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「それは良いのだけど、以前の私は婚約者であるシリウス様とどんな仲だったの?」
「婚約者なのだからと週に一回は会うよう、シリウス様にお願いされていました。それから王女様は自室の出入りも許可されていました。どん仲だったのかは私には分かりかねますが、頻繁に会っていました」
そうだったのね...。
かなり親密な仲ということかしら?
「...とても誠実そうな方だったわ。シリウス様から尋ねてくることもあった?」
「ありました。誠実な方だと伺っています」
やっぱり。
小説の設定でも誠実だと書かれていたもの。
ヒロインに一途で真っ直ぐで...。
ときめきながら読んでいたことを思い出す。
「私は今何歳?」
「王女様は今14歳で、来月で15歳になります」
「シリウスは?」
「14歳で王女様と同い年です」
同い年だったのね。
落ち着いていたから年上に見えた。
小説の内容を思い出す。
ヒロインは18歳で天使の加護を授かって、シリウスと出会い恋に落ちる。
小説の中では悪役令嬢のリーリアに憎しみを抱いていたシリウス。
まだ関係が悪くないのは、シリウスはヒロインに恋をしていないし、リーリアも悪事を働いていないからかもしれない。
「勉強したいと仰っていた件ですが、家庭教師と連絡を取ってきました。早速、来週から始めてもよろしいでしょうか?」
「私の方は全く問題ないわ。家庭教師と連絡を取ってくれてありがとう」
アンリのお陰で勉強が出来そうだ。
「...私には勿体無いお言葉です。では、その様に予定を組みます」
「ええ。また何かあったら色々教えて欲しいわ」
アンリに色々と教えて貰っているお陰で困らずにいる。
情報って大事よね。
勿論です、と言ってアンリは壁際へ下がった。
専属メイドって殆ど私の傍にいるのね。
アンリみたいな良い子で良かった...。
それにしても暇ね。
ずっとベッドに居るのも、なんだかなぁ。
私としては充分休んだし。
「そうだ、アンリ」
「はい、王女様」
「体調が完全に良くなったから、庭を少し散歩しようと思うの。案内してくれる?」
「はい。...体調が悪くなったらすぐに仰ってください」
「気遣いありがとう。無理はしないわ」
私はアンリの後に付いていく。
庭に出ると赤い薔薇が何輪も咲いていて、とても綺麗だった。
「この庭には赤い薔薇が多く咲いているのね」
「王女様の好きな花だからだと思います」
王女の好みに合わせているから、赤い薔薇が多いのか。
私も赤い薔薇はとても好き。
愛情や情熱という花言葉がとても素敵。
本数によっても花言葉が違っていたはず。
私は詳しく知らないのだけれど。
日本で作られた小説だから花言葉というものも存在している世界なのかな。




