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クロの下界冒険記~神→冒険者?~  作者: UNKNOWN
2章 なんだろう、降臨?
9/41

7話 砂漠突破

いかんいかん。投稿し忘れていたorz

・・・・・・・


・・・・・・・・・





「なんだろうなー」


「なんでしょうねー」



現状説明。



砂漠なう。


以上!




・・・




最悪だ。


砂埃はすごいし足は埋まるし。


それに、



「マスター、またアレです」


「アレね・・・。」



ものすごくご丁寧に、わざわざ僕らの進行方向に出現してくるモンスター。


しかも出てくるのはあのダンジョンの中で出てきたでっかい豚さん(仮)。


距離にしてだいたい200メートルほどの場所に湧いて(・・・)出てくる。



「・・よっこらしょ」



もういちいち召喚するのも面倒になって肩に担いでいたライフルを降ろした。


非常に大型で、長大な対物ライフル。使用する弾薬は14.5×114㎜という凶悪な威力を持つ機関()弾。


重量にして20kg。魔法で筋力を強化しておかないと持ち運ぶのにもめちゃくちゃ苦労する。砂漠ならなおさら。


スコープを装着してあるものの、1.8m弱あるライフルの全長のせいで非常にアンバランスに見える。



その巨大なライフルを二脚で砂の地面に固定。自分も腹ばいになって構えた。


スコープ越しに前方200mほどの場所にいるモンスターを補足。まだ気付かれていない。



「撃つよー」


「どうぞー」



ジルもどこから取り出したのか、僕の後ろで立って双眼鏡をのぞきながら言った。


よし。


しっかりとグリップを握りこみ、心持ち上半身に力を入れる。


引き金に指をかけ、


少し息を吸い、



「ふんっ」



撃発。



ズガァンッ!!と、凄まじい銃声、いや爆音とともに反動で銃身が後退し、排莢口から約11cmの巨大な薬莢が排出される。


64gの徹甲弾は秒速1000mの速さで撃ち出され、ほぼ一直線の弾道を描いて飛翔した。


そして音よりも速く飛翔した弾丸は、銃声を置き去りにしたまま、―――目標(ぶたさん)に命中。



人型の豚さんの、肩と肩の間あたりに命中したらしい。


発射した際の凄まじい発射ガスで巻き上がった砂埃で視界が覆われる寸前、スコープ越しに豚さん(仮)の胸の辺りが赤い飛沫(しぶき)と共に大きく(えぐ)れ、同時に首ごと頭が外れ飛ぶのが確認できた。



「・・ふぅ」



肩が痛い。


銃口制退器(マズルコンペンセイター)緩衝装置(ショックアブソーバー)などの対策がしてあってもやっぱりキツい。



「や、お見事ですマスター。ちょっとスカッとしました」


「スカッとっていうよりスプラッターだよねあれ」


「いいんですよそんな細かい事は」


「いや、ぜんぜん細かくないからね?」


「どうせマスターだって特に気持ち悪いとかそんなもん無いんでしょう?」


「モンスターだったらそうだけど・・・人間とかに対しては違うからね?」


「・・・え?」


「え?って何!?絶対何か勘違いしてるよね!?」



人殺しは同属殺しと同じぐらいの抵抗がありますよ!?



ちなみに僕のように神界にすんでいる「神族」は人間のベースとなった種族なので、人間との外観の差はほとんどない。


だから本能的に人間を殺すのは忌避感があるというか、すごい抵抗感があるんだ。


・・・まあ、殺す事自体はできちゃうんだけどね?


やりたくないけど。


さらにちなみに、ジルはもともとがカラスなのでそんなに抵抗は無いらしい。恐ろしい子!



「あ、マスター。また湧いてきましたよ」



どうやらまた進路にモンスターが沸いてきたみたいだ。



「はいはい・・・」



僕はまたライフルを構える。


もう伏せるのも面倒になってきた。



「立って撃とうかなー」


「自殺行為ですよねそれ」


「デスヨネー・・・。」



次々と湧き出るモンスターを撃ちながら、僕らは歩き続けた。











・・・・・



・・・・・・・・










それからおよそ3時間。途中で異次元ポケットから出した乾パンや水をチビチビと摂りつつ歩き続けた。



そして、僕らはついに、遠く遠くに見えていたあの街に辿り着いた。



「おおー・・・」



先ほどの砂漠の風景とは一転、目の前にはそこそこの規模の中世風の街と、それを取り囲む5メートルほどの防壁が広がっていた。



「やっと着きましたねぇ・・・」


「ホントだねぇ・・・」



ダンジョンを出てからずっと湧き出るモンスターをただ狩り続けるだけだったからヒマでヒマで仕方なかったんだよね。


よし、これでやっと楽ができる!あと人に会える!



