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クロの下界冒険記~神→冒険者?~  作者: UNKNOWN
4章 塀の国と、陰謀?
34/41

9話 路地裏の刺客、抜刀と混濁

今話、グロ成分がだいぶん入っています。苦手な方はご注意ください。

来週の更新分でなんぼか内容はカバーする予定ですのでご安心を。



※100お気に入り、感想ありがとうございます!むせび泣きながら頑張りますので、これからもよろしくお願いします!!

食堂を出てから一時間ほどして。



夕方になり、もうずいぶんと空も赤く染まってきたので、どうせなら宿屋まで送っていくというミーシャさんと僕は一緒に街道を歩いていた。


定食屋を出てからというもの、何か吹っ切れた様子のミーシャさんがあれもこれもとずいぶん色々なお菓子を買ってくれた。チョコレート、アイスクリーム(2個め)、カップケーキ、チュロスとかいう、揚げた棒状のお菓子などなど。


ミーシャさんはかなりの甘党らしく、街道沿いにたくさんあるお菓子屋さん全てに訪れてメニューを制覇しているらしい。でも体形はすごくスリム。謎だ。


僕はさっき買ってもらったシュークリームを少しずつかじりながら、なんとなく辺りを見回してみる。


もうすぐ夕ご飯の時間だからか、買い出しに訪れる人もけっこう増えてきた。人とはいっても、それはただの人間・・・このセカイでは『ヒューマン』と分類されるらしい種族ではない、いろんな人たちも大勢見える。



「どうしました、クロ様?」


「あ、いえ。やっぱりたくさんの種族の方がいらっしゃるんだなー、って」



頭の上に猫とか犬みたいな耳があったり尻尾があったり、それぐらいだったらまだいい。中には背中から翼が生えてたり、下半身が人間のそれではなく8本足の蜘蛛のものだったりと、もう人間じゃないレベルで見た目が違う人もたくさんいる。共通しているのは皆そこそこ良い身なりをしている事と、このセカイ全体の共通語を話していることぐらいか。


シャープフレームのメガネと先のとがった長い耳が目を引くミーシャさんも、ヒューマンとは違う種族、エルフだ。ちなみに街道をぶらぶら歩いている最中、一度もミーシャさんと同じエルフの人は見ていない。なんでもほとんどのエルフは森の集落にこもりっきりで出てこないらしく、ミーシャさんのように街に出てすんでいるほうが少数派なんだとか。



「この国は比較的、亜人種にも寛容ですからね。こうして様々な場所から様々な種族が集まってくるんです」


「へぇ・・・あ、あの方はどういった種族ですか?」


「あの方ですか?たぶんウィッチの方かと。ヒューマンに比較的近く、エルフには及びませんが高い魔力適性をもつ種族の方です」



体中に刺青(いれずみ)のように曲がりくねった模様がある女の人を見て、ミーシャさんが答える。


よれよれの白衣を着て、手に持つ買い物かごの中には怪しげな食材がいっぱい・・・・ということはなく、普通に淡い色のカーディガンにねずみ色のロングスカートを着て、普通の食材を買っていた。


先のほうで束ねた青いロングヘアーをふりふり、小さく鼻歌を歌いながら歩いている。



「ほえー・・・よくご存知ですね」



さっきから何度聞いても詰まることなく全部の種族を答えてくれるミーシャさん。『たぶん』とか『だと思います』なんて言ってるけど、その言葉に反して間違っているかもという疑問を感じさせないほどに自信たっぷりに答えてくれるのだ。



「ありがとうございます。エルフは長命ですので、こういった情報だとか知識の類は嫌でも記憶するものなんですよ」


「なるほど」



長命だから覚えている、と。僕も生きてる長さなら誰にも負けてないから知識も・・・知識も・・・・知識・・・・・あれ?


