3-17
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『織り手の磐座』を掃き清め、毎朝の祈りを終えたミーアは、坂道を少し下ったところで足を止める。
双子の峰の間から、雪をかぶったシュレイマンの頂と、連なる山々が覗く、絶景。
左に坂を下れば、ばば様の家がある小さな盆地。
右側を見下ろせば、大きな盆地に朝餉の煙があちこちから立ち昇る、村の全景が見下ろせる。
岩壁に囲まれた、堅牢の地。
外への開口部は常に見張りが置かれている、南の隘路ただ一つ。
隘路を抜け、大きな岩々の間を縫って行けば、その先は、砂漠だ。
半月前、部族の男たちが駱駝を連ねて戦に出て行った、広大な砂漠。
今はどのあたりにいるのだろう。
もう、戦いは始まったのだろうか。
(皆が無事に帰ってきますように・・・皆が怪我などしませんように・・・)
その砂漠の、東側で。
双子の峰がわずかに重なって見える位置、礫の砂漠がはじまる場所に、一個軍団が集結していた。
朝日にきらめく金属の鎧兜。
磨きたてられ、鞍を置かれた軍馬たち。
奥の天幕の帳が上がり、若い軍人が供を連れて出てきた。
短く刈られた金髪に青い瞳の、精悍な顔の男。
アムラート王国、第二王子、タウロス・モリア・デム・アムラート。
アムラート王国軍の総司令官であった。