とりあえず門から入らないと街にいけないので、ちょうど近くにあった門から入る事にした。門番さんとかいるのかな?



鋼鉄製の頑丈そうな門の近くに石造りの詰所らしき小屋があったのでそこに行ってみた。


受付用らしき小窓があったので、そこから室内をのぞきこんでみる。



「すみませーん、入国?の手続きをお願いしたいんですけどぉ・・・って、あれ?」



誰もいなかった。


そこにはただ、



『御用の方はインターホンの赤いボタンを押してお話しください』



とだけ書かれたプレートがおかれているだけ。


見ると、壁に立てかけられたそのプレートのすぐ脇に小さなテーブルがあり、赤いボタンがついているインターホンらしき電話機が置いてあった。



「セキュリティーだだ甘ですねコレ。担当者はぜったいパープリンですよ」



ジル、さらっとそんなこと言わない。僕だってちょっと考えてたんだから。


だって街に入るための門に門番さんがいないって・・・手抜き・・・・。



まあ、あれこれ言っていても仕方ないので『南口ゲート・特区』と書かれたドアから小屋の中に入ってみた。


室内にはあまり物が置かれていなかった。ただ、簡素な木のテーブルと小さな丸いす、あと壁に配電盤みたいな白いボックス。明かりの類は無かった。


そんなに古い感じは見受けられない。むしろきれいなほうだといえるかもしれない。



「んじゃまぁとりあえず」



インターホンの受話器をとる。



「ぽちっとな」



ボタンを押してみた。



『プルルルル、プルルルル、プルルルル・・・・』



(お、ちゃんと通じた)



故障してるとかも無かったみたいだ。


しかし、



『プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル・・・・』



(あれ?なかなか出ないぞ・・?)



肝心の相手が出てこない。


いくらなんでもこれは担当者は遅すぎるんじゃない?もう20秒ぐらい?


