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ゾンビなJKの異常な日常  作者: 結愛りりす
プロローグ
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プロローグ

『お父さん、お母さん、お兄ちゃん。

 先立つ不孝をお許しください。

 私、月丘まなは学校でいじめられていました。

 中学で転校してきた時から、よそ者扱いされていて、辛く当たられていました。

 高校に上がってからは少しましになるかと思っていましたが、変わりませんでした。

 上ばきの中にがびょうを入れられたこともあります。

 上ばきを隠されたこともあります。隠し場所は決まって校舎裏のゴミ箱の中でした。

 いわゆるパシリにされて、お昼のパンを買いに行かされることもありました。売り切れで違うものを代わりに買っていくと投げつけられたこともありました。

 私の机の上は落書きでいっぱいです。

 ほとんどが「死ね」だとか「消えろ」だとか「キモい」だとかの悪口です。

 体操服をハサミで切られたこともありました。

 ごきぶりの死骸を机の上に置かれたこともありました。

 背中をいきなり蹴られたこともありました。

 六月二十八日、ロングヘアだった髪をショートボブにしてみんなを驚かせましたね。気分転換したかったと言いましたが、それは嘘です。本当はいじめで髪の毛を切られたから仕方なくそうしただけです。

 毎日ちゃんとお風呂に入って、毎日ちゃんときれいにしているのに、「くさい」「汚い」と言われ続けていました。これには訳があります。四月十二日の雨の日、ずぶ濡れになって帰ってきたことがありましたね。傘を忘れたって言ってたけど、本当はプールに突き落とされたのです。まだ掃除もされていない汚いプールに突き落とされました。そのせいでドブの臭いがすると言われました。

 ちびで胸がないことを男子にからかわれ、執拗に触られたこともありました。無理やり脱がされて、裸のまま立たされ、男子に好き放題に触られた恐怖は今でも拭えません。その引き続きで強姦されそうになったこともありました。幸い逃げられたので未遂に終わりましたが、とてもとても怖かったです。

 最初は守ってくれていた友達も、同じように標的にされるのを怖がって守ってくれなくなりました。

 書き出すと、いっぱい、いっぱい、いっぱい嫌なことが思い出されます。

 泣けてきます。もう疲れました。

 転校してきてから、何か悪いことをしたのかと悩んだこともありましたが、ついに分かりませんでした。

 先生に言っても一つも信じてもらえませんでした。私がいつも笑顔で中心にいるから信じてもらえなかったみたいです。

 お母さんに「いつも笑っていれば、いつかいいことがある」って教えてもらってたから、いつも笑っていました。でも、それをいいことにいじめがエスカレートしたような気もします。

 お母さん、ごめんね。お母さんの言ってることは本当だと思います。でも、私には違ったようです。

 悔しいけど、悲しいけど、もう死ぬしかありません。

 お母さんのご飯、美味しかったよ。私もお母さんから手料理習いたかったな。

 お父さん、お酒飲みすぎないでね。死んじゃう私が言うことじゃないかもしれないけど、体を大切にしてください。

 お兄ちゃん、いつも喧嘩ばかりしてたけど、本当は大好きでした。仲直りする時はいつも二人で映画とかアニメ観たね。昔の映画から最新の映画まで、いっぱい観たね。喧嘩が終わったらいつも中古の安いDVD買ってきて、一緒に観てたね。お兄ちゃんもてないから、映画館に付き合ってあげてたのはいつも私だったもんね。お兄ちゃんの趣味のホラー映画にはちょっと付いていけなかったけど……。これからは一人で観ないといけなくしちゃって、ごめんなさい。その内大切な人もできるのかな。お兄ちゃんの彼女とか見てみたかったな。もっともっといっぱいお兄ちゃんと映画観たかったなぁ。

 何だかとりとめもない文章になっちゃってるけど、思いつくままに書いたから許してね。

 十六年間という短い間だったけど、いっぱい、いっぱい愛してくれてありがとう。

 月丘まな』


 私立豊南高校一年生の月丘まなはこの遺書を残し、学校で首を吊った。

 用務員の小林さんが第一発見者で、たまたま片付けるために持っていた剪定ばさみで縄を切り落としたため、その場では一命を取り止めた。しかし意識不明の重体。あだしの病院に入院した。そして三日後、急変した。呼吸が止まり、心臓が止まった。帰らぬ人となった。享年十六。夏休みも後半に差し掛かった八月二十日のことであった。

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