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クロの下界冒険記~神→冒険者?~  作者: UNKNOWN
3章 行き当たり、王国?
18/41

7話 リンドウ先生、質問です (後)

何度も遅れてしまい、申し訳ありません。

週末にもまた投稿する予定です。

「じゃあ、まずはこの世界のことについて詳しく教えてくれますか?」


「ふむ、世界、と言いますと・・・具体的にはどのような事になりますかな?」



具体的にかぁ。


それなら、ここに来るまでで気になったことを聞いてみようかな。



「ここに来る途中に、戦車を見たんです」


「ほう」


「あのような兵器はこの世界では一般的なんですか?」



するとリンドウさんは少し考え込んで、



「そうですな・・・私自身が見た訳ではないのですが、戦車や近代的な火器というのはどこの国でも開発されていると言うわけではありませぬ」


「ふんふん」


「つまり、この国で使用されている兵器や機械が他の国で使用されている確証は無い、ということになりますな」


「なるほど」


「そしてこのレガルド王国は技術的な面では他国と同水準、つまりはごくごく平均的でありますゆえ、他国には負けずとも劣らず、といった立ち居地になっておりますな」



つまり、警備兵さんたちが装備しているセミオートライフルやら戦車やらはあくまでもこの世界の中では平均的な技術水準で生産された物で、まだまだ他国に行けばもっと旧型の兵器もしくは、もっと先進的な兵器が使用されている可能性がある、ってことか。



でも、それでも解せないのが『なぜ遠い過去に開発された兵器がそのままこの世界で使用されているのか』ということ。


その事をリンドウさんに聞いてみたら、「わからない」とのことだった。


もしかしたら、メグル姉が元の世界から分岐させてこの世界を創造したときに若干、『何でもあり』な世界にしてしまったのかもしれない。


メグル姉ってけっこういい加減なとこあるし。


まぁ、考えても仕方ない事だからまたあとで考えよう。



えっと、あとは・・・・



「ここに来るときと言えば、クロ殿。南門に辿り着くまでに『魔物』に遭遇しませんでしたかな?」



ああ、豚さん(仮)と人型で緑色なちっちゃいヤツのことか。


あともう1種類遭遇したような。たしか・・・毛むs・・よし、思い出すのはやめよう。



「たくさん襲ってきたので、ぜんぶ狩りましたけど」


「全部・・・・さすがは武神、しかも最高位神でいらっしゃいますなぁ・・・」



ほめられてる・・・いや、呆れられているのかな?


でも、あれってそんなに強かったっけか?



「おそらくクロノミコト様とジル様が転送されたのは『神罰の迷宮』でしょう。あの迷宮の中には非常に濃い魔力が流れておりますゆえ、たとえ雑魚と言われるような弱い魔物でも一段上どころか上位種の竜すらひるませるほどの力を持つのです」



竜・・・ドラゴンかぁ。強いのかな。多分強いんだろうな。



「たかが低級の魔物、と油断してかかっていけば間違いなく殺されるでしょうな。今まで神社や神殿の重要区画に侵入した輩はすべてその迷宮に転送され、もちろん生きて帰ったものなど一人もおりませぬ」