それでも切るわけにはいかないので、しばらくの間発信音を聞き続けた。



そして1分ほど経った時、ようやく。



『・・・もしもし、こちら入国管理課です』



心持ち緊張した若い男の声が受話器越しに聞こえてきた。




「やったジル、人だよ人!」


「遅いですよ。職務怠慢ですか?のんきなもんですね」


「まぁ出てくれただけよかったんじゃない?」


『あの、もしもし?』



おっといけない、話している最中だった。



「あ、すみません。えっと、入国したいんですが、何か手続きとか要るんですか?」


『・・・すみません、少し確認させていただいても?』



確認?何だろう。



「いいですよ。あ、武器とかの持ち込みは禁止だったりするんですか?」


『いえ、武器の持ち込み規制は当国にはございません。・・・今、あなたは門の前にある小屋にいますか?』


「はい、そうですが?」


『誰もいませんでしたか?』


「え、はい。いませんでしたが・・・」



何を聞こうとしているのかさっぱりわからない。



『では、その小屋の入り口の扉に何か書かれていませんでしたか?』


「え?・・・『南口ゲート・特区』って書いてありますね」


『・・・・・少々お待ちください。すぐに担当者を向かわせますので』


「?はぁ、わかりました。お待ちしております・・・?」



通話が切れた。


なんだろう、本当にわからない。



「ジル、担当者とやらがくるんだって」


「はぁ?面倒ですね。もう扉を壊して入国しましょうか?」


「いや、そしたら入国の前に入獄しちゃうから」


「誰が上手い事言えと」


「そんなつもりじゃなかったからね!?」



そんな感じで、しばらくジルと話しながら待っていた。




およそ3分後。


門の内側から、馬の(ひづめ)が地面を蹴る音が聞こえてきた。



「馬が近づいてきてますね・・・担当者とやらが来たんでしょうか?」


「かもしれないね。どうする?剣とか収めとく?」


「いえ、このままにしておきましょう」


「そだね」




蹄の音が止んだ。


と思ったら突如として、重苦しい音を立てながらあの頑丈そうな鋼鉄の扉が開いた。


どうやら城壁の内部に機械があって、それで開閉しているらしい。


そして開いた門から、さっきまで馬に乗っていたらしい人たちが出てきた。


男の人が3人、女の人が1人。


それぞれが濃緑色の軍服を着て、木製ストックのライフル銃を肩に掛けていた。



「・・・7.62ミリセミオートライフル、ナイフ型銃剣つき。この世界でも生産とかされてるのかな?」



もしそうであればすごい。


さっき抜けたダンジョンから察するに、普通に魔法が使われているらしいこの世界でもまだ銃が生き残っていたとは。



「あなた達が先ほど通話されていた入国希望者の方ですか?」



声が違うからたぶんさっきインターホンで話した人とは別の男の人。なんか雰囲気が隊長っぽい。



「そうです」


「そうですか。では失礼ですが、ギルドカードなど身分証明書の類をお持ちでしたらご提示ください」


「ギルドカード?」



なにそれ食べれる?おいしいの?



「ご存知ありませんか?」


「はい。えっと、身分証明書みたいなものは何も持ってないんですけど・・・」


「・・・そうですか。では、あなたの出身国やここに来るのに使った経路などをお話しください」



・・・・出身国・・・・。


ここで素直に「神界です☆」なんて言ってしまったらどうなってしまうんだろうな・・・。


とりあえずここに来た経路だけ話すことにした。



「えっと、ここに来るまでは、あれです、砂漠を突っ切ってきました」


「・・・! ・・・砂漠を、ですか?」



何かおかしい事を言ったかな?



「え、はい。あ、あとその前にダンジョンから出てきました」


「ダンジョン・・・ですと!?それは偽りではありませんか!?」



この隊長っぽい人、割と動じなさそうな見た目の人なのにすごい動揺してる。


今までの会話の中に何か驚くような事なんてあったかな?


後ろの部下っぽい3人を見てみると、よほど隊長っぽい人が動揺しているのが珍しいのか、ちょっと驚いた顔でこちらを見ていた。



うん、解せない。



「マスター。手続きとか面倒なので早く何とかしちゃってください」



ジル、そういう事言わない。問答無用で入獄させられても知らないよ?


と、そこでジルの言葉に隊長っぽい人の後ろに控えていた3人のうちの女の人が反応した。



「え?マスター?・・・そこの子供が?」


「・・子供・・・」



どうせそうでしょうよ・・・ジルは長身だし僕は小さいし「見た目12歳(byメグル姉)」だし・・・


せめて呼ぶなら「少年」って呼んでよほんと凹むから・・・



「そうだ、子供ながら我がマスターだ」



ニヤニヤしながら言うジル。あとでお仕置き決定。



「ちなみに、道中モンスターに遭遇しませんでしたか?」



あ、隊長っぽい人が立ち直った。まだ若干混乱した顔してるけど。



「モンスターだったら邪魔になるのは全部狩りましたよ?死体とかは放置してきたので証拠は何もないんですけど」


「・・・・・・」



なんか、今話しかけている隊長っぽい人も、その後ろで控えていた3人もそろって困惑した顔をしている。


ますますわからなくなってきた。



「・・・ちなみに・・・モンスターは、その腰にある刀で斬ったのですか?」



あ、日本刀のこと?



「いえ、違います。僕の召喚魔術で召喚した武器を使いました」



なんたってこの日本刀は僕にとっての切り札(・・・)だからね。おいそれと使えない。



「魔法で召喚した・・・武器ですか。・・ちなみにそこの方は?」


「あ、ジル・・・僕の使い魔でしたらダンジョンの中で僕が貸した山刀(マチェット)を使ってましたよ」



そういえばまだマチェットをジルに貸したままだった。あとで返してもらおう。



「ニホントウに山刀に使い魔・・・わかりました。ではこれから馬車に乗っていただきますので、付いて来て下さい」


「あ、はい」



何だろう?


よく分からないことばかり聞かれた気がするぞ?


そして僕たちは、防壁の内側に停めてあった馬車に乗せられ、どこかへと連れて行かれたのだった。













・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・




時間の進み方がおかしいかもしれませんが、そこはご愛嬌ということで(汗

精進してまいりますのでどうかよろしく。


さて、今回登場した武器ですが、出てきた順に、

・ゲパードM3

・SKSカービン(入国管理課の兵士が持ってるライフル)

ですね。


ゲパードが超好きです。もの凄く好きです。M1もM3もM6も超好きです。

「何言ってるのかわかんねぇよ」っていう方もいらっしゃるかもしれませんすみません。

次回か次々回は説明回になる・・・と思います。

ここまで出していなかったクロの容姿とか街のこととか国のこことか魔法のこととか世界のこととかetcを出していきたいと思います。

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