【3話】皇子との出会い
「優梨奈〜〜〜今日はふぬちゃんとの事は気にせず、ってあんた。聞いてんの?」
私は里見くんの綺麗な笑い顔が忘れられなくて頭で何度も繰り返されていた。
「優梨奈?」
「えっあ、うん大丈夫だよ、それより歌おぉぉぉぉ!!」
「今ふぬちゃん以外の男のこと考えてたな?」
怪しそうに紗英は私の顔を覗き込む。
「はー何がー?」
私は図星を突かれて慌てながらも、全力でシラを切る
「ふーーーん、シラを切るなら別に良いけどーーー。ただ一つ、ニヤけるな。」
慌てて頬を覆う。やだ恥ずかしすぎるどうしよう。
「ねぇー紗英ちゃん。」
「んー?どしたぁー? あー久しぶりにレミオロメンもいいなぁー、3月9日なんて歌っちゃお〜」
カラオケの検索機を見ながら答える
「里見くんとは、仲良いの…?」
検索機を滑らせる手はパタッと止まり、紗英はこっちを見て固まる。
20秒くらい経ってから、その沈黙を割くようにして『3月9日』が流れる。
「紗英ちゃ」
ピッ。とリモコンで消してカラオケマイク越しに
「あんた、優梨奈の口から男の名前が…」
「ちっ違うって、何か誤解してるよ」
「誤解でも何でもいい、一生聞けないって思ってたから。」
勢いよく私に飛び込んでくる。そしてやけに喜んでキャピキャピしだす。
「里見ってのが腑に落ちないけども」
ボソッとつぶやきながらもキラキラした目で見る
「やめてよ〜変な事言い出してさぁ〜ただ気になっただけなのに。」
「ごめんごめん、はっはっっはは、で、里見だっけ?」
笑いながら体勢を直して、ミルクティーを少しだけ口にしてこっちを向く
「里見とはクラスが3年目なのよ、2年からはあんたいるから平気だったけど、1年の時私人見知りひどくてさ〜中々友達ができなくて。そしたら吉村ってヤツが声かけてくれてさぁー。そんでその吉村と仲良くしてたのが、里見。」
「そーゆー事なんだ〜仲良く話してたから仲良しなのかと思ってたんだ〜。去年里見くんと同じクラスだった時もよく2人仲良く話してて、てっきり里見くん紗英が好きなんだって思ってたんだ〜」
「あーないない。去年話してたのは、私その吉村に告白されちゃってさ。そんで断ったんだけど、アイツがそのネタでからかってきたんだよ」
紗英はティラミスを食べながら答える。
「優梨奈、チョコケーキでいい?」
「っあうん、ありがとー。」
「ロースンの廃棄だよ〜?」
そう言いながらゴソゴソと鞄から引っ張り出す。
「勝手にまた持ち出したのー?店長にまた怒られるよー?」
しょっちゅう紗英はコンビニのバイト先から廃棄を持ち出して店長に怒られてる。偶然にも優しくて面白い店長らしくいつもなんだかんだで許されている。
「で、里見の事気になんのー?」
大きい口でほう張りながら紗英は聞いた。
「気になるとゆうよりか、面白いなーって」
「なーって?」
「知りたくなった。。」
「ふーんそっかぁー。じゃあ話をしてみれば?」
「え。」
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「ほら里見きたぞ、まずおはようだ、いけ!!」
「はい隊長」
なぜこうなったか自分でもよくわからないんだけど、とりあえず昨日話をしてみろって言われて、話せないって話をして…そしたら挨拶で行こうみたいになって…今に至ると。
「さっ里見くんおはよう」
上手く言えなかったけど、その綺麗な瞳に見惚れる。
「おぉ、どした?ついに頭逝った?」
え、てっきりおはようって言われると思ってたから驚きが隠せない。
「はっっははっっはっはははは」
後ろから笑い声が聞こえる。
「里見ありえねぇーよ、おはようも言えないの?」
「いきなりビビるわ」
「おら、お前ら3人教室入れ!席替えすんぞ」
「はーーい」
そう言いながらも私は突っ立っていると
「里見はツンデレだから、本気で思ってたらそんな事言わないから大丈夫だって!!」
「本当?」
「ほんとほんと、仲良くなれたって事よ!」
そう言われ気を取り戻し教室に入り、黒板を見るなり私の顔は明るくなる。
「昨日引いてもらったクジで、先生がてきとーに配置したんでー!授業始まるけど移動しといてー」
その結果にブーブー文句を言うヤツもいるが、喜んで友と抱き合ってるヤツもいる。
私も席替えなんて気にした事なかったのに今回だけは違うんだ、周り男子しかいないし、紗英もいないけど、後ろの席は里見くんがいるんだ。
「里見くん、席前後だね〜」
「全然嬉しくないけど」
そう言って笑う。
「そうそう里見くんってバスケ部だって思ってたんだけど、サッカー部なんだね」
「あぁ、辞めたけどな。」
「運動音痴って聞いたけどはは。」
「アスリート並みに良いから」
「嘘だー、じゃあ体育祭何でんの?」
「大縄」
「それみんなでるヤツ。」
「。。。それ以外出ないんだけど」
「え、何で?個人種目は?」
「希望出さなかったら、外された。」
「外されたってっっっはっははっは、嘘でしょはは。」
「おい、そこ授業始まってんだぞ、良い加減にしろよ。里見も立川の邪魔すんな。」
いつ授業が始まったかもわからないくらい話に花を咲かせていた。
怒られた後も私は現代文の時間は先生の話よりも後ろの里見くんが気になってしまった。
真面目に授業とか受けてんのかなぁ〜。でもあの里見くんが受けるわけないか〜。
寝てるよなぁ〜うんうん寝てる確実に。すこーしだけ見ても良いかなぁ?
