1
よろしくお願いします
ズキズキと頭が痛い。
痛みで目を覚ますと、知らない天井だった。
「ここは...」
学校を早退した後、家で寝込んでいたはず。
「王女様...!お目覚めになったのですね!」
「王様と王妃様を呼んできます!」
メイド服を着た女性達。
身に覚えがない人に服、装飾品。
夢にしても妙にリアルで頭の痛みもあるから、多分現実なのだろう。
信じがたいことだけれど。
「あの」
「はい、王女様」
「ここはどこですか?」
「...王女様の私室でございます」
「王女様って私のこと?本当に?」
「勿論でございます。...もしかして、記憶が無いのですか?」
王女様としての記憶は全く無かったので頷いた。
「そんな...。医者を呼んできます!」
医者を呼びにいったメイドと入れ替わりで王と王妃が現れた。
「私の可愛い娘、目が覚めて良かったわ」
美しいウェーブがかった金髪に赤い目の女性は私の頬を撫でる。
グラマラスな美女だ。
「リア、調子はどうだ?」
青い髪に青い目の男性が私を見てリアと呼んだ。
私が憑依してしまった女の子の名前か。
どう言おうか。
私は別の人間だなんて言っても信じてはくれないだろうし。
もし、信じたとしてもショックを受けることは目に見えている。
やはり、転生のことは秘密にしておこう。
見かねたメイドが口を開く。
「王様、王妃様。...王女様は記憶が無いようなのです。今医者を呼んでいます」
「...なんてこと」
王妃が口に手を当てる。
先ほどとは打って変わり、皆、沈痛な面持ちだ。
い、居づらい...。
「失礼します」
タイミング良く医者が来てくれた。
「王女様、失礼しますね。...薬が効いたようで、熱は完治しました。記憶が無くなったのは...高熱によるものだと思います。取り敢えず様子を見ましょう」
「リア、体は大丈夫?」
王妃から声を掛けられる。
「大丈夫です」
頭のズキズキは少しあるけれど、その程度だったのでそう答える。
「そう...。それなら良かった」
王妃は胸を撫で下ろしていた。
「専属のメイドであるアンリだ。何でも聞くといい。心配だが...私達は行くとしよう」
後ろに控えていたメイドが頭を下げる。
水色の髪を後ろで編んだ女の子だった。
王と王妃が去って行く。
この体に憑依してしまったからには、リアとして生きるしかない。
元に戻る方法もわからないし。
「えっと、アンリ。これからよろしくね」
メイドのアンリに頭を下げた。




