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達磨の冒険譚 〜死んだと思ったら転生してた件〜  作者: 我が闘争
第一章 幼年期 不思議な世界編
6/10

 第四話 クソガキ蔵書を漁る 後編

――最近俺はファンタジー小説が好きだ。

 前世はあまり小説を読む機会がなく、音楽に全てを注いで来たので、友達が芥川賞の話題をしてきた時、何にも話せなかった記憶がある。

 それが、この世界で小説にハマるとは非常に滑稽だ。

 ちなみにこの作品は非常に面白い。

 主人公は、神に何故、世界に争いが無くならないのか問うため、神界へ向かう。

 世界に転がる古代文字が刻まれた粘土板、そこには神々の世界へ通ずる道がある。

 6枚の粘土板を解読し、秘宝を探す。

 集めた秘宝を祭壇に並べ、六角形を作る。

 そして、祭壇から導かれる光の道。

 入った世界は何もない世界、不適な笑みを浮かべる神!!!

 「今日はここら辺で終わりにしましょうかね」

 「えー、もっともっと!!」

 「ダメです、ストーリーというのは一気に読むものではありません!!

 ゆっくり読むからこそ価値が生まれるのです!!

 しかも良い子はねんねしないとダメですよ!!」

 とのことだ、悔しい。

 クロエはどうやらゆっくり物語を読みたい派らしい。

 キリが良く、次が気になるタイミングで終わるため、もどかしくなる。

 

 ちなみに俺も簡単な会話をするくらいなら怪しまれない年齢になった。

 今のように軽い会話をするのであれば、何も問題ないレベルにはね。

 ゆうて、2歳1ヶ月ほどだろうか。

 え?俺の誕生日はいつかって??

 

 恐らくだが、5月ごろになる。

 詳細な誕生日はしりゃせんのだよ。

 

 ただ、4歳と10歳、というのが大きなターニングポイントらしく、4歳は悪魔がいなくなるという年頃。

 宗教的な意味合いが強く、お祝いというよりはお祓いをして、その後、新しく服や本をプレゼントするのだという。

 4という数字はこの世界においてかなり縁起が良く、親はとりあえず子供が4歳まで生存することを望むそう。

 特に富裕層は4歳を祝う傾向が強く、場合によるが、王室御用達のブランドの服をプレゼントする場合もあるのだとか。

 

 10歳児は成人と同義だ。

 そこからは大人と同じ扱いをされ、学びたいものは学校へ、大半のものは親の下について働き始めるという。

 中には騎士団に子供を入れる場合もあり、さまざまだという。

 うちの家庭はどうなんだろうか。


 まあいい、好き勝手に行こう。

 どうせ、紳士になってもカッコだけ。

 変態紳士ってこと。

 ならお勉強頑張って学校行ったほうがいい。

 

 まあ、この世界には冒険者という職業があって、この本もリアルかもしれないから、その線も捨てずに行こう。

 しかし、騎士かあ。

 ぶっとい槍でも使うんだろうか??


 今日も蔵書室で本を読み漁っている。

 

 イニャスは春小麦の作付を適切に行なっているかの調査をしており、クロエは大分お腹が大きくなったシビルの世話をしている。

 俺は今、暇を持て余し、本でも読んでいるところだ。

 俺も大分信頼されたらしく、一回クロエに部屋に入ってるのをバレたが何もしなかった。

 大分自由な時間が増えたな。

 

 地理は何度も読み直してある程度理解できるようにはなった。

 恐らく、各国の代表都市くらいはすらすら言えるだろう。

 ただ、この世界なんだかんだ小さい国が各国に点在しているらしく、特にこの大陸は50を超える国家を保有しているそうだ。

 俺も大雑把に読んだからそんなあるとは思っていなかったが、実際は百国と思ってたより多い。

 だから完璧ではない、ある程度だ。

 

 まあ、世界は広いもんね。

 

 今日は何を読もうか。

  

 「あれ??」

 これは俺が探し求めていたやつじゃあないのか??

