立っているという事だけはハッキリと分かる。...誰なのかが申し訳ないが分からない。
だが、そろそろ時間だと思ったので、呟きをする前に作っておいた弁当と体操服を鞄の中に入れた。飲み物をよく持って行くのを忘れるので廊下に置いておいた段ボールから水を一本取り出し鞄に入れた。
しっかりとファスナーを閉じていることを確認して玄関へと向かう。
ゆっくりと学校指定の革靴をはき、玄関の扉を開けた。
「おはよ」
「海斗、おはよう。遅くなってごめん!」
私がそう言うと、「別に僕が好きで来ただけだから!」と海斗は言った。正直に気持ちを言うと嬉しい半面、本当に申し訳ないという気持ちが混同していた。
だが、最初の罪悪感よりかは少しだけ軽くなったように感じた。
――久々にスマホを使用したセイか既に目が疲れている上に、呟いたサイトの情報が頭の片隅にあり、考えていた。今日特に気になったニュースは"天才ピアニスト失踪から一年半経過"というものだった。小学生の人だったらしいので、本当に凄いなぁ...と思う。毎年のように地区や県単位で一位を取り続けていたそうだった。全国では惜しくも一位にはなれなかったそうだが、その後も成績はよい方だったらしい。確か活動名が..."ブルー"だったか書いてあったような気がする。私も一時期だけなのだが、"ブルー"と名乗っていた。だが、その子と私では雲泥の差があるのだと感じる。本当に凄いなぁ...と海斗が何かを言っているのにも気づかず、私はぼんやりと考えていた。




