2話 迷宮幽閉
どうもUNKNOWNです。のどが痛いです。風邪でも引いたかもしれませんが平常運転!
今回やっと兵器が出てきます。
ではどぞ。
・・・・・
・・・・・・・・・・
「・・・・・・んぅ?」
目が覚めた。
僕はさっきまでいた部屋とは別の、石造りの部屋に寝かされていたみたいだ。
どうしてだか扉が二つあるようだが窓はなく、日の光は入ってきていない。
う、まだ脳天が痛む・・・・
首を横に向けると、
「お、マスター起きましたか。いやまったく遅かったですね?気絶してからだいたい20分ぐらい寝てましたよ?呆れますねぇ。男ならもっと早く起きてくださいよ」
「・・・・・」
また人間の姿に変身したらしいジルを発見。
こいつは何も攻撃されなかったようで、無傷だった。
・・・もう何もツッコまない。
それにしても、
「ジル、さっきの巫女さんは?」
起き上がりながら聞く。
僕の脳天に見事な一撃を喰らわしてくれたあの巫女さんがいない。
「ああ、あの巫女ですか。それならさっき私達をここに閉じ込めてから地上に行ったみたいですよ?」
「・・・・え、僕たち、閉じ込められてるの?」
「ええ、そうみたいですね。一応周囲を魔力走査で探索してみましたが・・・・・」
ジルが言い淀んだ。
ちなみに、「魔力走査」っていうのは、自身の魔力を全方向に走査させ、自身を中心とした円状の範囲を探索できる魔法だ。科学文明に存在した「レーダー」によく似た機能と原理になっている。
「その様子だと、何かあったの?」
「はい。どうやら周囲は迷宮になっているようです。それなりの数の生命体も散見されます」
「・・・・わお・・・・」
どうやら僕たちはダンジョンに閉じ込められてしまったみたいだ。
下界に転移して1時間も経っていないのに・・・運が悪かったかな?
ちなみに神でも運ばっかりはどうしようもない。神の祝福?なにそれおいしいの?勝手にやったら厳罰に処すぞぉ?
脱線した。
とにかく僕たちが地上に戻るためにはこのダンジョンを突破しなければならないらしい。
そして例の巫女さんは上級魔法の転移魔法が付与されたマジックアイテムを使って地上まで脱出。
あいにく僕らはそんな物なんて持っていない。
それに、
「というわけなのでマスター、アレですよ腕試しですよ。ええ、それがいい。ほら、ちょうど辺りに害虫がいるみたいだし少しぐらいなら許されるのではないかと」
なにやら静かに興奮しているジルをどうも抑え切れそうもない。
ちなみにさっきのセリフを意訳すると、「辺りにちょうど雑魚モンスターがいるのでちょっとだけ狩らせてくださいよマスター」ってところだと思う。まったく、なんで素直にそう言わないかね。
・・・・とはいえ、まぁ、腕試しぐらいやっても許されるんじゃないかな?
僕も一応武神だし戦うことは結構好きだ。
なら結論は決まってる。
「よし、じゃあとりあえずは二手に分かれて地上への出口を探そう。途中で出会ったイキモノについては・・・・」
「イキモノについては?」
興奮した様子で聞き返してくるジル。
僕はニヤリと笑い、
「すべて排除してしまってもかまわない。双方の連絡については、そうだね・・・・面倒だからどちらかが出口を見つけた時でいいかな?」
本音としては、せっかく腕試しが出来るんだから誰にも邪魔されたくない、ってのもあるんだけどね!
「いいです!何も問題ありません!!じゃぁもう行ってもいいですか!?」
「あ、待って。これも持って行ってよ」
護身用に挟んでいた我流2本差しのうち、マチェットをジルに渡しておく。
「わかりました」
「じゃ、行っておいで」
「はい!」
僕が許可をするや否や、ジルは猛然と部屋の外、二つあるドアの向こう側のダンジョンへと走り去った。
相変わらず速い。動物的な俊敏さ・・・と言うべきかな?