 「魔法研究のあゆみ」

  なになにー??

  気になるので読んでみようかな。

 「魔術は収束、発散を基本とし、攻撃、治癒、結界魔術の三つが基本的な利用方法になる。

 収束はサイコキネシスの様なもので、物を自分に引き寄せる行為、発散は集めたものを放出する行動になる」

 やはり予想通り、攻撃魔術は存在しているようだ。

 後、収束、発散という概念とはなんだろう。

 この世界の魔術はめんどくさそうだな。

 「主に攻撃魔術は火・水・岩・風の四属性を利用するのが基本で、手慣れた熟練者は雷属性を利用することも出来て、特殊能力を持ち合わせるものは音や光を操ることもできる」

 やっぱりだ、神話において存在する神々の所有する特徴を使える。

 界神以外の雷神、風神、水神、音神、草神、炎神、岩神にちなんだ能力に限定されている。

 ちなみに草は治癒魔術を指す。

 雷はなんで

「魔族は一部収束なしで炎や風を操れるものがいが、人間は天然の素材から属性を集めなければならない、天然の素材から、マナを集め、術式に当てはめ発散する」

 というメカニズムらしい、水はまあ、海とか川とかかな?

 風は吹いているし、岩は地面から、炎は陽炎とか暖炉の炎とか。

 松明の光とかでも良さそうだね。

 ただなあ、異世界ってこんな魔術に関してシビアなの?

 資源が切れた時やばいじゃん。


「収束する量には限界があり、最初の内は大体、限界までが水初級魔術100回分と呼ばれ、一回の収束あたりの使用量は10回分だという。

 因みに、水初級魔術=水マナ一つ分という基本法則があり、岩が5つ分、風が7つ分、炎が10つ分雷が35つ分になる

 少ない例ではあるが、光や音を操れるものもいるらしい」

 なるほどねえ、水魔術が一番スタンダードではあるんだね。

 ただ勝手に井戸とか出ると怒られそうだから、風魔術でも試してみるかあ……?

 「無風……」

 今日は珍しく無風で、そこまで熱くないため陽炎もない。

 外に出るのは怒られそう。

 詰んだね。


 あ、忘れてた!!

 俺異世界の人間だぜ!!

 神様がチート能力を与えてくれたかもしれない。 

 「神様がいるのならチート使わせてえ〜♪」

 と適当に作った鼻歌を歌い、太陽光に手をかざし、能力を試して見る。

 「無理だああ」

 無理というか、俺は初期段階を飛ばしていたみたいだ。

 収束魔術というのは、能力を解放しなければいけないらしく、特殊な道具を使い、それを動かせる様になって解放するらしい。

 特殊な道具というものは動魔石と呼ばれるもので、人間に一定の周波を与え、能力を覚醒させるらしい。

 

 「嘘臭えな」

 とも思ったが、実際に使える魔術が使えるであろう人間が近場にいるので、きっと嘘ではないだろう。

 魔術は収束、発散をするたびに自分自身が保有する魔力を消費するのだという、これはどんな魔術でも同じであり、結界、治癒、魔術どれでもそうらしい。 

 ただ、治癒、魔術は術式といって、マナを集めて放出するといった、術を使うという過程らしく、結界を始めた他魔術は魔術というより魔力をぶつけるといったものらしい。

 結界は自身の魔力を引き換えに結界を作る、星占といって紙に魔力を流し込んで、対象のおおまかな運命を占う。

 星占は病気がどんなものかの識別に使われるのがほとんどであり、体がどうなるかの過程の結果を見るものであり、治癒の延長線上にあるらしい。

 禁術ではあるが呪詛、転移といった強力なものもあるらしく、それらは魔力を何かにぶつける、流すといった動作らしい。

 それに比べ、普通の攻撃、治癒魔術はマナと言うものを魔力を起因して集める、そしてそれを術式に流し込みといった間接的なものだ。

 例えばいろはすの残骸があるとしてだ。

 純粋に潰すのが、結界をはじめとした魔術。

 いろはすを捻るのが、攻撃魔術と治癒魔術だそうだ。

 まあわかりやすいのが魔法陣を使うか使わないかといったところだろうか。

 つまりワンクッション置くか置かないか。

 

 でもこの世界では魔術発足時から魔法陣はあまり使われておらず、動魔石によって能力を解放させる手法がスタンダードで、魔法陣というのは一部医学や魔道具、強力な攻撃魔術などに使われるのが基本だそうだ。

 魔道具はどんな道具なんだろう??