「1人も?」


「ええ。もちろんクロノミコト殿とジル殿を除いて、ですがな」



ほえー。なんかすごい話。


僕ら以外に脱出した人なんていないんですと。



「それにしてはあの迷宮の魔物は弱すぎたような気がしますがねぇ・・・」



すました顔で自分のお茶をすすりながら、僕のお茶菓子まで全部食べつくしたジルが言う。


・・・・っておい。本当にぜんぶ食べられたよ。羊羹っぽいやつとか大福みたいなのもあったのに。



「・・・・クロ、」


「いりません」



僕を気遣ってか、アリスさんが食べ物を渡してくれる。・・・・あの真っ赤なレーションを。


ごめんなさいアリスさん、ぶっちゃけそれは兵器です。


丁重にお断りする。



その間に、いつの間にか追加のお菓子を持ってきてくれていたらしいヒタキさんが僕に大福と焼き菓子を1つずつくれた。


お礼を言って、今度はジルに取られないようにちょっと急ぎ目に食べる。



「あ、それと、大事な事なんですが」


「何でしょう」


「この世界の名前って、なんて言うんですか?」



むかしだったら『地球』だったり『アース』だったり呼ばれてたけど、今はどうなんだろう。



「一般的には『ラテリア』と呼ばれておりますな」


「ラテリア?」



何語だろう。



「陸地を大洋が隔てて3つの大陸に分かれており、その大陸の中にここレガルドのような国がいくつも存在しているようですな」


「大陸が、3つ?」


「はい。はるか昔に地殻変動があり今のような大陸になったと伝えられております」


「ちなみに、それぞれの大陸の名前とかはわかりますか?」


「そうですな・・・このレガルド王国があるのが『キルムス大陸』、その西にあるのが『サバリア大陸』、さらにその西にあるのが『デルジア大陸』。そう呼ばれております」



それなら、ユーラシア大陸やらオーストラリア大陸などなど、すべての大陸の面影はもうなさそうだ。



「ちなみに、別の大陸に渡る方法とかありますか?」


「もちろん。渡航する手段としては主に舟が使われますな。他には飛竜に乗るなどの方法もありますが」


「飛竜ですか」


「はい。もっとも海を渡るとなると飼いならされた飛竜を購入するほか無いために莫大な金がかかり、利用するものはほとんどいませんがな」


「へぇ・・・」



さっき『竜は強い』みたいな話を聞いたけど、飼いならす事だってできるのか。すげー。人間の可能性を感じるね。



「渡航する者も、多くは大陸同士で交易をする事が目的の商人がほとんどです。まぁ、たまには奇特な冒険者が未だ見ぬ魔物や装備を求めて渡航していきますが」


「ほー、冒険者」



冒険者っていうとあれか、メグル姉がハマってた『あーるぴーじー』に出てくる職業か。


忘れかけてたけど、そういえばこの世界ってメグル姉が趣味全開で創造した世界なんだった。そんな職業が存在していてもおかしくはない。



「冒険者とは主に魔物が住まう荒野や樹海、そのほかまだ人間が踏み込んでいない未開の土地などを冒険し、魔物を狩る事で生計を立てる者達の総称ですな」


「なるほど」


「冒険者は、先ほどクロ殿とジル殿が行かれたギルドで斡旋(あっせん)されるクエストと呼ばれる依頼をうけ、その依頼ごとの目標を達成して帰還することで報酬を得るそうです」


「ふむふむ」



やっぱり『あーるぴーじー』とそんなに違いはないらしい。


僕が一人納得していると、リンドウさんが「他に質問はないですかな?」と聞いてきた。


もう大体ききたいことは聞いたかな・・・・っと、そうだ。



「そういえば、この国の地理ってどうなっているんですか?」


「それならば、私の説明を聞くよりも地図を見ていただいたほうが早いでしょう。あとで手配させます」



地図があったのか。そりゃ助かった。



「助かります」


「いえいえ、礼には及びませぬよ」



おー、かっこいい。女の人だけどかっこいい。ジルもちょっと見習ってくれないかなぁ・・・。


横目でチラリとジルを見てみたら、話なんて何も聞いてないような態度でお茶をすすっていた。


ああ、ムリかなぁ・・・ムリか・・・・。あきらめも大事だね・・・・。



でもまぁ、これでわからなかった事は大体わかったかな。




と、その時ジルが、



「ではマスターから質問が出尽くしたっぽいので、私からも質問を少々」



それなら僕はその間にお茶でも飲んでよう。


そう思って焼き菓子を置いていたお皿を見てみると・・・・あれ、無いぞ?



