表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復魔法は禁忌指定です  作者: 鳴座
第1章 回復魔法は如何ですか?
1/33

プロローグ:0話

趣味です。

毎日の予定の隙間を縫ってちょこちょこ書いてます。

頑張って、週に一度か2週間に一度は上げられるようにします。

でも、何分趣味なので温かい目で見てほしい…

 小さい頃から、回復魔法というやつが気に食わなかった。

 いや、気に食わなかったというと少し語弊がある。理解できずにイライラした、というのが正しいだろう。

 我ながら、狭量で細かい子供だったと思う。

 しかし、やはり気になるものは気になるのである。


 子供の頃遊んだRPG。

 中学生の頃読んだファンタジー小説。

 高校生の今、遊んでいるソーシャルゲーム。

 そのどれもに、回復魔法が出てくる。


 ……回復魔法ってなんだ!?

 傷を治癒する?どういう原理なんだ?

 どこから欠けた肉体を集めてきたんだ?というか、欠けた肉体をくっつければ簡単に傷が治るものなのか?

 それとも肉体の成長を一時的に早めるとか?それなら納得できなくもないが、そんなものを戦闘中にイチイチかけていたら、すぐに疲労して戦闘どころではなくなってしまうだろ!?


 …とまあ、色々と文句を垂れ流しているが、何故俺がこんな他愛もないことを考えているのかと言えば、それは単に、俺が現在進行形て死にかけているからだ。


 いやー、まさか暴走した車が信号待ちの列に突っ込んでくるとは…

 逃げ遅れたのが俺だけだと良いのだが…


 とまあ、そういう訳で、俺が何故回復魔法のことなんて考えているのか、分かってもらえたと思う。

 視界も朧気。手先は冷たい。


 ……もし。もしである。

 もし、仮に、仮定として、回復魔法なんてものがあったして、それを使えるモノ…

 神や天使や、この際悪魔でも良い。

 いや。この場合は魔法使いになるのか?

 まあ、誰でもいい。


 もしも、回復魔法を使える何者かがこの場所に現れて、俺にこのように聞いてきたとする。


「私なら、回復魔法で君の()()()()()傷を治すことができるが、どうするかね?」


 俺は、恐らく、皮肉げに笑ってこう答えるだろう。


()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


 だって、そんな原理も分からないものに、この傷を治せるわけがないだろう?

 …あぁ、意識が遠くなってきた。

 周囲の音も聴こえない。

 最期に考えることがこんなことだなんて…

 本当に…しょうも…ない…事だ…



 弟弟子にも妹弟子にもウンザリしていたので、旅に出ることにした。

 久々のシャバの空気は気持ちが良い。このまま放浪の旅をしながら、時間を潰すのも良いかもしれない。

 しかし、残念ながら私にはそこまでの自由はない。


 なのでまあ、この旅も残り72時間くらいだと思っていた、のだが、そこで何やら面白い言葉を耳にしてしまった。

 魔法使いがいたとして。

 そいつが「この状況」を見て回復魔法を使ってやろうと言ったとして、


「やれるものならやってみろ…と、きたか…」


 なんとまあ、威勢の良い事だと思う。

 威勢の良いのは大切だ。初対面の相手には、まず舐められないようにすること。これが意外と重要だったりする。


 しかし、そんなもの私には関係ないのだがね。

 だって私、魔法使いだし。

 初対面の相手が魔法使いなら、いくら威勢が良くても関係ないのだよ、少年。


「ふむ…ここでこの子を助けてやるのも、また一興かな?」


 私は、考えながらも動きの止まった周囲の人々を掻き分けながら進み、ついには少年の傍に立っていた。


「まあ、君がそこまで言うのなら見せてあげよう…」


 私は右手を少年の体にかざした。

 ここから始めるのは、ただの遊びだ。

 ただし、遊び人は超一流の、魔法使い。


「回復魔法の真髄というやつをね!」


 私は魔法を行使する。

 そして、世界の針がまた一つ進む。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