 魔法陣は特殊な紙によって作られており、素材によって使える魔術が変化する。

 また強さについては魔法陣の大きさや魔法陣の所有する模様について様変わりするという。

 

 基礎的に保有している魔力を基礎マナと言うらしく、直接的にしろ、間接的にしろ使用しなければいけないマナだ。

 そして、術式を介するのを前提として置かれたマナを特殊マナと言い、属性によって異なる特性を持つ。

 基礎マナは体全体、特殊マナは手の平周辺に保存され、使用すれば使用する程、使える余裕はどちらも増えていくそうだ。

 特殊マナの貯蓄の試行回数の上限は基礎マナの保有量に比例するらしいので、基礎マナの総量が最終的には特殊マナの使用回数を左右するそう。

 

 年齢によって多少の影響はあるものの、努力と本人の持つ魔術センスで総量は決まっていく。

 つまり何歳から魔術は習っても良いと言うことだろうか?

 備考ではあるが、体格が恵まれている程、魔術師としてのセンスはあるそうだ。

 流石にヨボヨボのおじいちゃんおばあちゃんは無理として。


 又、剣術にも魔術は応用されるらしく、世界の戦闘において魔術を用いた戦闘はベーシックなんだとか。

 ぶっちゃけそっちの方が俺興味あるな。

 

 後半のページには大量の詠唱が書かれていたがどうせ使えないなら意味ないと無視した。

 

 頭がクラクラして疲れた。

 「めんどくせえ」

 と思い、茜になった空を眺める。

 そろそろ自分の部屋に戻るか。


 ーー翌日ーー

 「にしても……」

 たくさんの本だらけだ。

 

 蔵書がいっぱい、夢おっぱいってな。

 多分、この家俺が思ってるほど金持ってるんだろうな。

 なんで二人以上侍女雇わないんだろうか。

 本の買いすぎで金ないとか??

ほら、活版印刷技術とかなさそうじゃんね??

 紙を製造するコストも凄そうだし。


 なんか読みたいのなさそうだから、ラノベでも読もうかなあ。

 まあ俺がラノベって言ってるだけなんだけど。

 

 そう思い、続きを見ようとしたその時である。

 「三千年列国史」

 また面白そうなのみっけた!!

 見てみよう。

 

 ほーんこれは見るからに実在する歴史のようだね。

 よ思ったけど神とやらが出てきた。

 

 確か神話によると界神が世界を作り出し、何もない空間にそれぞれの神を作り出し、神々は各地に星々を作り、たまたま出来た生命が住める星に生命を作り出し、神はこの星に堕落したという。

 音神と水神はまぐわい草神を出産し、草神は何もなかった海と陸だけの空間に生命を産んだ。

 界神は一つの世界に引き篭もり、神々は生まれた生命を進化させた。

 だった気がする。

 最初神話を見た時に平面説ではなく球体説が信じられているのを見て非常に驚いた記憶がある。

 

 それで神々は生まれた生命の中で、光神と音神は猿を人間に進化させ、草神は人間を巨大化させ、風神は長寿と長い耳を与え、水神は人間にエラをつけ、岩神と炎神と雷神は強靭な肉体を与えた。

 そして人間は国を作り、サガ大陸の一部では光神が、ジュディル大陸中部は音神が国を統治し、サガ大陸の国民はサガという神を、ジュディル大陸はジュディルという神を信仰した、音神と光神はあくまでそれぞれの神の使徒なのであると。