「何ですかな?ジル殿」


「これはとても重要な事なんですが、我々は今後どのように扱われるのですか?」



そういえばそういうことも大事だった。


っていうか一番大事だった。


ところでお茶菓子はどこへいったかな。



「どのように、とは?」


「最高位神であるマスターとその使い魔である私が降りてきたわけですから、そこらの下級神のごとく神殿なり神社なりにこもって祭り上げられにゃならんのかな、と」


「えぇー」


「ん?マスターどうしました?自分からこもるよりも監禁された方がいいと?」


「どうしてそうなるの!?・・・そうじゃなくて、個人的に祭り上げられるのはどうも嫌だなぁって」



そういったら、リンドウさんに不思議そうな顔をされた。



「どしたんですか?」


「ああ、いや失敬。神であらせられるのに祭り上げられるのが嫌い、と。それは(まこと)ですかな?」


「だって、この世界の管理もしなくちゃいけないのに祭り上げられたらもうストレスがマッハでデッドエンドですよ」



そういったら、リンドウさんにもっと不思議そうな顔をされた。



「クロ殿がこの世界の管理、ですと?」


「え?知らないんですか?」


「いや、そういうことではなく」



どうも歯切れが悪い。



「まことに失礼ながらクロ殿・・・存じ上げておりませぬかな?」


「何をですか?」


「この世界を管理する神は、・・・・もう召喚されておりますが」



・・・・



・・・・・・・・・




は?


いま何と?



「すみませんリンドウさん、もう一度お願いします」


「その、この世界『ラテリア』を管理する神はすでに召喚されておりますゆえ、クロ殿がこの世界を管理する必要はないかと」


「・・・・・・」



隣のジルを見てみたら、さっきの間に僕から奪った焼き菓子をかじった姿勢のままで硬直していた。



「・・・・ジル、姉さんたちからそういう類の事は聞いてた?」


「・・・・全く」



なんてこったい。


それが本当なら、こっちに降りてきて早々実は用無しだったことが判明したぞ。



「えっと・・・どうすればいいんだろう」


「さぁ?」



うわぁ、うちの使い魔はほんと無責任だなぁ。もういっそすがすがしいや。



「はぁ・・・じゃあ、直接会って確かめてみるしかないんだろうね」


「ほう、クロ殿はお会いになられますかな?」


「まあ、そうするほかに仕方が無いので」



そういうと、リンドウさんはしばらく考え込んだ。


あれ、即決でオッケーが出るかと思ったんだけど。どうしたんだろう?



「・・・なにしろ、あの方を今現在擁しているのが『神殿』側ですからな。こちらとしては慎重にならざるをえないのですよ」



なるほど。


つまり、召喚された神を保護しているのがあのブルファット司祭が束ねる『神殿』だから、仲の悪い『神社』としては手出しがしにくい、と。


・・・ん?「召喚」?



「リンドウさん」


「はい?」


「さっき、僕じゃない神は『召喚』されたって言ってましたけど、本当ですか?」



僕がこの世界に下りてきたのは、いわゆる「降臨」。


僕ら神が自発的に下界に降りてきた場合はそうなる。



それに対して、下界にいる何らかの存在が召喚魔法と呼ばれる魔法を行使して神を呼び出す方法がある。


その場合、その神は魔法によって「召喚」されたということになる。



そしてリンドウさんは、世界を管理するために降りてきた僕らよりも先に来た神は「召喚」されたと言っていた。


つまりはこの世界の誰かが僕らが来るのを見越して何らかの神を召喚したという事で。



「はい。身内からの反対を押し切ったブルファット司祭の独断で『神殿』側の魔術師たちが極秘裏にに召喚魔法を行使、そして成功したのですよ。数週間前のことです」


「うわぁ・・・それはまた」


「かなり大規模な魔法を行使するがゆえに手間もコストも莫大なものになりましたが、それでも神を召喚し、保護する事によって国の実権でも掌握したいのでしょうな」


「・・・黒いですね」


「無論、神殿の関係者もブルファットのように腐りきった者だけではないのですが。無駄に強いブルファットの発言力と権力に(かな)う者はいないものですからな」



なるほど。


つまり、この世界を管理している神が不在だという事を何らかの手段で関知したブルファット司祭さんが持ち前の権力と財力、あと神殿内での発言力を利用し国の実権を握ることを目的として独断で召喚魔術を行使。