兵器の知識はたんまりと出てくるのにその他の知識がほとんど出てこないぞ?むむぅ。



「・・・僕、知識に関してはミーシャさんに任せようかと思います」


「? はぁ。よくわかりませんが、お任せください」



とりあえずこのセカイの知識とかは早く覚えといた方がいいのかな。アテナちゃんがこのセカイを管理する担当だということが分かって、実質『役立たず』の神様である僕はこのセカイが終わるまでそこらで観光をしてないといけないのだ。


初めての下界だし、ちょっとワクワクしているのも否定しないけど、いささかこのバカンスは長すぎるような気がしないでもない。まぁ、言っても仕方がないことなんだけど。


とりあえず最低限の常識だとか知識ぐらいは教えてもらって覚えたほうがいいかもれない。こんどヒタキさんあたりに聞いとこう。



・・・ところで、さっきから気になっていたことがひとつ。



「ミーシャさん、『熊の隠れ家』亭ってこっちでよかったですっけ?」


「・・・・・」


「ミーシャさん?」



さっきから表通りから裏通り、さらにそのなかの微妙な裏通りへ入って別の通りへと、ちょっと怪しげな方へと向かっている僕たち。


ミーシャさんが自身たっぷりに先導して進んでいるので、とりあえず間違いないかと思ってついてきたんだけど・・・そろそろマズそうだなって。


最後のひとかけらのシュークリームを口に放り込んでから、かなり長身のミーシャさんの顔を見上げる。


・・・・・おう、真っ青な顔で、ガタガタと震えていらっしゃった。



「ミーシャさん、その、もしかして」


「・・・・・」


「えっと」


「・・・・・」



だんだんと泣きそうな顔になってきたミーシャさんを見上げながら、さっきから思っていたことを告げる。




「道に、迷いました?」



「・・・・・!!」




涙腺決壊。


だばー、と滝のように涙を流し始めたミーシャさん。はいわかりました、迷ったんですね。


どうやら長年たくわえられてきたエルフの知識とやらの中には、この国の街道の道順だとか建物の場所は入っていなかったみたいだ。


しかしどうしようか。なんだかかなり表通りから離れた場所まで来てしまっているみたいだし、また表通りまで戻るのにはかなり骨が折れそうな気がする。


戻るにしてもかなり複雑な道だったからあまり覚えていないし、何より方向オンチ疑惑のミーシャさんと行くとなるとさらに怪しい。



「・・・今日はけっこう魔力使ったんで本当は控えたいところなんですけど、仕方ないです」


「グスッ、すみません・・・何でもしますので本当に」



何でもしますと言われども。・・・あ、



「シュークリーム、おいしかったなぁ」


「わかりました買わせていただきます!」


「ありがとうございます!」



裏路地で全力で頭を下げあう長身エルフとミニマム最高位神の図。なんじゃこれ。


とりあえず頭を上げて、豚さんとの戦闘からあんまり回復していないように感じる魔力を切り出して、魔法を詠唱する。



「『魔力走査』!」



魔力が僕を起点として360度のあらゆる方向に飛び出して、飛んでいった先にある情報を伝えてくる。かなり詳細な地図が頭の中に構成されていき、そこにリアルタイムで人の位置が光点としてポイントされていく。


たくさんある通りや路地のなかでも、ひときわたくさんの人が集まっているのが表通りの街道だろう。そこに向かって歩けば・・・・・ん?


誰もいないと思っていた僕らの周りの路地のあたりに、小さな光点がひとつ。これは僕らより高い位置・・・この建物の上?


何の気なしに、3階建てほどの高い建物が路地を挟むように建っている、そのひとつの屋上を見上げた。



そこにいた人と目が合う。



|スコープ越しの(・・・・・・・)冷酷な目と。




「おわぁっ!?ミーシャさん、しゃがんで!!」


「へっ?」


「『シールド』!!」



最も短い詠唱ですむ防御魔法を唱え、しゃがんだミーシャさんを背後に守る。ほぼ同時に放たれたライフル弾が展開されたシールドにぶち当たり、火花のように魔力の結晶を散らした。


ギリギリのところで防御できた。けど、正直、この簡易的なシールドでは大口径のライフル弾を防ぐのはあまりしたくない。詠唱が短い反面、強度はお察しだ。


だいぶん削られたシールドを見て、すかさず屋上の狙撃手が次弾を発射する。


とにかく詠唱が短く魔力消費量も少ない反面、つぎ込む魔力量を変化させても強度に耐久共に変化なしという瞬発力重視の『シールド』には、後から魔力を追加でつぎ込んで修復するという機能などついていない。


結果、2発目のライフル弾を受け止めて威力を相殺したシールドが、完全に魔力の結晶のかけらとなって崩壊した。



(まずい・・・)



さらにこの『シールド』、瞬発力に優れるかわりに乱発することも出来ない(ゲーム好きのメグル姉はクールタイムがどうとか言っていた)。便利なようでいて、なかなか極悪な魔法なのだ。


どうする、僕。


まずはとりあえず、ミーシャさんを守らないと。



「ミーシャさん、防御魔法って使えます!?」


「い、一応!」


「じゃぁ自分に張っといてください!僕はあいつを倒してきますんで!」


「え!?」



だってそうするしかないし。ついでに言うと、アテ姉さんの復活がどうのこうのでもう魔力が心もとない・・・・あ、そういえば!