 因みに、サガという神は偶像神で出鱈目で、ジュディルという神がこの世界における界神なんだとよ。


 それぞれの中秩序を守り、平和に暮らしていた中。

 黄金国と音神が戦争をした。

 音神は自分の領地である民を引き連れず、一人で黄金国と戦った。

 理由は黄金国が内戦ばかり繰り返すことに呆れ、黄金国そのものを滅ぼそうとしたのだ。

 当時、黄金国は世界最高の戦闘力を誇っており、呪詛という世界を滅ぼしかねない力を習得し、音神はそれに対して強い危惧をしていた。

 音神はまず黄金人に魔術を使えないようにしようと試みた。

 しかし余り意味は無く、それを逆手に神にすら対抗できるほどの力を手に入れたそう。

 それは「黄金仙術」と呼ばれるものらしい。

 その中でジンムという一人の剣士が立ち上がり、音神を滅多刺しにして殺した。

 

 黄金国は神を殺したのだ。

 末恐ろしい島だなあ。

 ちなみにジンムっていう名称だったり、呪いっていうワードだったりなんか日本っぽいなあ。


 又、神に反逆できるだけの能力を持つのは「妖怪」と呼ばれる魔族の存在があり、黄金島に住む人々に早期の段階から魔術を教えていたそうな。

 妖怪のルーツは神の副産物であるらしく、神が暴走した時に制御するため、界神「ジュディル」が置いたものとされる。

 そのルーツを辿る黄金人は非常に強力であり、好戦的であること以外は完璧人間の集まりだとかね。

 界神も可哀想だ、神を監視する為の魔族が人間に能力を授け、その人間に一人の神を無惨に殺されるのだから。

 

 それに激怒した水神は魚人を引き連れ黄金国と戦争した。

 しかし、圧倒的な戦力を目の前に返り撃ちにあい、水神は魚人を守るるため、存在した大陸を海に沈ませ、命を絶ったという。

 

 その後、草神が巨人を送り、世界を滅ぼそうとしたが、他の神々の逆鱗に触れ、大陸を自らの能力で隠すことになったのが1500年前。

 しれっとすげえこと起きてるな。

 確か、水神と音神って草神の産みの親だったけ。

 そりゃそうなるわな。

 

 戦争によって、世界は滅びかけて、土地は荒廃した。

 しかし、唯一戦争の影響を受けなかったのがフロシアであるらしい。

 フロシアは雷神の元で人と魔族が協力しあい、魔術において黄金国に取って代わり最強の国になった。

 又、剣術に関しても聖地が存在していたので、あっという間にボロボロになったジュディル大陸中部を制圧。

 炎神の住む密林とスディモタ以外の土地を全て制圧した。

 雷神は音神の代わりとし、ジュディルの新たな使徒となったらしい。

 

 一方サガ大陸では、スト王国が文明において大きく発展し、フロシアに次ぐ二番目の国になっていた。

 厳しい聖書の規定を作り、己を律し、国民は勤勉に努力し、ハイリギサガームは非常に美しい都市景観を持つ都市になった。

 その代わり、聖地の件でフロシアと揉め、国交を断絶する一件となった。

 ちなみに、スト王国は勝手にここが聖地だといっているだけなのであるそうだ。

 実際はジュディル教の聖地であるらしい。

 又、傲慢になった国民はエルフを始めとした魔族を排斥するようになった。

 原因は人間が政治面においてあまり魔族を頼らなくなったことから、差別が蔓延したのだ。


 国際秩序が少しづつ崩れる中。

 魔族差別がひどくなる中、風神と岩神が痺れを切らし、光神と戦争を起こした。

 又、大陸の向こう側では海賊行為で揉めたことから炎神と雷神が戦争を起こした。

 これは最初の戦争より酷いものとなった。

 それを乱神の変と言い、最終的には雷神しか生き残らないと言った酷い結果になった。


 世界中は荒廃し、世界人口の7割が消滅。

 築き上げた魔術による文明も跡形もなく消え去った。

 

