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砂漠の織り手  作者: 葉月秋子


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3-14

3-14


 トゥリアークの男たちは戦闘準備に入った。



「長く続いてきた争いが、再燃しただけの事じゃ」


 オックとタイガを交えた夕餉の席で、ばば様は言う。


「王国が押し、砂漠の民が引く。王国が引けば、砂漠の民は戻る。

 古くから繰り返されてきた、長い争いじゃ。

 王国の民は砂漠では生きられぬ。

 砂漠はわれらトゥリアークの味方。

 何度叩かれようと、敗北はせぬ。

 砂と共に散り、砂と共に耐え、必ず戻ってよみがえる。

 われらが砂漠の民が滅びる事はない。覚えておくのだよ」



 成人前のミーアのところまで、戦の情報は届くことはない。



 だが、ミーアの織り機に、朝の雲の色糸が張られることはなかった。


 生成りの布。包帯。テント。

 実用に耐えるものを次々と頼まれ、織っていく。


 ばば様の薬草園は規模を広げ、あわただしく収穫された薬草が運び出される。


 武装した男たちが狭間から出立し・・・何人かは帰ってこない・・・


 トゥリアークの村に広まる不安を打ち払うように、ミーアはターロ織りに集中する。


「♪固く結ぼれ背の荷を守れ

 固く結ぼれ(いも)()を守れ♫」


 ・・・固く結ぼれ皆を守れ・・・守れ・・・


 (戦いなんか、起こりませんように・・・みんなが怪我なんか、しませんように・・・)


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