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クロの下界冒険記~神→冒険者?~  作者: UNKNOWN
3章 行き当たり、王国?
15/41

4話 神社へ出発

うぅ・・・仕事が忙しいよぉ・・・。

というわけで早めに投稿。

あのあと、イースさんたちと共にまたあの長い廊下を歩いて外に向かった。ミーアさんとレミリアさんは2人でなにか話をするらしいからそのまま残る。


レミリアさんは、王女様なのに「見送りに行きますわ」とか言ってエントランスまで僕を抱きしめながら運んでくれた。・・・あ、抱きつきたかっただけか。


そして後頭部に残る感触・・・おぅ・・・。



悶えながらもギルドの外に出ると、そこにはここに来るときに乗ったのと同じ型の馬車が2台停められていた。


御者の警備隊兵士さんが違うからたぶんさっき乗った馬車じゃない。



「・・・ぼー・・・」



・・・それにしても、さっきから気になるものがひとつ。



「・・・ふぁ・・・」



いまから乗ろうとしている馬車の前であくびをしつつぼんやりとたたずむ女の人がひとり。


なんかさっきから馬車の扉の前にぼーっとたたずんだまま、そのまま動かない。なんだあれ。



「ねぇジル」


「なんです?」


「あの人、ナニ(・・)?」


「・・・さあ?マスターならわかるでしょ」



あーそう。



さっきからずっとひたすらにぼーっとしている女の人は、どう見たってそこらの人から格好が浮いていた。


青黒い色のプレートアーマーとか呼ばれる西洋式の全身鎧を着てるけど、ヘルメットは着けていない。肩まで伸ばしたさらさらの銀髪が風に揺れていた。


直立したまま、腰に差した70センチほどのショートソードの柄頭を左手でいじりながら眠たげな眼で虚空をずっと見つめている。



「・・・・ふわ」



あ、またあくびした。



じっとその様子を見ていたら、たまたま女の人がこっちに向けた目と僕の目が合った。


そのままの姿勢で、眠たげに細められた目の奥、きれいな赤色の瞳で声も上げずにじっと僕を見つめてくる。



(え、なんだなんだ?)



あ、よく見たらこの人、首に包帯を巻いている。


ケガ・・・じゃないのか。血がにじんでいない。


あと、さっきからちょっと感じていたけど、この人は、何か違う(・・・・)


この人の周りに流れる時間の早さが一般人の半分ぐらいに見えるとか、さっきからただ僕の事だけをガン見してるだとか、そんな事じゃない。


もっと根本的な何かに違和感を感じた。


変な・・・魔術?



と、ふいに背後から、



「おう、誰かと思えばアリスではありゃせんか!お勤めごくろーでありまぁーす」



またもイースさんの知り合いだったのね。どんだけ顔が広いのやら。



「で、アリスがそこにいるということはアレかい?アタシらの護衛役?」


「・・・ん」



アリスさんはうなずく事もせず、眠たげに、ただ声だけを返し、



「・・・イース」


「はいはい何でしょ?」


「・・・そこの、ちっこいの」



グサッ。ちっこいのって僕の事か。



「あ、クロたんの事かい」


「・・・ケ○タン?」



ケロ○ンじゃないし!?



「クロたん、な?で、この子がどうかしたん?」


「・・・何者?」


「うぉう、分かっちゃう?あんたってエスパー?」



お願いだからイースさん、僕の正体をあんまり広めないでください自重してください。



「・・・・で?」


「武神・クロノミコト、だってさ。ほらあれ、最高位神」


「・・・へー」



・・・あ、僕の正体はそんな世間話でさらっと流れるようなモンだったんですね、はい。凹みました。



「・・・クロ?」


「もう呼び捨てだって何だって気にしませんともハイ。何ですか?」


「・・・ほんとに、武神?」


「まぁ、一応」


「・・・つまり、神様?」


「そうなりますね」


「・・・・・じゃぁ、わたしは、なんだとおもう?」



アリスさんがなんだか試すような、そんな調子で言った。


『なんだと思う』?か。


ふむ。



「えっと、'種族’ということでしたら」


「・・・・」


「少なくとも人間ではない・・・ですよね」


「むっひょークロたん、さっすがぁ」



当りか。


で、さっきから気付いていた事とファンタジーな僕の想像を総合すると・・・



「首なし騎士、デュラハン?」


「・・・・ん、正解」



合ってた。物語の中でしか見たことがないからちょっと自信がなかったけどね!



「ちなみに何で分かったのさ?」


「えっと、首を全く動かしてなかったから、つまり包帯で(・・・)仮止めした(・・・・・)首が落ちないようにバランスを取ってるみたいだったから。あとは勘です」



「勘」とは言ったけど、人間じゃないって事だけは雰囲気だけで普通に感じ取れた。



「・・・・クロ」


「はい?」


「・・・・合格」



え?合格って何?なにごと?



