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クロの下界冒険記~神→冒険者?~  作者: UNKNOWN
5章 寄せ集めの国
39/41

1話 人の話はなるたけ聞こう。

はやく宣伝Tweetを書き直さないと……。


「……あ、この天井は知ってる」


 目を開けて一番に見えたのは、僕とジルが宿泊する『熊の隠れ家』亭の木製の天井板。

 窓から射し込んだオレンジ色の光が白い壁紙で反射して、部屋全体を柔らかく染めていた。


「夕焼け……?」

「いえ、朝なので朝焼けかと」


 意外と(そば)に居たらしい、いま一番聞きたかった声が聞こえた方向に顔を向ける。


「ジル!」

「お早うございますマスター。23時間ぶりですねぇ」


 23時間ぶり……ということは昨日の朝にイースさんに拉致られて23時間、つまり今の時間はちょうど昨日目が覚めた時間より少し前か。

 意外と早く帰れたなー。現地でキャンプするなんて聞いたときは何日やるつもりかと思ったけど。

 ………にしても、はて。


「ねえジル。いつ帰ってきたの?僕」

「いや……帰ってきたと言うか(かつ)ぎ込まれたと言うべきか」

「?」


 どういうこっちゃい?ジルにしては珍しく、何だか歯切れが悪い返事だった。

 ていうか今、僕のコートをジルが羽織ってるんだけど、何故だか左の袖が腕の付け根の辺りから千切れている。


 ――――あっ!


 思い出して跳ね起きて、左腕を見る。



(僕の腕は!?―――……ん?)


 あ、あれ?

 コートの下に着ていたシャツの袖は無くなってるけど、僕の腕は普通にあった。


「問題なく動きますか?」

「動く、けど………ハッ、まさか夢?」

「しばしお待ちを」


 僕が左腕を振ってみたり手を握ったりしていると、ジルがポケットから小型のデジタルカメラを取り出し、何事か操作し始めた。そして目当ての画像を見付けたのか、画面を僕に向けてみせる。

 そこに映っていたのは、


「うわグロっ!」

「グロいって自分でしょう?……良かったですねぇ。大口径の徹甲弾が左肩の鎖骨あたりに着弾して、肩ごと腕が飛んだだけで済んだんですから」


 良かったってジル、それぜんぜん良かない。良かないぞ。『鎖骨が剥き出しですね』って言ってズームするんじゃないやめて。


 少し落ち着いて、半目を開けてベッドに横たわる左腕の無い僕の写真を眺めながらただただ思う。生きててよかった。


「ちなみに腕が完全に再生したのは30分ほど前です」

「再生……するんだね。自分のことなのに分からない事があるなんてなぁ」


 あのノンビリした神界で神族がここまで大きく体を損傷する事なんてそうそうないし、ましてや高位神ともなれば大きな怪我をしたこと自体が皆無だから、命にかかわるレベルの怪我をすればどうなるのかが僕自身にも分からないのだ。僕が呟くと、(にわか)にジルが悲しげな、それでいて寂しげな表情をした。


「マスター」

「な、何?」


 何だろう?ジルがこんな表情をするのは珍しい。

 真剣な声音に、思わず僕も身構える。


「――――それはやはり老化(ボケ)ですか?」

「…………」




 半目で睨んどいた。





―――――――――





 十数分後。




「さてマスター。ご機嫌の程はいかが?」

「……おこです」

「そうですか、では朝食を食べに参りましょう。流石にお腹が空きました」


 決定的なところで会話が噛み合ってないけど気にするのをやめた。

 ジルは部屋にある机に広げていたモノクロ刷りの書類のようなものを数枚手に取ると、左袖がまるごと千切れた僕のコートを椅子の背もたれに掛けた。ちなみに僕のコートは軍用ではあるけども攻撃するための『兵器』でないので召喚することができず、破損した時のために予備のコートを異次元ポケットに何着か入れてきているのだ。……まあ、今コートはいいや。でも破れた服は替えとこう。


(何でもいいかな……適当でいいや)


 アンダーシャツに半袖のドレスシャツを重ねて着る。

 異次元ポケットに軍用の衣類ぐらいしか入れてないために、シャツすらもどこかの軍の制式採用品を黒くしただけのモノになってしまったのはご愛嬌だ。マチェットと日本刀――もといアテさんも忘れずベルトに挟む。


