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回復魔法は禁忌指定です  作者: 鳴座
第1章 回復魔法は如何ですか?
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第5話:ダイブ!

「2つ…確認したいことがある。まず、あんな化け物が居る世界で俺が生き残れる自信はない。また死ぬ可能性の方が高いし、逃げ出す可能性すらある。次に、あなたは既にその本を一冊所持してる…まだ必要なのか?」


 俺の質問した事は、特におかしなところがないとは思う。

 そもそも、魔法使いが、あんな戦闘を俺に見せた理由も分からない。あんなものを見せる必要は最初からなかったはずだ。

 俺が魔法使いだったら、何も言わずにさっさとあの異世界に投げ入れておしまいだ。

 その方が、俺にわざわざ考えさせる事もなく、楽だからな。


「うーん、あの世界で生き抜くことに関しては、特に心配する必要はない。私に任せておけば良い」


 と、魔法使いはさもなんでもないように宣った。

 その表情は、特に笑っているという訳でもなく、無表情で、ただ淡々と説明しているだけのようだった。


「まさか…魔法使い様から直々に魔法でも教えてくれるのか?」


「あぁ…私は君に、回復魔法の真髄を見せてあげよう、と思っているからね」


 答えのようで答えではないが…

 察するに、俺に回復魔法でも教えようと言うことか?

 なんでそんな微妙な魔法を…


「悪いね。こちらにも事情があるんだ。…それと、乖離聖典に関しては…君には分からないことだからね。諦めたまえ」


 そのように、魔法使いは話を一方的に打ち切ってしまった。


「まあ….話は分かった」


「おっ、そうかい!」


 と、魔法使いは楽しげに言った。

 だが、こっちだってそれ相応の…心の準備のようなものが必要だ。

 なので、少し考えようと思ったのだが、魔法使いはてんで人の話を聞かずに勝手に進めている。


「じゃあ、宜しく頼むとしよう…時堂零一くん?」


「…え?なんで俺のー」


「俺の名前を知っている?」と聞こうとしたが、その疑問が魔法使いに届く事はなかった。

 気がつけば奴は目の前におらず。

 そして俺は、何故か空中にいた。

 目には青い空が写っている。清々しい程の快晴だった。


 そして、そのまま、重力に引かれるがまま、数秒後には水の上に叩きつけられていた。



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