いやさすがにキモいか、うんうんキモいな。でも少しだけ。。。
私はチラッと後ろを振り返った。
うわぁ。寝てる。うんうんでも何というか可愛い寝顔。もう少しだけ見ていたいって思うぐらい。あぁなんか私まで眠くなってきたなぁ。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
え、ええええええええ。また?また寝てた?そーいやきのう、って、何も、やってないのに…。でもあと少しだけ…。
って、次…かっ化学⁉︎
「さっ里見くん!!次、化学室、遅れるよ!起きて!」
熟睡していた里見くんは気だるそうに起きて目を擦っている。
「え化学室って?」
「えっ知らないの?」
「お前みたいに化学オタクじゃねぇ〜からなぁ〜」
「3年間どこで過ごしてきたのよ」
「うるせーよ、で、どこなの?」
「教室右に出て、階段1階上がった正面」
「おーう。」
「じゃー私先行くから」
チャイムなってから5分後に起きるとか本当私バカ。起きたら誰もいないし、紗英までいないし。2人きりなんてさすがに気まずいのに。。。
次は化学、切り替え切り替え。
私が化学室に入るとまだ休み時間って事もあり、ざわついていた。
「紗英ー!」
「里見とはこなかったんだぁー」
携帯をいじりながらいじわるそうにからかう紗英。
「びっくりしたよー。まさか置いていくなんてさー」
「えーゆりちゃん、里見くんとできてるの?」
この子は今年から仲良くなった松江瑠璃香。しっかり者で、部長を務めている。
「違うよー」
「どーなの?サッチー」
「こいつ恋愛とかわかんないからね〜」
2人してクスクス笑う
「で里見は?」
「くるでしょ。で今日は実験?」
黒板を見ようとしたら麩貫先生と目が合う。
今1番目が合いたくない。。。
「立川〜ちょっといいか?」
「はい」
「このレポート。すげーな。驚いたわ。またできたら見せてくれよー」
「はい。。。」
もうレポートなんてやってすらいないのに。。。
そして実験の席に着く
「あぁ2人と同じ席か〜」
安心してふと目の前を見ると、この学校にいたっけてぐらいのイケメンが。
目はぱっちり二重で、シュッとした輪郭。こんがり焼けた肌は、彼の爽やかさを際立たせる。
とっさにプリントの名前をみて隣に座る瑠璃香に声を掛ける。
「瑠璃香、星柄くんって凄いイケメンじゃない?」
瑠璃香は書いてるプリントから星柄くんに目を移す。
「あぁたいちゃん?かっこいいってか可愛いよね〜」
へ〜こんなイケメンがいたのか〜。
モテるんだろうなー。まぁきっと私とは生涯関わることのない人だろうな〜。
そう思いながら時計を見ると、
「授業始まって5分かー」
「どしたのゆりちゃん。」
瑠璃香が心配そうに聞いてくる。
「優梨奈は里見が来ないなぁ〜って心配なんだよねぇ?」
「ぜんっぜん!」
「分かりやすいなおめぇは!可愛いかよ〜」
そう言って紗英は私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。
「やめてよもう」
すると。ガチャッと音とともにドアが開く。
「迷ってました。」
頭を掻きながら里見くんが入ってきた。