「しかしマスターって服のセンス無いですよねぇ」

「うっ……うるさいやい」


 破れた服を異次元ポケットに突っ込んで、ベッドから降りた。


「歩けます?」

「うん」


 問題なく歩ける事を確認しながら部屋を出る。しばらく歩いてみたけど、廊下も階段も一応歩けた。

 でもやっぱり体が重い。筋肉痛になってる訳でもないし疲労感がある訳でもないのに足や腕に力が上手く入らないというか、とにかく奇妙な感覚が全身にある。まあ肩ごと腕が吹っ飛んでこの程度ならまだ安いほう……なんだろうか。

 踊り場で少しふらついた僕を見かねてか、無言で溜め息ひとつ吐いたジルに負ぶわれて階下まで運ばれる羽目に。


「なんかごめん……重くない?」

「いえ、実に軽いので非常に楽です」

「そう?」


 神族ってのは基本的に体重も変わらないからなぁ。体の8割以上が魔力で構成されてるために、摂食した物から摂ったエネルギーを体の成長に反映することができないのだ。そのエネルギーも魔力を使わず普通に運動するときの主なエネルギーにはなるらしいんだけど。


 ……あ、そうか。

 僕の腕が再生したのも、腕の大半がが魔力で構成されてるからで………となると僕の腕は魔力を消費して再生したということになるわけで。でもそうすると―――腕の再生に使われた魔力はどこから出てきたのだろうか。


(ものは試しかな?)


 試しに、体内の魔力を消費してみることにした。魔力が極端に減っていれば何らかの反動があるはずだしね。

 まずは魔力消費が少なく規模も小さい、魔力による筋力の強化。詠唱もいらないお手軽さだし、これなら様子見にぴったりだ。

 そして階段を降りるジルの背中で、体全体に魔力を行き渡らせようとして、



『ち、ちょっと待ったー!意識侵入(クラッキング)!!』

「わっ!?」



 唐突に視界に電撃が走った。

 一瞬からだが痙攣すると同時に僕の全身のコントロールが失われ、僕の意識だけが肉体から『剥がされていく』感覚。何これ!?


「『ふぅー、セフセフ。内部・外部で存在を二等分というのも中々便利かもしれませんね』」

「……マスター?」

「『の、体をお借りした狂神アテです。あららぁ、残念でしたねカラスさん?ねえ今どんな気持ち?……ま、愛しのクロ様の意識もキチンと残してるんですけど』」


 言われた通り、確かに意識はある。視界もそのまま。しかし、声を発そうにも体を動かそうにも体のコントロールが全く利かない。

 そして、今ぼくの口から発せられている言葉も僕のものじゃない。自らの『存在』を2つに分け、僕そのものの『存在』と腰の日本刀に居候している、『狂気の女神』アテさんが僕の肉体を乗っ取って発した言葉だ。


「『クロ様、お疲れのところ申し訳ありません。ですが1つほどご忠告をば。……ちょっとクソ鴉、私を折ろうとするのはやめて頂戴』」


 アテさんが口調をクルリと変えながらそう言ってなお、両手で鞘に入ったままの日本刀を折らんとしているジル。

 ていうかいつの間に抜き取ってたんだよ。僕を背負って階段を下りながらノーモーションで刀を抜き取るってどんな高等技術使ってんのさ?

 僕の体で溜息を吐いたアテさんが話を続ける。


「『さてクロ様』」


 はいはい何でしょう。

 僕の口から発された言葉に頭の中で返事をする。


「『ご存知の通り、クロ様の左腕は一旦吹っ飛んだ上で再生された訳です。が、ここでひとつ問題が生じておりまして』」


 問題?


「『はい。実はクロ様の体組織を構成している有機成分……つまるところタンパク質やカルシウムなのですが、どういう訳かこれが再生した腕の組織に含まれていないのです。つまりは現在、左腕が100%魔力のみで形作られているんですよ』」


 ……いまいちピンと来ないんだけど、それが何か問題なんだろうか。


「『問題大有りです!――あ痛っ!?』」

「この屑女神。耳元で五月蝿く叫ばないで頂けますかねぇ」

「『あーら失敬』」


 ジルに負ぶわれた状態で大声を上げた僕……じゃなかったアテさん、いや肉体は僕だから僕なのか?ああもうややこしい。ともかくジルが僕の肉体の額にデコピンをかました。感覚がすべてアテさんの存在の方へフィードバックされているのか、意識を肉体と分離されているらしい僕はまったく痛みを感じない。

