転生したら画鋲だった件
忘れもしない2022年8月6日
「知らない天井だ」
目が覚めると曇りガラスのような天井が広がっている。
しかも体が動かない。
しかし周りを見渡すと巨大な金色の金属のようなものが折り重なるように置いてある。
これが本当の金だったら一生遊んで暮らせるだろうなという場違いな思いにはせる。
金縛り?それとも夢?
なんとも現実味のない光景と身体の感覚にそう疑わざるえない。
「よく見たらこれデカい画鋲か?皿みたいな物の中心に棒が刺さって
そうだこれは画鋲だ!デカすぎてよく理解できてなかったが一度わかるとまさに昔ながらの画鋲が置いてある。
「というかよくみたら俺も画鋲じゃね?」
唯一動かせる目線を自分の身体に向けると画鋲と同じ金属でできた身体にお腹?から棒が飛び出てる。
「ゆ、夢だよな?」
×××××「夢ではありません・・・」
「だ、だれだ!?」
頭の中に声が響く。女性のような声だ。
×××××「あなたは転生したのです。日本人の若者は転生が夢ということを知りあなたの死のタイミングで転生させました」
「お、俺の死?転生!?小説によくあるあれか!?あなたは神様ってこと!?」
パニックになりながらも質問を投げかける。
×××××「あなたから見たら私は神と呼ばれる存在かもしれません。私はمعطف أبيض كويوريです」
「え!?なんだって?」
×××××「どうやらこちらの言語には私の名前は置き換えるのが難しいようです」
「そ、そうなのか、あれ待ってくれ俺何に転生したんだ?」
×××××「画鋲です」
「え?が?」
×××××「あなたは画鋲転生しました」
「どういうこと?無機物!?」
×××××「あなたは画鋲です」
「意味がわかんねえ・・・」
×××××「画鋲とは壁に押し付けることで・・・」
「そういうことじゃね!?こういうのって異世界で魔法が強くなった赤ちゃんに戻って無双みたいな!」
×××××「転生は毎日数億回行われていますが意志ある生物になれるのはあなたの世界で宝くじ1等が50年間当たり続ける程度と同等です」
「・・・この周りの画鋲たちは転生済みの画鋲?」
×××××「そうですね、転生してもう考えることをやめ、意識は空虚に溶け込み二度と会話はできないでしょう」
「嫌だ!?そんな一生やだ!」
×××××「画鋲は針の真ん中が抜けたら死亡判定で次の転生にいけます」
「それいつだよ!?絶対ここから出るのにも何年後だよ!?」
×××××「画鋲の平均寿命はおよそ40~50年ですね」
「なっげえ!?」
×××××「大体は買った後いらなくなり廃棄されごみ処理場で錆て針が折れるのがそれくらいです」
「・・・・」
×××××「運がいいとYoutuberのドッキリにしようされ画鋲を床に敷き詰めてみたドッキリにために事前に針を抜いておいて置くという作業中に死ねます」
×××××「さようなら愛しき子よ、また来世で会いましょう」
その日俺は考えるのをやめた。次の転生はせめてコヨーテあたりでと最後に思ったのだった。