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クロの下界冒険記~神→冒険者?~  作者: UNKNOWN
3章 行き当たり、王国?
17/41

6話 リンドウ先生、質問です (前)

ブルファット司祭と別れた後。


僕らは、リンドウさんに案内されながら、総大理石造りの廊下を歩いていた。



「んー・・・んん?」



と、急にイースさんがうなり始めた。



「どうしました?」


「いやね、よく考えたら神殿とはいえどんだけ無駄にカネ使ってんだよって思ってさ?みちょくれよあの壁の絵」



そういいながら、イースさんは壁に掛けられた額入りの大きな絵を指差す。



「何かすごいんですか?」


「いんにゃ、すごいなんてモンじゃないねありゃ。んー・・・、うん。『奇跡の絵筆』サイラスの作と見た!」



ズビシィ!っと指を立てながらドヤ顔で言うイースさん。


いや、まずサイラスって誰よ。



「サイラスは200年以上前に活躍した伝説的な画家よ。卓越した技術から『奇跡の絵筆』なんて呼ばれてるわ」



僕が分からないのを察してくれたのか、ヒタキさんがフォローを入れてくれる。そしてナイスタメ口。



「ちなみに、あれだけの大きさの絵にもなれば・・・そうね、大金貨1000枚、ってところじゃないかしら」



大金貨?お金?価値どのぐらい?



「・・・あ、えっと、大金貨10枚でそこそこ大きな家が建つわ。庭付きの」



んっと、よくわからないけどとりあえずあの絵1つで庭付きのそこそこ大きな家が100軒建つらしい。


なるほど、超ビッグスケール。



「うむうむ。それにアタシの見たところではそんぐらいの価値があるモンはまだそこらへんにゴロゴロ転がってんねぇ」



そうなんだ。確かに、広い廊下の脇には15メートルおきぐらいにそんな美術品が飾られていた。



「フン・・・それらみんな、あのブタ司祭の趣味さ。言っとくが、私はそんなガラクタには一抹の興味もない」



リンドウさんが振り向きざまに、そう吐き捨てた。


・・・・庭付きの家×100軒の美術品をガラクタって。



でも、何だろう。


ブルファット司祭さんに対するヒタキさんの態度といい、司祭さんとリンドウさんの険悪な雰囲気といい。


『神殿』と『神社』は、なんだか非常に仲が悪いらしい。


そういえば、さっき馬車から降りたときもヒタキさんが意味深な事をいってたな。


『5年ぐらい前にいろいろあった』って言ってたから、何か神殿との間にトラブルでもあったのかな。


わからない。



まあ、とりあえず神社関係の人たちは悪い人じゃなさそうだからこっちにいれば安心かな。



「・・・マスター」



僕がうんうん言いながら考え込んでいると、ジルが何やら決意に満ちた表情で切り出してきた。



「どうしたの?」


「大丈夫です。私はマスターの使い魔です。だからもしも我々に危険が迫ってきた場合私は、全力で―――」


「ジ、ジル・・・!」




「マスターの陰に隠れますから!!」


「うぉい!」



感動を返せよぉ!



「大丈夫です!いささかマスターは隠れるには小っさすぎますが、私のフットワークなら何とかなります!!」


「ちっさい言うな!!もう最前線で戦え!!」


「意義あり!労働基準法に違反します!!」


「そんな古い決まりごとを持ってくるな!!それにそんな法律に使い魔に関する記述なんて絶対ないから!!」


「たった今、私の中で満場一致で改正されたんです!!」



そんな独裁政治知らんし!!?



「ちなみに、使い魔に対して不当な労働をさせた場合、雇い主であるマスターは1週間のあいだ私の抱き枕になってもらいます!」


「余計いらんわ!!」



ぎゃーぎゃーぎゃー。



ふと前を見ると、いきなり騒がしくなった僕らを見てリンドウさんが顔をしかめていた。



「げ、すみません。騒がしくしてしまって」


「ん?あ、別に気にしませぬよ。・・・・ただ昨日の酒がまだ残ってるようで」



の、飲んだんですか・・・。



「・・・・いつものこと」



アリスさんが補足してくれた。



「・・・・リンドウ、お酒、やめよ?」


「分かっちゃいるさ。しかしつい、な」



それはなんというか、ダメな人の発言ですね・・・。


イースさんがここぞとばかりにはやし立てる。



「やーい、リンドウおばちゃんダメ人間な50さiぎょぶぅっ!!?」



途中でイースさんが何かを言いかけた瞬間、目にもとまらぬ速度で脇腹にボディブローが突き刺さった。


白目をむいて崩れ落ちるイースさん。南無。


リンドウさんは、そんなイースさんを肩に担いで、澄ました顔で歩みを再開した。


・・・あれは完全に無かった事にするっていうアレだな。年齢の話題、恐るべし。





少し歩いて、リンドウさんが一つの扉の前で立ち止まる。


ちなみに、イースさんはまだ担がれたまま。



「やっと着いた・・・よ、っと」



扉を開くなり、慣れた手つきで肩に担いだイースさんを執務室らしき部屋の中心にある机に向かって投げ飛ばした。


宙を舞い、机の角に額をクリティカルヒットさせてイースさんが落下する。


例によってイースさんの首が変な方向に曲がったままだけどもう気にしない。



「ささ、お客人も座ってくだされよ。いま茶でも入れましょう」


「どうも、すみません」



ソファーに座りながらそう言ったら、なぜか苦笑された。



「ふふ、クロノミコト殿が気にする必要はありませぬよ」


「・・・えー・・・」



そんな事ないと思うんだけどなぁ・・・。


たとえどんな仲でも礼儀は必要だと思うしね。でも、



「マスター、このお菓子おいしいいです」


「うん?そうなんだ、よかったね」


「程よい甘みがたまりません」


「へぇ」



気のせいかな?


