表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

 わたしが魔法の使用にしっぱ・・・いや、流行病から回復して五日が経った。


 今日は無事に回復できた感謝のお祈りをするために教会に来てるんだけど、別に城下町へやって来たわけじゃないんだよね。


 ではどこにいるかというと、お城の敷地内なのだ。


 お城の中にある教会なので、簡易的なモノを想像するかも知れないが、かなり立派な建物が建っていた。


 ただこの教会は王族専用というわけでは無く、お城で働く人ならば誰でも自由に出入りできるらしい。


 まあ、今日は丈が足首まであるドレスを着させられているので、近場で助かってるのは事実なんだけどね。それに城内ならば護衛の騎士達の負担も減らせるだろうし、民衆への制限もかけなくていいメリットはあると思う。それでも、わざわざこんな所にこんな立派な教会はいらないんじゃ無いかと思ってしまう。


 まあ教会勢力の力が強いこの世界だと、権威付けという意味合いが大きいんだろうけど、それでもお城よりも立派に見える建物(きょうかい)が必要だったんだろうか?と考えてしまう。


 「どうしたんだいティナ。ぼうっとしてるけど、大丈夫かい?」


 お父様に声をかけられ、考え事をしていた思考が現実に引き戻された。


 「え、ええ。少し教会の建物に見とれていただけですので、平気ですわ」


 「本当に平気なのティナ?もし、気分が優れないようなら日を改めることもできるのよ」


 「ありがとうございます。お母様。でも、本当に大丈夫ですわ。それよりも、早く参りましょう」


 わたしの体調を心配して立ち止まってる両親を少しせかして教会の中に足を踏み入れた。


 教会の中は内装も立派だった。中央に奥まで伸びる通路があり、左右に長椅子が何列も並んでいる。左右と前方の高いところにある窓から差し込む光が、幻想的な雰囲気を醸し出していた。そして、一番奥には石像がいくつか並んでいる。でも、遠目ではっきりとは見えないけど、どの石像も男性の姿のようだった。


 「お待ちいたしておりました。陛下、王妃様、姫様」


 不意にかけられた声の方を向くと、先日診察に来ていた司祭様が立っていた。


 「うむ。案内を頼む」


 お父様が威厳たっぷりに返答するのを見ると、本当に王様なんだなと思う。司祭様の案内で歩く姿を見ても、王の風格を感じる。ただ、わたしには違和感がありすぎて、笑いがこみ上げてきてツライ。頑張れわたしの表情筋。


 「こちらでお祈りくださいませ」


 そう司祭様に案内されたのは、教会の一番奥まった場所で石像の目の前だった。


 石像は全部で五体あるけど、そのどれもが男性の姿をしていた。そのことに疑問を感じたけど、それを聞ける雰囲気でも無かったので、ひとまずお祈りを済ませることにした。


 どうやら身分や性別に関係なく、祈りの仕方は同じようで、わたしはお父様とお母様に続いて膝立ちの姿勢になり、両手を胸の前で組み祈り始めた。

 

 (女神様、無事に転生できました。ありがとうございます)


 「うふふ。ようやく祈りに来てくれましたね。待っていましたよ」


 気が付くと転生するときに居た白一色の空間に立っていて、目の前で女神様が微笑んでいた。

お読みいただきありがとうございます。

ガラスのハートなもので、誠に勝手ながら当面の間は感想やご意見は受け付けないことにします。

今後ともよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