 アテさんが僕の手を使って額を触ると、指先に小さく赤い血が。どうやら少し切れたらしい。

 指に付いた血をペロリと舐めとりながら、アテさんが続ける。


「『えーっと、ですからクロ様の体内に存在しなければならない有機物が足りてないのですよ。つまり異常事態なんです』」

「……えらく端折(はしょ)りましたね」

「『ええそうね。短時間に一気には説明しきれないもの。―――ですからクロ様、異常事態ということは何が起こるか分かりませんので、ある程度の回復が完了するまでは魔力の使用を控えていただくのが宜しいかと。ちなみにこの意識ジャックは私の魔力で発動しているのでご心配なく。クロ様の魔力は使っておりません』」


 まあそりゃあ有機物が足りないってのは筋肉や骨が無いってのと一緒だからなぁ。

 でもそれで何で魔力を使うのを控えたほうが良いわけ?


「『万が一の事態を考えての安全策です。クロ様の体の状態は私が常時監視できますので、そのデータから何かしらの解決策が見つかるかと』」

「正直、次回はあってほしくないですがね」

「『クソ鴉と意見が同じなのは非常に不服ですが、それにつきましては私も同感です』」


 そうだよなぁ……あ、1階に着いた。

 押し戸の向こうで給仕をしてるチャコさんが見えた。


「『それでは私は『意識侵入(クラッキング)』を解除しますが、クロ様の体組成は常時チェックしておりますのでご安心を。あ、あとクソ鴉はちょっと用事あるからまだわたしを持ってるのよ。いいわね?―――それではクロ様、ごきげんよう♪』」


 はーい。忠告ありがと。


 脳内で返事をすると同時に体のコントロールが元に戻っていき、手も足も頭も動かせるようになった。あとついでにジルにデコピンされた額も痛い。なんて威力でやってくれたんだ。

 そして殺人デコピンをぶちかました事について微塵も悪びれる様子の無いジルの背中から降ろしてもらい、立つ。


「先に朝食を食べておいてください。私も後で行きますので」

「ジルはどうするの?」

「私はこの屑女神の与太話を聞かねばならないらしいので。少々奥に行っています。……あ、私のコーヒー淹れといて下さい」

「分かった。なるべく早くねー」


 階段室の奥に向かい、手に持った書類をヒラヒラと振りながらナチュラルに高位神(マスター)をパシったジルを見送って、食堂兼・フロントロビーの押し戸を開け空席を探す。

 探す……のだけど。


(な、何だろうこの視線……?)


 食堂に入ったとたん、朝食のパンを(かじ)っている冒険者らしい何人かの人たちから、その、何と言うべきか。どういうわけか奇妙なモノを見るような視線を多数向けられている。そしてこれまたどういうわけか、ほかの人の視線に釣られて僕を見た数人は何か納得したような顔になって、また平然と食事を再開する。

 何だってんだ、一体?

 奇妙な視線に晒されながら空いた席を見つけ、ふらふら歩いて席に着く。


「ッとと。あーお腹空いたぁ………チャコさーん!おはよーございまーす!」

「はぁッ!?」


 すっ頓狂な声と共に、厨房から皿を持ったチャコさんが飛び出してきた。

 持っていた黒パン入りのパン籠を近くのテーブルに置き慌ただしく僕に駆け寄ると―――


バッ。


「わぷっ」


 上着を脱がされた。


バサッ。


「ふぶっ」


 ドレスシャツを捲り上げられた。


パシッ。


「いでっ」


 二の腕を握られた。

 何だってんだもう。公衆の面前で上半身裸にひん剥くっていうこの国流の挨拶なの?