・・・・さて、僕も早い所行くとしますか。
久々に自身が興奮しているのを感じる。
僕は、ジルが出て行ったドアとは別の、もうひとつあったドアのノブに手を掛けた。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「ぬっ・・・・・・・・・・!!」
・・・・出発早々、問題発生。
颯爽とドアを開け放ってダンジョンに入っていく・・・はずだったのに、押しても引いてもなぜかドアが開かない。
おかしい。
ジルはさっき、あんなに素早くドアの外まで行けていたじゃないか。
そう思ってジルの開けたドアを調べてみたら、どうやらジルは体当たりで突き破っていったみたいだけど、見るとドアの端にはご丁寧になにか接着剤のようなものが塗ってあったと思われる痕があった。
道理で。
僕はジルほどに俊敏ではないし、体当たりなんて痛そうだからやろうとも思わない。
なら・・・・
なら答えは決まってるじゃないか!
「召喚魔方陣、起動!」
僕の固有能力、「科学文明に存在する武器を無限に召喚できる」能力。
高位神それぞれが1つずつ所持する固有能力の中で、最も攻撃に特化した能力。
小はエアガン、大は戦略核爆撃機。
とにかく何だって召喚できるんだ。これほど僕にとって便利な魔法はない。
能力を使用するために専用の魔方陣を起動させ、自分の使用したい武器を思い浮かべる。
今必要なのは、ドアを破壊するために必要な武器。
思い浮かべると同時に足元に二重の同心円の中に五芒星が描かれた魔方陣が構築される。
その魔方陣が空気中の魔力を集束させて発動し、光を放った。
そして僕の手にイメージした武器を召喚する。
「お、これだよこれ。うん、いい感じ」
パイナップルのような刻み目が入れられた楕円形に近い形状をした鋳鉄製の弾殻の上部にプレススチール製の点火レバーと安全ピン。
手榴弾だ。
・・・ニヤニヤ笑いが収められない。
早速、点火レバーを握りこんだままで安全ピンを引き抜く。
そしてドアの下方に向かって投擲!!
空中で点火レバーが弾け飛び、小さく煙を上ながら5メートルほど離れたドアの前に落ちる手榴弾。
怪我はしたくないので、とりあえず魔法でバリアを構築。即席の遮蔽物にした。
それから数秒。
ズガンッ!!
腹に響く、頭をかち割ってくるような凄まじい大音響。
凄まじい爆風とともに、鋳鉄製の弾殻が四方に千切れ飛んで石の壁面を穿つ。
爆発が終わったタイミングを見計らって、火薬による煙を魔法で消した。
すると、そこにはただ、見るも無残に破砕されたドアの残骸の向こう側に続くダンジョンの通路があるのみだった。
(ああ・・・・なんだろう、この快感・・・!!)
ドアを爆破したらスカッとした。
ジルにずっと弄られ続けていたからだろうか?
(うん、そうに違いない)
そしてちょっとだけスカッとした僕は、ダンジョンの奥に存在するであろう出口を探すため、そして途中で出会うであろう怪物狩りを楽しむため、ダンジョンの通路へと足を踏み入れたのだった。
やったるでー!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・駄文!!
へ、兵器が出てくるのに戦闘が無いとか・・!!
やっぱり難しいですね。書いてみて難しさを痛感しました。
ちなみに、本文中で手榴弾の描写がなぞなぞみたいになってますが、以降出てくる兵器は全てこんな感じで行こうかと思います。
で、出てきた兵器についてはこの後書きの欄の中で名称を書きますが、何か兵器の描写の中でおかしいところがあったらご指摘よろしくお願いします!
で、今回登場した手榴弾は、アメリカの「Mk2手榴弾」です。
「パイナップル」の愛称で呼ばれるあいつですね。
※誤字脱字、その他ご意見ご感想などございましたらどしどしお願いします!