絶対にトリップしたい女
勉強、運動、ダイエット・・・
何をしても続かない私が十年経った今でもやっていること。
学生の時からパソコンに向かってはすぐに検索していたもの。
【 好きなアニメのタイトル 夢小説 】 検索
十年経った今でも続けられているもの。
とある日曜日。
天気が良く、外からは子供たちの笑い声が聞こえてくる。
代わり映えのない休日。
「えええっ?!体重三キロも増えてんじゃん!」
これは、十代の時に好きになったアニメキャラに恋した女性が、彼の世界に行きたい行きたいと言い続けて二十代後半になっても諦めてない唯のオタクの日常のお話。
昨夜は確か、YouTubeを見て買ってきた漫画を読み、ゲームのキャラクターの育成をしてとベッドの上でいそいそとオタクを楽しみながら深夜二時頃に夢の世界に入っていった気がする。
朝起きて、と言っても昼前だがスマホのチェックを始める。Twitterを開いてタイムラインの確認、ダウンロードしているゲームアプリを起動して満タンになっていた体力を使い切る。一通りのスマホルーティンを終えた後、いつもより重たい気がする体を起こした所で異変に気付いた。
「ん?なんかお腹出てきた・・・?」
お腹を触ればムニっとした感触があり、そのまま手を後ろへ滑らせてみると腰周り、お尻辺りも心無しか一回り大きくなった気がする。
特別にスタイル良いわけでもなく、デブと言う枠におさまる体型でもなく、ごく普通の体型で痩せないとと思いながらも会社のストレスで食後のチョコレートと深夜のラーメンを止められずにいた。
「まって・・・、体重最後に計ったのっていつだっけ」
思い出したのは約二ヶ月前。だいたい四十五~六キロの間を行き来していた気がする。寝起きの体を引きずりながら体重計の電源を入れて全体重を預けてみる。
「・・・・・・・・・え、四十九キロ?!?!?!」
自室を見渡してみる。最近残業続きだったため、四年程前に目覚めた断捨離、部屋の掃除、自分磨きを完全に怠っていた。
一言で言えば部屋も自分も冴えない。
というか、自分も醜いし部屋汚っ!!!
これじゃ安心して二次元にいけないじゃん!!!
推しを部屋に上げられないよ!!!
彼に会えてもスルー案件じゃん!!!
「とりあえず腹ごしらえして夢小説読むか・・・」