 そして捲り上げられたシャツが顔を完全に覆って何も見えてないんだけど、周りから視線が嫌というほど集まっているのはよく分かった。


「大丈夫だったのか!?もう動かせるのか!?」

「チャコさん?」

「クロ!誰にやられた!?イースの姉御に聞いても答えちゃくれなかったんだ!」

「チャコさーん」


 顔のすぐ前でシャツの生地ごしに捲し立てるチャコさんの頭に手を置き、のんびりとした声で名前を呼ぶ。

 チャコさんが静かになった。


「後ほどゆっくり話しますから。―――あの、それより朝食をお願いします。もうお腹がペコペコで」

「あ、すまん……」


 シャツを戻して視界を確保して、なんだか憮然としているチャコさんに苦笑する。

 そしてドレスシャツをまた綺麗に着なおしながら、



「……野郎どもの視線、こわい」



 そう思った。








「――――というわけです」

「……なるほど」


 朝食のパンをスープに浸して食べつつチャコさんに今までの経緯を説明して、何とか事情を理解してもらえたところで一息つく。

 すでにテーブルの上の皿は空になり、ジルに頼まれていたコーヒーも飲まれることの無いまま冷めきってしまっていた。

 周りの席で、たまに僕の方をチラチラ覗いていた軽装の冒険者たちも三々五々去っていき、今では食堂スペースには僕とチャコさんだけになっている。熊……もといチャコさんのお父さんは先ほどチラリと厨房から顔を覗かせ、


『ム!』


 無駄に力のこもったサムズアップを寄越してくれた。何だったんだアレ。


「ともかく腕は治ったみたいだけどさ……治癒魔法じゃ痛みまで抜けないだろ。痛まねえのか?」

「ご心配なく、痛みは無いです。ただちょっと力が入らなかったりはしますが」

「ああ」


 さっき試しに左手でフォークを握ってトマトを食べようとしたけど、手首を捻ったり細かく動かしたりといった動作が出来ずに苦戦してしまったのだった。

 正面の席にに座って朝食をとっているチャコさんは微妙な顔でそれを見ていた。


「そりゃあ昨日に鎮痛剤の……モルヒネ?とか打たれた訳だしな。一日ですぐ良くなるなんて事は」

「あ!」

「は?」


 そうか、道理で体が動かしづらく……ってあれ?でもモルヒネの副作用って……そうだっけ?



「迎えにきたわよチャコー。クロちゃんはどう―――ってクロちゃん何で起きてるの!?」


 そんな意外そうに何でって言われたって、目が覚めたからですけども。

 考え事を中断して振り向いて、僕を指差して唖然としているヒタキさんに会釈する。どうやらヒタキさんにも僕の話は伝わっていたらしく、猛然と駆け寄ってきて左腕をぺたぺたと触られている。……てか、顔が近い。髪が顔を撫でてくすぐったい。


「大丈夫……なのかしら?」

「一応。なんか生えてきたらしいです」

「は、生えっ――!?」


 ギョッとするなり僕の腕をつねったり叩いたり引っ張ったり。ヒタキさんヒタキさん、ちょっと普通に痛いんですが。


「まあヒタキには後でアタシから話しとく。そろそろ学校行かないと」

「本当に大丈夫?軍の人が後から来るらしいけど……」


 軍?軍とな。

 ヒタキさんから聞き捨てならない事を聞いた気がする。もういいじゃん軍。これでまた昨日の戦闘についてあーだこーだ聴取されたりしちゃあ……いや、まあ、必要なのも分かってるし協力するけどさ。ほら……その、実際一日それで潰れて王都観光できてないし。何より、


「疲れるんだよなぁ……」

「本音が出てますよ。マスター」

「ジル!」

「はい、ただ今」


 アテさんとの話を終えて、いつの間にか食堂に入ってきていたらしい。僕の背後から手を伸ばしてコーヒーカップを持ち上げると、一息に飲み干した。


「入れ直してきます。―――ああマスター」

「うん?」


 目の前に見覚えのある書類が数枚置かれる。どうやらさっき部屋でジルが手に取っていたプリントらしい。

 再生紙と思しきガリ盤刷りのチラシが一枚、仰々しい判が押された上質そうな紙が何枚か。判の一つからは思いっきり『レガルド王国教育省』なる印字が見てとれた。


「これとこれに目を通しといて下さい」

「えぇ?また国じゃん………」

「まあそう仰らずに。戻ってくるまでに頼みますよ」


 何だかソワソワしながらコーヒーメーカーに向かうジル。アテさんと何を話したのかは知らないけど………たぶん浮かれてるな、あれは。

 ジルがピックアップした書類――チラシと上質紙の書簡を各一枚ずつ――を手に取る。まずはチラシを読む。



『募る!図書館司書(非常勤)』


 はあ、募ってんですか。


『前任者の退職に伴い、非常勤の学園内図書館司書を募集します。年齢性別問いません。ただし以下の方は除かせていただきます。


・水棲系種族、その他面接官が不適と判断した方

・書物の扱いに不馴れな方

・読み書きが出来ない方

・レガルド国籍を持たない方

・犯罪歴のある方

・重大な疾患のある方



募集枠:1~3人

期間:無期限』



 チラシをテーブルに置く。

 今度は教育省からの書簡。こっちは何だかややこしい上に長いので、関係なさそうな部分をザーッと読み飛ばすと、


『(前略)レガルド王国では優秀な人材育成の為(中略)全国民を対象とした学校を設立しております。(中略)先日王女様より貴方様のお話をお伺いし(中略)是非とも御招待いたしたく(中略)…………』