腰に手をやって、ようやく思い出す。そういえばアテ姉さんは完全な復活には失敗したものの、刀の中に意識だけを顕現(けんげん)させられるようになったはずだ。


試しに、いつも使うマチェットではなく、もう一本の日本刀に手を掛け―――



――――抜ける。



柄をしっかりと握り、漆黒の鞘から白銀に光る刀身を引き抜くと同時・・・・ぞわり、と肌を粟立たせる妙な魔力が漏れ出して、僕の周りを流れる時間が変わった。


ゆっくりと、スローモーションのようにミーシャさんの表情が変わっていくのが見えた。


振り返れば、屋上の狙撃手がライフルのボルトハンドルを引いて、次弾を装填しようとするのが見えた。



・・・・何だぁ、これ・・・?




『クロ様、クロ様クロ様ーっ!!』


(うおっ!?)



突如として、頭の中に直接ひびくアテ姉さんの声。ハートマークが多分に散ってそうな大音量の声がガンガンと響いて、なんだかものすごく変な気分になる。悪い意味で。



『その、アテ姉さん。もうちょっと声を抑えて・・・・』


『あらやだ。ごめんなさいね?』



あんまり反省していないような気がするんですけど・・・って、今はそんなことはどうでもいい。スローモーションの狙撃手が、もう弾薬を装填してしまった。その照準は僕の脳天にぴったりと合わさって、ブレずに狙い続けている。


とりあえず避けるか、この刀で弾くか。


・・・え、弾く?



そのとき頭上から、タァ――・・・・・ンッ・・・とスローに間延びした銃声が聞こえた。


見上げると、これまたスローで銃口から噴き出す発射炎と小さな銃弾が見える。銃弾の速度はゆっくり歩くのと同じぐらいの速さ。避けられない気がしない。


・・・・いける。弾いてみるか。



小さく息を吸い込み、刀を構え、銃弾を待ち構える。あと2メートル。


頭上では、狙撃手がライフルを発砲した反動で少しだけのけぞっている最中なのが見えた。



あと1メートル。


最適距離(スタンドオフ)。ほんのすこし角度を持たせた妖しく光る刀身を、それなりの力を込めて振り抜く。


小気味よい音と共に切っ先が鉛の弾芯を包む硬い銅製のメタルジャケットを易々と切り裂いて、あらぬ方向に弾き飛ばした。



『ふふん、愛さえあればっ!.30-06弾なんて楽勝です。・・・・あら、クロ様?』



呆然としていた。


なんでほとんど専門外のはずの武器の知識をアテさんが知ってるのかとか、弾丸を弾き飛ばしたというより斬り飛ばした僕に驚いているミーシャさんなんて(・・・)どうでもよくなって、とにかく僕の体を満たすこの全能感にぼうっとしていた。



『あっ、これ不味いかも・・・クロ様、クロ様!』



不自然なまでに、まったく何も聞こえない。


視線はふたたび、頭上の狙撃手へと。


案の定、戸惑いながらも立派に次弾を装填しようとしているのが見える。・・・ああ、なんてノロマ。



「・・・・・ははは、ウスノロが」


『へ?クロ様?』



しっかりと握り直した刀を下段に構え、口元が歪むのを感じながら目で狙撃手を捉える。高さとしては15メートル弱。ずいぶん低い(・・)じゃないか。



「見とけ三下。格の違いを見せてやるよ」



脚に大量の魔力をつぎ込んで、筋力を強化する。


少しだけ溜めて跳びあがった瞬間、至近距離に狙撃手のヒゲ面が目の前に現れた。すれ違いざまに、細長いボルトアクションライフルの銃身を半分に切ってやる。スローモーションはいつの間にか終わっていて、銃身を斬られた瞬間の狙撃手の間抜け面をいい感じに眺める事ができた。


