創世神話
大地に初めて日が差したとき、白き大神レグナムブレスは生じた。
レグナムブレスの歩んだ地には草木が生いしげり、爪は谷と山をかたちづくった。
レグナムブレスが足をなめると、きよらかな水がわき、尾が天にふれると、さまざまな雲が生じた。
レグナムブレスからちった毛は雪となった。
レグナムブレスの牙からは火花がちり、光が星となり、熱が炎となった。
レグナムブレスの咆哮は雷をおこし、唸りは地鳴りをおこした。
レグナムブレスの遠吠えはあらゆる音楽となった。
レグナムブレスの涙は海となり、さいごの一雫が波をうんだ。
レグナムブレスの瞬きが風をうみ、右目の輝きは太陽、左目の輝きは月となった。
そして、レグナムブレスの吐息から、あらゆる生命がうまれた。
レグナムブレスは小さき命のひとつに、みずからと似た姿をあたえ、血をあたえた。誇りたかき神の血族はオオカミと呼ばれた。
混沌と調律のオルトロスケィス、慈愛と導きのティーダ=ティダリッカ、破壊と無我のレギアクルス、創生と構築のグリモワール。神につかえしオオカミたちを四使徒といった。
世界がみずからの力で歩みはじめると、レグナムブレスは四使徒にすべてをたくし、さいごの贈りものをもたらした。レグナムブレスが原初の森レヴァンネンダールでその命を終えると、そこから死が羽ばたいた。