無事に神の召喚は成功し、現在はブルファット司祭の所属する『神殿』サイドで擁している、と。



ちなみに、もうすでに『神殿』が神を召喚して保護?している事は民衆などに広く公表されているとのこと。


手回しの早いことで・・・。



「どうされますか?多少無理をすればお会いする事も可能だと思いますが」



そうは言っても、こうしていろいろ教えてくれたリンドウさんたちに無理をさせてしまうのは気が引けるな。


よし、ここは。



「いえ、大丈夫です。僕とジルで正面から会いに行きますので」



場所さえ教えてもらえれば何とかなるから。


そう言ったら、



「あ、すいませんマスター。私ムリです」


「ほぁ!?」


「ボケた老人みたいな声を出さないでくださいマスター。ぶっちゃけキモいです」



え、キモいって・・・。えぇ・・・?


おっといかんいかん。そういうことじゃなくて。



「何で来れないのさ?」


「そりゃぁめんどくさ・・・ゲフンゲフン、所用があるからに決まってるじゃないですか」


「いま本音が漏れたよね!?」


「何の事です?」



とぼけたように明後日の方向を向いてごまかそうとするうちの使い魔。忠誠心ってなんだっけ本当。



「まぁそれは冗談だとして」


「どこが!?どこから!!?」


「少し黙りやがってくださいマスター。うっさいです」



もはや敬語ですらねぇ!?


いや、普段の敬語もなかなか微妙だけども!!



「所用ってのはあります。とりあえずさっき発覚したことが事実かどうか確認するために神界と連絡を取りますので」


「・・・・・」


「こっちに召喚されたとかいう神に直接会っていろいろと確認するのはマスターがお願いします。そのほうが何かと都合がいいかと」


「・・・なるほど」



なんかすごく久しぶりにまともな事を言われたんですが。


こういうときだけは完璧な処理能力を見せるんだよなぁ・・・タチがわるーい。



「急に黙り込んで、どうかしましたかマスター。壊れました?」


「誰が壊れるんだ誰が。・・・わかったよ。それでいこうか」


「わかりました。では、そういうことなので」



そしてジルはリンドウさんに目配せすると、



「これから少しの間神界に意識を接続しますので、どこか無人の部屋を貸してもらえませんかね?」


「ふむ・・・それなら、ここの隣にある私の私室にお越しくださればよろしいかと」


「じゃぁそこちょっと借ります」



もうすごい図々しさで準備を済ませてしまった。


もう気にしたら負けかな。うん。



「じゃぁ僕も行ってきます。この建物の地図とかありませんか?」


「あ、それなら私がついていったほうが早いんじゃないかしら」



さっきまでお茶のおかわりを入れてくれたりしていたヒタキさんがそう提案した。


まさに渡りに船ってやつだねラッキー。



「すみません、じゃぁお願いします」


「ええ、お願いされます」



そう言ってにっこりと笑うヒタキさん。わお、かわえー。



「じゃ、行ってきます。・・・ジル、迷惑かけないようにね?」


「わかってるに決まってますよ。マスターはオカンですか気持ち悪い」



しっしっ、と手を払いながら悪態をつくジル。ちょっとぐらいヒタキさんを見習ってくれないかなぁチクショー・・・。



ヒタキさんが、気を利かせてドアを開けてくれていた。


部屋の外へ出て、もと来た道をまた歩き始める。



あ、そういえば大事な事を聞くのを忘れていた。



「ヒタキさん」


「なに?」


「『神殿』の人たちが召喚した神様の名前って知りませんか?」


「ええ、知ってるわよ?」



誰かな。下位神なら名前をみんな覚えてるから特定できるはず。






「確か、"アテナ"って名前の方だったけど」






「・・・・・え゛」








・・・・なんとまぁ、知り合いでした。











アリス「・・・・?(つんつん)」


イース「・・・・・・」


アリス「・・・・イース?(ゆさゆさ)」


イース「・・・・・・」


へんじがない。ただのしかばねのようだ。


・・・イースさんが首を折ったままで空気と化していた件。



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