「・・・じゃ、乗って」



アリスさんが馬車のドアを開いた。


あれ、ちょっと待って。合格って何だったのさ。



「ほらマスター、モタモタしないで早く乗ってください邪魔です」


「いやーんジルちゃんったら過激ー」


「だれが『ちゃん』ですか・・・ほらマスター、乗って乗って」


「え、あ、うわ」



ジルに問答無用で馬車に押し込まれた。あいかわらず主人への態度がヒドイ。



なし崩し的に、4人乗りの馬車にイースさん、アリスさん、ジル、僕が入る。


ヒタキさんと、さっきから影が薄いライオットさん達はもう1台の馬車に乗ったらしい。


馬車は、最初に僕たちが来た道のほうに進み始めた。



で、とりあえずさっきの『正解』って何だったのか。



聞くと、どうやら「中央神殿」に呼ばれるにあたって、僕に試験というか、テストのようなものが課せられたらしい。


試験官はアリスさん。テストの内容は秘密、とのこと。ちなみにさっきの「テスト」は人間かそうでないかを見抜けるかどうかのテストだったそうだ。



・・・なんといかまぁ、



「どうも横暴ですねぇ・・・。マスターは最高位神。これ以上何を知ろうってんですか。神社の関係者も能が」


「本音は?」


「面倒臭い事をこれ以上やらせんじゃねぇこのクソ神社・・。おっと失礼。私とした事が」


「・・・・それ、本性?」


「はいアリスさん大正解です」



まったく、うちの使い魔は何でこうも口が悪いかね。



「・・・ジル、面倒なら、寝ればいい」



寝るって。



「この馬車の中で寝られたらそりゃ楽でしょうねぇ」


「・・・寝られない?」


「微妙なところでしょう」



実はこの馬車、サスペンションが装備されていないのか、街道に敷き詰められたゴツゴツした石畳の凹凸でかなり揺れる。


この状態で寝るのはかなりキツいだろうね。



「・・・じゃあ、わたしは、寝る」


「は?」



え、寝るって。


するとアリスさん、おもむろに首に巻いていた包帯を解き始めた。



「それって、今外しても平気なんですか?」


「・・・・だいじょぶ」



スルスルと包帯が解けていき、終いには完全に外し、



「・・・・よっ」



両手で頭を持ち上げて、膝の上へ。


おぉ。なんかちょっと感動した。デュラハンってこんな感じなんだ!


アリスさんは、密かに感激する僕を気にすることもなく甲冑で覆われた膝の上で頭が安定するベストポジションを探して、



「・・・・おやすみなさい・・・・すぅ・・・・・」



言うが早いか、一瞬で寝てしまった。



「・・・・」


「・・・・」


「・・・本当に寝ましたね」


「・・・ホントだね」



静かになる車内。


ゴトゴトと馬車が揺れる音だけが耳に響く。


・・・・


ん?


車内が静か?


もしや。



「んごー」



・・・なんとまあ、イースさんも見事に寝ていらした。


道理で静かだと思った。



「・・・ジル」


「何です?」


「ヒマ」


「私もですよ」


「何か面白い話とかない?」


「ありません。窓の外でも眺めてたらどうですか」



そう言ったきり、ジルは腕を組み目をつむって黙り込んでしまった。


むぅ、これは本当に窓の外を眺めるしかないのか。


仕方なく、視線を外に向けると。



「・・・おや?」



そこにはさっきまでの石造りの町並みはなく、ただ広大な土地が広がっているのみ。



(はて、こんな場所はギルドに行く前に見えたっけ?)



確か僕らが来たときは石造りの建物が立ち並んだ町並みしか見ていない。


ましてやここまで何もない広いスペースは町の中には無かった気がする。



そんな事を考えていると、




・・・・ド――――――ン・・・・・・ドドォ・・・ン・・・・・・




(ん?)



・・・これは、大砲の発射音?ちょっと遠いな。


遠くから、間延びした爆発音が響いてきた。


そういえばギルドに向かう馬車の中で、イースさんが『今日は演習がある』とか言ってたっけ。それかな?


あーでもあれか、多砲塔戦車か。エンストしたりするんだろうな。


なら、見ないでも別に良かったか。



なんとも退屈。




その後も散発的に聞こえる爆発音とイースさんのいびきを聞きながら景色をずっと眺めること1時間。



馬車はようやく、「レガルド中央神社」へと到着した。





武器・・・兵器・・・

モンスター娘は大好きです。デュラハン娘とか直球どストライクっす。


次回は兵器が出るかも。

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