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11話

クーデレ要素が少ない気がする……

「それで、送るのはいいけどどこまで送ればいいんだ?」

「ボクは、ここから10分くらいかな」

「私は、1時間くらいかかりそうです」


 楠木と瑞葉は、お互い聞いた内容とは、違う回答が返ってきたがそこは、送りながら教えてもらえばいいと気にせず歩きだした。


「あの~時雨さんってもしかしてあの、楠木財閥の?」

「うん、ボクの家は……そうだね」


 歯切れの悪い言い方に楠木らしさを感じなかった。

 いつもならうざいくらい「ボクのうちすごいでしょ!」というと思ったのだが今回はそれがなかった。


「あ、楠木くん今の道真っ直ぐ行ったら左に曲がるからね」

「あ、ああ」


 俺は、何も言葉がでなかった。

 先程自分たちが話したくないことがあったように、楠木にも同じく話したくないことがあった。

 この話しは、もう触れないようにしようと俺は決めた。そして俺は、そっと瑞葉の方を見てみると瑞葉も同じことを思ったのかこちらを見てうなずいてきた。


「三神くんに瑞葉ちゃん、ボクの家を見ても驚かないでね?」


 今の少し悪い雰囲気を晴らすかのように、明るい声で楠木は、言ってきた。


「はい!」


 瑞葉も雰囲気に合わせるかのように元気な返事をしていた。

 俺は、二人を見ているとすごく仲がいい姉妹に見えてきてしまった。この二人はまだ今日あったばかりでここまで仲がよくなれるのだと俺は、思い知らせれてしまった。


「お兄ちゃん、ボーとしてどうしたの?」

「瑞葉ちゃんきっと三神くんは、ボクのお家で驚かないために準備をしてるんだよ!」

「チゲーよ」


 即刻俺は、否定した。


「違うの~?」

「違うんですか~?」

「違うよ!そしてさらっと瑞葉お前もまじるな!」

「えへへ、バレちゃった」

「はぁ、バレちゃったじゃないぞ」


 一体どこでそんなことを知ったのかと思ったがそれは、また今度聞くことにした。


「もう少しでつくよ」

「そうなのか」

「わぁー楽しみ」


 あまり歩いている感覚はなかったがもうそこまで近づいていた。

 いつもの俺なら長くて退屈していたが、瑞葉と楠木の姿を見ていたらもう終わるのかと名残惜しさもができてきたしまった。


「はい、着きました」

「え、ここ?」

「ここですか?」


 俺と瑞葉は、言葉がでなかった。


「ここがボクの家だよ。驚いた?」


 なんと言えばよかった俺も瑞葉もわからなかった。

 目の前にある家は………


「いや、俺はもっと宮殿みたいなものだと思ってたんだが」

「わ、私も」

「びっくりしたでしょ」


 びっくりもなにも俺たちの前にあった家は……



 どこにでもあるただの一軒家だった。



「ボクが住んでいる家は、結構普通なんだよ」


 楠木は、少し悲しそうな声で今の言葉喋っているように聞こえた。


「時雨さんは、この家で家族と暮らしているのですか?」

「ここに住んでるのは、ボクだけだよ。お父さんは実家に住んでてお母さんは、ボクが物心ついたときにはいませんでした」

「ご、ごめんなさい」

「大丈夫だよ瑞葉ちゃん」


 安心してっと言わん顔で瑞葉の頭をなで始めた。

 

「それじゃあまた明日ね。まだ早いけどおやすみ」

「ああ、おやすみ」

「おやすみなさい」


 瑞葉は、楠木が家に入ったのを確認すると俺に言ってきた。


「あの、お兄ちゃん、今日はお兄ちゃんの家に泊まってもいいですか?」

「ああ、いいよ」


 そう言うと携帯を取り出す瑞葉は、預かってもらっている親戚の人へと電話し始めた。

 途中電話で俺が兄だという確認することを求められ、電話を変わったがそれをした後はすんなり通り俺と瑞葉は、家と帰った。


「もう、家入ったよね」

「入ったよ」


 瑞葉は、自分たちが家に入ったのを確認すると俺の胸に飛び込んできた。


「お兄ちゃん、私時雨さんをきっと傷つけた。私達と同じような経験をしていた時雨さんを傷つけたよ」


 俺の胸で泣き始める瑞葉を俺は、抱きしめることしかできなかった。

 自分たちも似たような思いをしたから出る言葉だった。


「ごめんね、お兄ちゃん」

「いいよ」



 その後瑞葉がご飯を作ってくれ二人で食卓を囲んだ。


「今日は、久しぶりに一緒に寝ていい?」

「そうだな久しぶりに一緒に寝よう」

「ありがとうお兄ちゃん。おやすみ」

「ああ、おやすみ」


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