・・・・ああ、何だ。何に驚いているのかと思えば、銃身と一緒に左腕も斬り飛ばされていたのか。はは、無様だなぁ。



「ひっ・・・うわぁっ・・・・!!」



いきなり僕が目の前に躍り出てきた事と、自身の左腕が目の前に落ちているということにパニックを起こした狙撃手が、僕から離れようとして後ずさる。はは、これは面白い。血が滴る刀を構えて、ゆっくりゆっくりと距離を詰めてやる。


案の定、さらに表情を凍りつかせて必死に後ずさる狙撃手。左腕が使えずに、たまに不意によろめく様子が僕の笑いを誘う。



そのままずるずると後ずさっていき、ついには建物の縁まで辿り着いた。今まで通ってきたあとをたどれば、左腕から噴き出した鮮血が波打った直線となり、それを踏みつけた僕のコンバットブーツの靴底のパターンがハンコのように残っていた。


膝ほどの高さがある転落防止用の壁に背中をぶつけるや否や、右手を使って壁を乗り越えようとする狙撃手。言うまでもなくその先は落差15メートルの自殺コースだけど・・・そうはさせない。させるわけがない。



「どこ行こうってんだよ」


「ぐぁッ!!」



刀の峰で肩を打ち据え、石造りの屋上へと叩きつける。・・・ん?



「ヒー・・・ル・・・・ヒ・・・ぃ・・・・ル・・・」



狙撃手の口からわずかに漏れ出ている詠唱・・・『ヒール』?初級の回復魔法か。血止めとして使っているのかもしれない。意識がほとんどないようだが、それでも条件反射で唱えているのか。


面白いな。もう少しだけ付き合ってやるとしよう。



3分ほどでだんだんと流れる血の量が減っていき、ついには止まる。やがて意識もはっきりとしてきたのか、僕を見て(おのの)いたような表情を見せた。



「あはははは、いい表情だ」


「やめろ・・・・やめてくれ・・・・・神よ、慈悲をお与え下さい・・・!!」


「あっはははははは!!」



何の神に祈りを捧げているのやら。


もしそれが僕だとしたら面白いな!慈悲を与えるどころか、こうやって信徒を殺そうとしているのだから!!



「ははは、あは、あははははは!!君ってホントに面白い!!目の前にいるじゃない!ほら、神が!!古の最高位神、武神クロノミコト様がさぁ!!!」



愉快で愉快で仕方ない。


・・・・だけど、その愉悦は狙撃手の次の一言で消え去ってしまう。



「ほざくな、何が最高位神だ・・・・・この邪神(・・)めが!!」


「・・・・何だと?」




僕の心が、一気に冷めた。



誰が『邪神』だと?



ちっぽけな人間ごときが、我々の超劣化版である人間が僕を・・・いや我を、愚弄したな?



・・・・聞き返すまでもないな。もうこいつへの興味は微塵も残っていない。





「もういい、飽きた。我を愚弄した罪深さ、とくと思い知れ」




ざくり。











・・・・・・・・・


・・・・・・









それからは、殺戮ではなかった。処刑でもない。



それはただ一方的な、『解体』とでも呼ぶべき作業だった。



いま僕の目の前にあるのは、臓物から骨格の一部にいたるまで、バラバラに分けられた標本のような死骸があるのみ。傍らに放り投げられた半分の長さの狙撃銃とボロボロになった衣類のみが、生前の彼を物語る。



作業を終えた僕は、えもいわれぬ感覚に浸ったまま、刀の血を振り払う。


刀身は狙撃銃やら人やらを斬ったものの刃こぼれひとつなく、もとの白銀の輝きを保ったままだった。マチェットと同じく、これにも不壊属性が付与されているのだろう。



自身の着るコートに返り血が付いていないことを確認して満足した気分になった僕は、そのまま刀を腰の鞘に収めた。



と、その瞬間。



「・・・・っ!?」



急激に僕を襲う激しい違和感、そして虚脱感。


何かが僕の中から消えたような、もしかすると何かが封じ込められたような、さっきまでいた『何か』が急にどこかへ行ってしまって、頭や体がそれに着いてこれていない。


耐えられず、前につんのめる。



「わ、・・・あがっ、ぐ・・・」



つんのめって、よろけた拍子に目の前に並べられた標本死体を踏み荒らす。グジャリと湿ったた感触が靴底から伝わり、僕は怖気を覚えた。――――さっきまで、嬉々として生きた人間をそのまま解体していたのに。でも誰が?・・・僕?あれ、僕はいま、何をしていたんだっけ・・・?



