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「...はい、王女様」
私に対して戸惑いつつも、頭を下げるメイドのアンリ。
主人が急に記憶を失ったと言ったら戸惑うよね...。
戸惑っているところ申し訳ないけれど、情報集めをしよう。
「アンリ。今までの私の様子を教えてくれない?日記とか無いのかしら?」
「王女様はとても元気に過ごされていました。すみません。日記については把握していません...」
「いいえ、教えてくれてありがとう。今までの私をもっと詳しく教えてもらえるかしら」
アンリはとても言いづらそうにしていたが、何とかして聞き出した。
第一王女、リーリア・アロス。
今年で15歳を迎えるそう。
リーリアは甘やかされて育った故に、我儘放題の王女様だったようだ。
食べ物の好き嫌いは激しいし、人には当たり散らすし、浪費も多かったと。
アンリはオブラートに包んで話してくれていたけれど、言い方を変えればこの通りだと思う。
私への好感度、最初から低いのでは...?
「ごめんなさい。迷惑をかけたわね」
元のリーリアがした事で私のせいではない。
それでも、リーリアの代わりに謝るべきだと思った。
アンリとはこの世界で生きる為にも良い関係を築きたいし。
「...!王女様に謝ってもらうなど、恐れ多いです」
「そんなこと言わないで。私が謝るのは当然のことよ」
元のリーリアがしてきた事が帳消しにはならないけど、謝ることによって物事が良い方向に進むかもしれない。
「王女様がそう言うのでしたら...」
「謝罪を受け入れてくれるってことでいいかしら?」
アンリは頷いた。
「私はこれから王女として何をすればいいかしら?」
「何もしなくて大丈夫です」
聞き間違いじゃないよね?
何もしなくていいって...。
王女としての公務や勉強があるのかと思っていたけれど。
「もしかして、私は王女として何もしてこなかったの?」
「...王女様は荷が重いからと避けていました」
つまり、何もしてこなかったってことよね...。
これからどうするか。
私は気持ち的に何かしたいと思ってしまう。
「これからは王女として出来ることはするわ。まずは何も分からないから勉強をしたいのだけれど、予定に入れてくれるかしら?」
「分かりました。また予定が決まれば報告します。...一度この場を離れて良いでしょうか?」
そうよね。
ずっとこの場にいるのは難しいはず。
報告や休憩もしないといけないと思うから。
「勿論。私は部屋にいるから大丈夫よ」
情報収集は一旦お休み。
病み上がりなのだから、ゆっくり休もう。
「ありがとうございます。必要になれば近くのメイドや執事に仰ってください。駆けつけます」




