プロローグ
私は忘れない
あの時の出来事を
車達が軋む音
人々の悲鳴
身体が所々血が滲み痛み、ひどい状態だったことも
車の衝突事故によって、私の人生が変わった
私の事を守って、お父さんとお母さんが死んじゃった
私は、もう一人ぼっちだ
自分なんか消えれば良かったのに
どうして?
どうして…私だけが生き残ったの?
どうして…お父さんとお母さんは私を守る為に死んだの?
こんな事になるんだったら生きる理由がなくなるじゃん
なんで、こんな命によって生かされているの?
自分なんか…自分なんか、これ以上こんな世界に生きるのは嫌だよ
私はこんな事を思っていたのに
どうして、あの時に彼女と出会ってから生きていたいと思えたのかな?
どうして、彼女から紡がれる音色は愛おしく、安らぎを感じられるのかな?
どうして、あの出来事によって私は死にたい、消えたいと思えなくなったのかな?
…分からない、分からないよ
この気持ちが、どんな気持ちなのか知らないよ…
ねぇ、あこちゃん
教えて この気持ちを?
教えて 私が生きていたいと思えてきたのは?
教えて 貴方が紡ぐ音色は、どうして素敵なのか?
教えて 貴方と出会った事で、私の世界が鮮やかにな
ったのか?
教えて 貴方が、もうすぐ死ぬのに命を捧げて
曲を作るの?
教えて どうして私の傍にずっと居てくれたの?
貴方がずっと私に「どうして?」と毎回質問をするのと一緒で、私もあこちゃんに沢山の質問をしたいの!
貴方が、いつも私の事を「綺麗だ」と言ってくれるのに、私はそんな事を言われる資格なんて無いよ。
むしろ、自分は汚くて 醜くて 酷くて 最低な奴なんだよ。
なのに、どうして私の事を愛してくれるの?
何で私の事を「大好き」といつも言ってくれるの?
なんで なんで なんで………
私の事を構うの?
これは、生きる理由をわからなくなった少女が、音楽に愛された少女と出会い
一緒に時を過ごし
音楽をお互いに紡ぎ
お互いの希望となって
愛し、愛され
生きる理由を徐々に取り戻し
―そして―
二人が別れるまでの物語




