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午後の昼下がりウンコぶっしゃー

作者: 紅茜

 ゆっくりと時間が流れている。

 午後の昼下がり。淡い太陽に照らされている木々がサラサラと揺れる。新緑の葉の緑に反射した光が水面を泳ぐ小魚の群れのように優しく輝いている。


 日比野健司は長めの薄手のコートを羽織って、ケヤキの木にもたれていた。コートの中は裸である。春の空気を体全体で感じるためだ。春のケヤキは美しい。健司は深く息を吸い込む。透き通った薄い緑の匂いがする。肺の奥深くにしばらくためてから、ゆっくりと吐きだす。


 ブリュリュリュブジュウウウウウウウウウ。木立のざわめきとシンクロする肉体のミュージック。健司の奏でる音楽は完全に春の息吹とシンクロし、生命の誕生の喜びを体全体で表現していた。脚を伝って落ちる命のキラメキ。黄金のストリーム。それは土に還ってこの世界に命を与える。世界はつながっている。大いなる循環のなかに自分がいることを実感する。


 ワンワンワンッ!小型犬が健司のところに駆けよってきて驚くほどに大声で吠える。飼い主が申し訳なさそうに駆け寄ってくる。健司は全力でその場から離れた。


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