ソファーに座るなり置いてあったお菓子を食べているジルの言葉から何か底知れない違和感が。



「というわけでマスターの分もいただきます」


「うぉい!」



ジルが僕の前に出されていたお菓子をひょい、とつまんで自分で食べてしまった。


何たる理不尽。


思わず凹む。ガックシ。



「・・・・・クロ」



「はい?」



「・・・・これ」



そんな僕を見て、護衛らしく僕らの後ろに控えて立っていたアリスさんが頭を抱えているのとは反対側の手で腰についているポーチから何か取り出して渡してくれた。



「これ、くれるんですか?」


「・・・・ん」



アリスさんがくれたのは、真っ赤なビニルパッケージに入った、ちょっと怪しげな何か。


礼を言ってから、受け取ったパッケージに書かれた商品名を読んでみた。



「『アリス印・特製激辛レーション』?」


「・・・・からいの、すき」



あ、そうなんだ。


ちなみにレーションっていうのは、軍用の保存の利く携帯糧食のこと。


栄養満点で、その代わり味は抜群に・・・不味いらしい。食べた事ないけど。


それも『アリス印』?『激辛』??


まったく中身が予想できない。



「どんなのだろう」



開けてみようとして、ビニール包装に手を掛けた。むむ、ちょっと固いぞ。


力をこめて再度引っ張った。


お、今度は手ごたえあり。


パチッと音を立てて勢い良く包装が開く。


そして、中を覗き込んでみようとして、



「どれどれ、中身はどんな・・・ッ!!?」




目がおかしくなった。




「ぬ、ぬおぉぉぉぉぉ」



たまらずソファーの上でのたうちまわる。なんだこれ!?涙が止まらない!



「マ、マスター?どうしたんですか?もしかして頭イきました?イったんですね?」



ごめんジル、今それどころじゃないんだ。


化学兵器の催涙ガスでも喰らったんではないかというレベルで涙が止まらない。



「ジル、ごめんけど涙が止まらなくて周りが良く見えない」


「はぁ?何言ってるんですかマスター。病院へ逝きます?」



字が違うよチクショー。



「たかがそんなレーションごときで・・・・ああ、なるほど」



あふれる涙でよくわからないけど、どうやらジルが僕の手元のレーションの中身を覗いたら何かがわかったらしい。


・・・・そういう時は教えてくれないかなぁ?僕の使い魔さんよ。



「どうしたの?何か分かった?」


「ええ・・・・」


「催涙弾でも入ってたの?」


「いえ、そんな事はありません。中に入っているのはただのレーションです。・・・・・しかし」



な、なんだよ。




「これでもか、っつうぐらいに真っ赤な事を除いて、ですが」


「唐辛子か!!」



そうか。それで納得した。



レーションに書かれた『アリス印』っていうのはただ単に、「アリスさん以外の人には食べられない」という意味と、「アリスさんの特注品」という意味が二重にかけてあるんだろう。


そしておそらく、包装を勢いよく開けてしまった事で中の唐辛子の粉末やら様々なものが僕の粘膜という粘膜を刺激しまくって催涙効果を発揮してらっしゃるんだと思う。



な、なんちゅうブツであろうか。もはやこれは兵器だ。



ちなみにこの後、もちろん僕が食べる事ができなかったレーションはアリスさんがおいしくいただいた。


おいしく。


左腕に頭を抱えたまま、眠たそうな表情の中に少しだけ幸せそうな表情をのぞかせつつ最後のひとかけらまでおいしそうに食べていた。


恐るべし・・・。



そういえば、イースさんといいレミリアさんといいアリスさんといい。


なんで僕の周りにはこんな変な人が集まりつつあるんだろうか本当。




と、アリスさんの食事に誰知らず胸焼けを感じていると、リンドウさんが僕とジルの前に湯飲み(中は緑茶だった)を置いてから、向かい側のソファーに座った。



「さて・・・と。ヒタキから話は聞きましたが――確認させてくだされ」



リンドウさんが、急に居すまいを正して聞いてくる。



「はい」


「あなた方は、最高位神5柱がひとり、クロノミコト様と、その使い魔・・・ジル様で間違いありませぬな?」


「はいはい。間違いないですよ」



「ふむ・・・分かりました。それでお二人は、この世界には初めて降りられたのですかな?」



案外あっさり信じてもらえた。


ヒタキさんから話を聞いたって言ってたから、あの金属板に魔力を流した結果も伝わってるんだろう。


話しによれば、あれって相当信頼性が高いらしいし。



「そうですね、初めてです。大昔の科学文明のときになら来た事はあるんですけど」



そう言うと、リンドウさんは少し考え込むようなしぐさを見せた後に、



「・・・わかりました。では、私には今この世界で起こっている事をクロノミコト様に伝えねばならんという義務がありますな」



おお、そりゃ助かる。


とりあえずは、今の僕がおかれている状況だけでも知っておきたい。


あとはこの世界はどんな世界なのか、あとここに来るまでに疑問に思ったこともすべて聞いてしまっちゃってもいいのかな。



「ぜひ。お願いしまふ!」



げ、噛んだ。


なんか微笑ましいものを見るような目つきで見られてるし。ええい鬱陶しい。



まあいいや。


とりあえずは・・・・何から聞こうかな。





変なところで終わってますが、仕様です(キリッ

続きは連休中に何とかして書きますね。


ところで、Twitterやら活動報告やらで散々言っちゃったことなんですが、この前アクセスカウンターを見てみたら20000pvを突破していました。

本当にありがとうございます。これからも精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

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