 フロシアは大陸全土をほぼ掌握し、穏健派は魔族排斥をした反省から、魔族との共存を目指した国家を作った。

 新しい教皇を添えて。

 それがキサナガ王国と呼ばれる国家で、スト王国の領土はかなり小規模となった。

 

 スト王国はキサナガが掲げた聖書に納得せず、キサナガに侵攻をしようと試みたが、当時のスト王国の王より過激な思想を持つ強硬派が各地で内乱を起こし、内ゲバだらけになった。


 それに漬け込んだフロシア出身の海賊はそこを拠点にし出し、フロシアとボンガノ間の貿易船を荒らすようになっていった。


 キサガナ王国は国民が戦争に消極的なのもあったが、スト王国首都の結界魔術が非常に強力であるため、聖地奪還を果たせなかった。

 キサガナは穏健でありながら光神統治時代の強大な戦力を持った国でありながら、兵をあまり送らず、前戦争の反省からエルフに頼らなかったため、ヘタレ国家と呼ばれ世界から笑われる国になってしまった。


 そんな中で500年ほど何も起こらず、平和?な日常が過ぎて行ったのだが、南ジュディル大陸の南部で革命が起こり、蒙林王国などの国々が建国された。

 それに立て続けに、ジュディル大陸の中部や南部でも同じように農民による一揆が起こり、フロシアは対処できなくなってしまった。

 又、雷神もフロシアでは無く、新勢力側につき、フロシア帝国は一瞬にして崩壊し、ジュディル大陸北東部にある狭い城下町にまで追い込まれたという。


 そして、この戦争をフロシア革命と言い、カリフリアという、ジュディル大陸中部においての巨大王国が出来た。

 そして各地には沢山の国々が出来て、人口も大きく増加したという。

 

 キサガナは貿易する国々は増えたもののカリフリアとはうまく行かなかったらしい。

 それは聖地の件や海賊の件で相変わらずストを対処しないキサガナに呆れているらしく、貿易船が回ってないわけではないが、国交は断絶しているそうだ。


 と言った感じらしい。

 見た感じ軍国史って感じだな。

 また、人々の営みについても詳しく書かれていた。

 

 大体3000年前以前のことはあまり解明できていないそうだ。

 神話に書かれている内容だと1万前に人類が誕生したと記されていたけど、その間の期間がズッポリ抜けているんだよね。

 

 で初めて王朝が出来たのが今はカリフリアの属国であるマオ王国と呼ばれるところであるが、首都ローマドには音神がハイリギサガームで聞いたお告げを宗教を広め、ジュディル教という宗教を作ったらしい。

 そしてスト王国も光神が聞いたお告げをサガ大陸で聞いたお告げを広めることになったらしい。

 多分、どっちも嘘だな。お告げを聞いたってより、ホラを拭いたんだろう。

 そして音神がハイリギサガームで聞いたお告げっていうのも宗教的な意向が反映されてるな多分。

 なんでわざわざ向こうの大陸で聞いたお告げをロマードで広めるか俺は理解不能だよ。

 

 少なくとも界神の名称が大陸を渡ると異なっていているらしいね。

 因みに他の神は己こそが始祖の神だ!!という風に開き直っていたらしい。

 すげえ傲慢だな。

 だからボンガノ大陸は岩神が死んでもなお、岩神信仰を続けているらしいね。

 当時は風神を信仰していたが現在多く原住民魔族エルフはサガ教を信仰しているらしい。

 エルフって可愛いのかな??


