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20話

「これが私の過去」

「そんなんことが……」


 俺は紗夜の過去を聞いて絶句した。

 これ以上何も言葉出なかった。


「それで感想はないの?せっかく話したんだから」

「………」

「やっぱり、悠季は変わってなかったんだね」


 覚悟決めてきたはずだった。

 だが俺が想像していた以上に紗夜の過去は重かった。


「少しでも期待して話した私が馬鹿だったよ」


 紗夜が去っていこうとする。それを止めようと動いた。けど体は動かなかった。足が床に接着剤をつけたかのように動かず、手は地面に引っ張られるような感じで動かない。


「待って」

「監視役の貴女がなんのよう?」

「ボクはまだ君に話がある」

「何の話が貴女にあるの?」

「あるよ、ボクは君の過去を聞きに来たわけじゃない、それはボクのやることじゃないから。ボクの目的は山本さんあなたがどうしてこの前あった時、飛び出して行ったのかそれが知りたい」


 何も動けなかった俺に少しだけの猶予を楠木はくれたような気がした。

 俺は、楠木のくれた時間を必死に使い考えようとした。

 だが、俺は楠木の考えを履き違えていた。


「それなら、悠季が居ないところで話さない?」

「どうして?三神くんがいてなにか不都合?」

「そうね、不都合」

「なら、なおさらここで話してボクたちにそれを話して!」


 時間をくれたと思っていたが違っていた。

 だけど紗夜の話は全部聞かなくては、俺の中にそんな考えがあった。

 だけどそんな考えは後紗夜の表情を見て変わることになった。


「もう、いいわよ。何が聞きたいのかしら?」

「ボクや奏ちゃんを見て部屋から飛び出した理由」

「そ、それは……」


 なにか言えない事情がある。

 過去は言えても、言えない事情それが何なのか気になる。

 だけど紗夜は辛そうな顔をしていた。


「言えないなら、言わなくてもいい」

「えっ?」

「俺はさっき紗夜の過去について何も言えなかった。とても悔しかった、覚悟してきたつもりだった。紗夜も過去を聞かれたら、楠木が言うこともわかってたんじゃないか?そのための覚悟もしてきた。だけど足りなかった」


 俺はここで言葉を切り、少し離れていた楠木をこちらに呼んだ。

 そして少し間をとり再開した。


「きっとここにいる誰もがまだ、なにか足りてない。だからさ、いつか言えるようになってからさ、言おう。それでいいか?楠木も紗夜も」

「あまり納得はできないけど、ボクも言えないことがたくさんある。だから、一方的に聞かない」

「楠木さん」

「勘違いしちゃだめだよ、ボクはいつか話してもらうからね」

「わかったわ」


 2人が納得して合意をした上で今回の話は終わった。

 当初の目的の紗夜の過去が聞けた。俺はこれだけでも嬉しかった。だけど聞いただけ、ここから俺はどうやって紗夜と付き合って行けば考えなきゃいけない。


「ねえ、山本さん連絡先交換しない?」

「え?いや」

「なんで!ここまで来たら普通なると思う!」

「私貴女と友達じゃないし」

「なら、今なろう!高校で友達ができたかはわからないけど……友だちになろう!奏ちゃんや瑞葉ちゃんとも友達になろう!」

「はぁ、わかったわよ」


 少し失礼なところもあったが2人が友達になった。

 なんか俺の周りの人々がだんだん楠木に攻略されてるような気が……。


「残り時間あまりないけどみんなで昼ごはん食べない?」

「いいよ」

「それじゃあ、2人仲良く食べてくれ」

「三神くんも食べるんだよ?」

「悠季も食べるんじゃないの?」

「え?」

「「え?」」


 その後俺は2人に掴まれて一緒に食べることになってしまった。

 そして屋上に居たことがバレ3人仲良く先生に怒られる羽目になった。


誤字脱字の報告よろしくお願いします。

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