 ……やはり長いので要約すると、


『我が国自慢の学校を案内するから明日来てネ!byえらいひと』


 以上おわり。

 学校ってあれかな、ヒタキさんとチャコさんが今から行こうとしてるやつかな。あ、国内で唯一とか何とか書いてあるから多分そうだ。


「ただ今。書類読みました?」

「よみました」


 ジルがマグカップにコーヒーを注いで帰ってきた。やはり少しソワソワしているジルを横目に、僕は手元の書類を畳み直す。

 こっちに来てからまだ数日、なのに軍に何やかんやと連れ回され………いやまあイースさんたちは悪い人ではないし、僕も進んで行った所があるんだけど、でも、昨日のなんて僕じゃなかったら多分死んでた。

 だから、



「ねえジル、ぼく今日くらいはゆっくり休m」

「そうですか。ではバスが来るので行きましょう」

「え゛」




 いやおかしいでしょ今の流れ。


 絶対なんかおかしいって。



 文脈とか変じゃん。




 断固拒否!





 スト!!







 あっ…………




















「―――ねえ」


「はい?」


「定期的に確認したくなるんだけど……使い魔ジルさん、貴女の御主人様はどなた?」


「そりゃあ我が敬愛するマスター、クロノミコト様に決まってるじゃないですか」


「つまり僕だね」

「ですね」


「じゃあさ――――」


 ゆらゆら揺れる石造りの街並みから、ジルの澄ました顔へと視線を移す。




「―――なぜ僕があんなに拒否した乗合いバスに今乗っているのでしょう」




 

 しかも手の込んだ『変装』までして。




「マスターはゴネるとうるさいので少し実力行使を」


「ひ、ヒドイ……」


「非道い?別にいつも通りじゃないですか?それはどうでも良いとして今のマスターがとっても可愛いので撫で撫でして差し上げますちなみに拒否権はありません早くほら」


「あーうん。もう好きにして………はぁ………」




 悟りの境地に達した僕は、ジルの膝の上(・・・)に横たわって何もかもを諦めた。今日のジルは僕の話を聞いてくれそうにもない。

 嗚呼、誇りのフランス革命から連綿と受け継がれてきた基本的人権よ……カムバック………。



「お腹モフらせてください」


「………はい」














 ぼく神様。



 生まれて今年でウン億年。














 ――― 現在、黒猫(・・)の姿で使い魔にモフモフされております。



 だれかたすけて。







「ちょっとモフりにくいですマスター」


「あっスミマセン」












 …………だれかたすけて。 












ジル「あくしろよ、ヨツンヴァインになるんだよ」

クロ「もうなってる」


末尾にこんな一文を入れようかと思いましたがやめました。やったー自制心の勝利だやったー。


そんなことはどうでもいいとして、もう何だか月イチのペースで投稿するのがやっとの状態になっておりますUNKNOWNです。ご無沙汰してしまいまして申し訳ございません。

ここ1ヶ月、列車の中でガラケーをポチポチやってなんとか書き上げましたが、やはり遅々としたペースになってしまいました。具体的には一日かけて『図書館司書の募集要項』の部分だけを書き上げるくらい。タブレットが使用不可能である今自宅のPCとガラケーしかなく、もうこれが不便で不便で……。


とまあ、そんな現状ですが、なんとか執筆ペースを上げつつがんばります。

ほんとガラケー用の外部キーボードってありませんかね(切実)

(後書きを書きながらリサーチしたところ、どうも使える機種はあるみたいです。……が、自分のガラケーで使えるかどうか……)


というわけで以降もがんばります。なんたって新章突入ですからね。

え、教会のやつらはどうするのかって?大丈夫です。近くにきちんと回収しますからご安心ください。仕様です(キッパリ)



仕様です!!!(カッ)


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