 そして世界各地に同じような文明ができ、恐らく村社会だった世界は上下関係を作って、都市を作ってって感じかな。

 そしてそれぞれの王の元で農民は農業をして、石から道具を変えた人間は銅を発掘しては武器や神器を作ったらしい。

 そして、一部神から知恵を授かった魔族は簡単な神通力を操るところから始まり、風や炎を操るようになり、人間に魔術を布教した。

 いつしか人間は授かった魔術を別の人間に教え、それを繰り返した。

 世界秩序は魔法で形成されるようになり、剣術、科学の発展に大きく作用したという。


 神々と人々が支え合い、芸術、数学においても人間は才能を開花させていき、秩序を作りながらも神々同士の争いが起きずに発展が続いていった。

 それを善時代と呼ぶらしい。

 その境目は神々同士の最初の争いから。

 フロシア崩壊までは文明の修復に時間はかかるわ、治癒魔術を使えるだけの薬草不足で国民が多くの病気に苦しむわ、ストとフロシアはピリピリするわで、鰻登りに成長してた時代が大きく停滞した時代。

 神々が秩序を壊し戦を起こしまくった時代。

 国民の意識が、戦の方向に向いていた時代。

 民衆が紙幣を放棄し、体に糞尿を塗りたくっていた時代。

 それが混沌期であるらしい。

 

 そして今は、各国では魔法研究が活発に行われるようになり、芸術も少しづつ復興をとげ、農業に各国は力を入れるようになり、治癒魔術の普及方法が国民に大きく広がった。

 神々がいなくなったことで、平和が保たれるようになった。

 商業も本格的に動くようになり、革新がどんどん起こっていくだろう時代。

 俺が今生きる、現世である。


 本当に今転移して良かったよ。

 てか、あのおかしな教育って混沌期からそのままじゃないよね??

 それとも退化してるとか?

 というか現世が形になってきたのってここ100年、200年くらいの話かも知れないからしょうがない気もしないでもないね。

 だって400年しか書かれてない文章に飢饉やら疫病が流行ったって書いてあるから、進化し続ける現世ということだろうか。

 

 しかし500年ごとに何かしら起きてるけど、あまりにも偶然すぎやしないか??

 多少の差はあるものの大体500年前後だ。

 しかも神ならそんな頻繁に戦争起こすなよアホか。

 又100年後何か起こらないか俺は心配。

 いや多分この世にはいないから大丈夫だろう。


 俺の感想は意外と神はしょぼいということだろうか。

 なんか各種族の王みたいな感じ??

 王すら統べる王みたいな。

 黄金国は無神教かな??

 神殺す時点で宗教に対して忠実な国家ではなさそうだね。

 しっかし黄金国強いなあ。

 

 しばらくは食っちゃ寝、食っちゃ寝の日々が続いた。

 そして空き時間は本を読んで、知識を付ける。

 イニャスがいる時は自分の部屋に引きこもってラップする。

 フレンチラップぽいフロウが出来るようになり、感動している。

 夜はクロエと寝る。最近は少し暑苦しそうだな。

 

 蔵書の本は俺が知らない間に増えることもあった。

 その時大体5冊くらい増えたかなあ。

 

 その中で、最新魔術研究という書籍があって、降雨用の魔術が出来るようになったらしい。

 そのおかげで薬草の大量栽培が出来るようになったとか、飢餓の心配が無くなったとか。

 この世界における魔術というのは科学技術に近いものかも知れないね。

 前世だと中国がやろうとしたことだな。

 因みに雪を降らすことができるか研究中らしい。


 因みに魔術にも等級っいうか強さがあるらしい。

 初級魔術、中級魔術、上級魔術、特級魔術、極級魔術の五種類ほどであり、さっき言った降雨魔術は特級レベル相当らしい。

 それ以降、強力な魔術も存在するにはするのだが、魔法陣が必要らしく、手軽に使えるものではないらしい。

 魔法陣が必要なものは魔術なのかという議論もされている為、上位魔法に対して魔術という認識を持つのは如何なものか、と言う人もいるらしい。

 それ以降の等級は極級・鬼、改、神と表記されるらしい。


 他は小説とかかな、一回休憩中と思われるイニャスが本を読みながらゲラゲラ笑っていた。

 小説に感情を寄せるのはどの世界でも一緒なのだろう。

 

 ーーいつの間にか季節は一周した。


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