「クロ様!!大丈夫ですか!?」



階下からミーシャさんの声が聞こえて我に返る。・・・そうだ、ミーシャさんに助けを呼べば、何とかなるかもしれない!


必死に見知らぬ(・・・・)グロテスクな内臓標本を踏まないように避けながら、できるだけ屋上の縁へ近づこうとした。



だけど、こんな時に限って僕はとことんツイてないらしい。


ちょうど体の配置に沿って並べられた標本のような死体の、ちょうど頭のてっぺん辺り―――何を踏んでしまったのかは、意図して思い出さないようにした。


それを踏みつけてしまい、足がズルリと滑って・・・




「あっ」


「えっ、ちょっ、クロ様ぁっ!?」


「うわあああぁぁぁぁぁっ!!?」



思い切り落下。


内臓が重力に逆らってヒュンってなるあの感覚がここまで長いのもそうそうないだろう。ものすごく気持ち悪い。吐きそう。


落ちながら僕は走馬灯を見ているような気分になって―――いや、今までの人生とか長すぎて何一つ思い浮かばなかったけど―――あぁこれからあの硬そうな石畳にぶつかって脳漿ズブシャーとかやっちゃうのかなぁとか、骨折ってなんか痛そうだなぁとか、そんなことをぼんやりと考えていた。


そういえば走馬灯って、人間が命の危険を感じた時に脳のリミッターが外れることで普段の数倍の処理能力を発揮するから周りの風景がゆっくりと見えて、なおかつ無駄な思考をする余裕もできるんだったっけ・・・ああ、地面が近くなってきたー。


僕ら最高位神は死なない体を持っているから、死ぬような大怪我したらきっとずっと痛いんだろうなぁ・・・ああ無念。ぎゅっと目をつむる。



「ふぅー・・・お怪我は、クロ様?」


「南無・・・あー、せめてあんまり痛くないといいなぁ」


「・・・・・クロ様?」



3階から真っ逆さまに落ちたら、さぞやメチャクチャな傷になるんだろうなー。交通事故とどっちがひどくなるかな。交通事故って言っても、相手は自動車じゃなくて重戦車だけど。


ヒト対重戦車・・・なんて無理そうな対戦カードなんだ。ヒト、かわいそうに。


それはそうと地面が遠いなぁ・・・・



「せめて、やるんなら一思いに・・・・」


「クロ様?もしもし、クロ様?」



ああ、走馬灯ってこんなに長いもんなのかな・・・そういえば、だいぶん続いていたあの落下感がない。それにミーシャさんの声が間近に聞こえる。


うっすら目を開けて、目に飛び込んできたのは――――



「あらら、なんて薄いおっ○い」


「・・・・・・・」



言った瞬間に、目にも止まらぬスピードで地面に叩きつけられた。ぐぅおぉぉ、痛い痛い痛い。腰と背中が猛烈に痛い。



「あらクロ様、大丈夫ですか?」


「ぐぐぐ、何事もなかったかのようなその笑顔・・・やっぱりお○ぱいが小s、いえなんでもないですからストンピングはやめてわぁ痛い痛い!!」



笑顔のままのミーシャさんに、軍用の硬い硬いブーツの靴底でガシガシと踏みつけられる僕。


これでも一応最高位神なんですが、僕。






その後、『いま道順を思い出したんです』とかすごく良い笑顔(しかし迫力満点)で言うミーシャさんにコートのフードの部分を掴まれて、延々と石畳のうえを引きずり回されるプチ市中引き回しの刑を執行されることになる僕だった。








・・・・ちなみにその時にも豪快に道に迷って、引き回される距離が何倍にもなってしまったのはここだけの話。


結局、僕の『魔力走査』はムダになったのだった。




う゛ぅ、お尻が痛い・・・・ぐすん。






ギャグっぽいパートとグロテスクなパートを急に転換させてみたっていうかなんていうか。とにかく日常からの落差を感じていただければと(´・ω・)


ちなみに最後辺りであんなにミーシャさんが呑気にしてるのは単に屋上が見えなかったから。意外に鈍感ですね(棒



今回登場した兵器は、


・スプリングフィールドM1903A4(ボルトアクション狙撃銃)



・・・だけですね。



.30-06弾薬(M1ガランドと共通)を使う狙撃銃ってことで、比較的適当に選びました。

そんなに活躍しないしいいよね。うん、いいよね。


とりあえず今週から通常更新は行けそうです。

がんばります。

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