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23話

「「「ごちそうさまでした」」」

「美味しかったよ2人とも」

「当たり前よ」

「えへへ」


 照れ隠しみたいに答える紗夜と特に隠すわけもなく照れる楠木どうしてこおも2人は逆なのか。

 だけどそこを抜いても2人が作った料理は美味しかった。

 誰かの料理を食べたのは、いつぶりだろうか。


「それでこの後どうする?」

「もう遅いし帰るよ」

「そうね」


 時計を見ると午後9時を回ったとこだ。

 これ以上帰るのが遅くなると紗夜の親が心配する。


「玄関まで送るよ」

「ありがとう」

「それじゃあ、行こう」


 そうして俺たちは玄関へと足を伸ばして行った。

 楽しいと思う時間はすぐに終わってしまう。それに身内以外と食事をしたのは、初めてだったから余計にそう思ってしまう。

 この祝福の時間が終わらなければいいのに………と。


「あのさ………」

「どうしたの悠季?」

「あ、いや、なんでもない」

「そう」


(言えないようなこんなこと………)


 俺は諦めて玄関へと再び足を伸ばした。

 だけどここで望んではいけない。俺は楠木と友達になる、ならないという勝負をしている。けど俺は、きっと………。


「それじゃあ、また来てね」

「また来るわ」

「三神くんもね?」

「………あ、ああ」

「大丈夫?なんか疲れてるみたいだけど」

「だ、大丈夫だよ。さぁ、遅いから紗夜は家まで送っていくよ。それじゃあ、お邪魔しました」

「お、お邪魔しました」


 無理やり帰ることで、さっきまで思っていたことをすべて忘れようとした。

 思っちゃいけないこと今の俺には無理なことだった。


「それで、ほんとに大丈夫なの?」

「なにが?」

「時雨ちゃんの家から出ようとしたくらいから顔色が悪かったから」

「大丈夫」

「嘘」


 はっきりと沙夜は答えた。

 幼馴染としての感なのか、それとも女の感と言われるものなのかわからないが、はっきりと沙夜は答えた。


「どうしてそう思ったの?」

「わからない。だけど嘘をついてる。そんな気がするの私」

「…………」


 何も返すことができなかった。

 心配されている。今まで心配されないように行動してきた。楠木にも奏にも………。

 俺に打つ手はもうなかった。誰かに心配されてるようじゃいつまでも隠しは通せない。

 だから………。


「確かに、大丈夫じゃないけど。これは俺がやらなきゃいけないことだから」

「そう」

「ああ。だけど心配してくれてありがとうな紗夜」

「ごめんなさい。私にはこれくらいしかできなくて………」

「いいよ。さっきも言っただろ“ありがとう”って俺は心配してくれただけでも嬉しかった。だからありがとう」

「ならいいんだけど」


 少し満足していた。

 大きな問題は隠した。

 だが俺が言った気持ちは本当だった。

 あの時から誰かに心配されたことなんかなかった。だから本当に嬉しかったのだ。


「それじゃあ、一つ約束して」

「なにを?」

「無理はしないって」

「ああ、わかった」


 俺は今、始めて紗夜と本当の意味で寄りを戻せたと思った。


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