10年前の日記
恐らく初投稿。小説家になろう初心者です。
元は別サイトにて二次創作を主に執筆していました。しかし、そこでは自分の書く世界ではなく、キャラしか見てもらえていないような気がして、オリジナル作品を投稿するため、こちらのサイトを使わせていただくことを決意しました。
頑張ります。
椅子に深々と座り、新しい日記をペラペラとめくる。数年前から使っている水色のシャーペンを手に持ち机に前のめりになる。
少し書いて、手が止まる。さっき作ったばかりのコーヒーを手に取り、10年前のことを思い出す。
嗚呼そうだったな。自然と笑みが零れる。あの頃は無邪気だった。
「君のことが好きだ」初めての経験で思わず承諾したあの告白。
一緒に帰って、ドキドキしながら電話して一緒に笑いあってた。...まぁあんなのも直ぐに終わったけどさ。
私がいけなかった。彼を信じすぎたから。
その日は彼の誕生日だった。彼の好きな色のネックレスをちょっぴりいい所で買って、彼の家に向かった。
びっくりして欲しくて、私は連絡も無しに向かった。今思えばそんな事しなければ今も知らないで済んだかもしれない。
インターホンを鳴らす。
ガチャリ、
ドアが開く。
「お、おぅ。どうしたんだ。」私は目を見開いた。女物の靴がある。私の靴じゃない。
「なにこれ」
「これは、違うんだ、聞いてくれ!」やらかした、と言わんばかりの上擦った声で否定する。
もはやそれは小さい子の喚き声にしか聞こえない。
「ッ……別れよ?」
「いや、あの…ちが」
すると、一人暮らしにも関わらず、ドタドタと人が向かってきた。
「ねぇ?だれだったの...あっ」
リビングからやってきた女は途中まで口を開き固まる。まるで豆鉄砲食らったハトみたいな目。
「っ、さよなら、今までありがとね」
私はプレゼントを彼に半分押し付けるような形で立ち去った。淡いとはとても言えない初恋だった。
あの時の彼は今何をしてるだろう。あの女と結婚してるのかな、いやないか、いかにもビッチっぽい雰囲気だったし、ATMにされてたのかな。
ぼーっと窓の外を見つめる。
綺麗な夜空。雲ひとつ無い空に綺麗に輝く星。届くようで届かない場所。
まるで今の私みたい。空想では届く所にあると思ってるけど、現実では程遠い。人と関わる事を避けてきた。そんな弱い私。
日記を書き終えた私はコーヒーを一気に飲み干し、席を立った。
「...少しは努力してもいいかな」
昔の私を思い出して思った。あの頃は彼に見合う人になりたくて必死で努力してたから。
いつかきっと最高の人に出会える。そう信じて日記をパタンと閉じた。
~完~
スクロールお疲れ様でした。どうでしたでしょうか、こちらは昔書いた話をリメイクしたものです。また小説書かさせていただきます。
私事ですが、もうすぐ受験生になる身でしてかなり忙しいです。
将来の夢が、小説作家(親には否定されましたが)なので、皆さんに認めて貰えるよう頑張ります。
ありがとうございました。