51/51
3-13
3-13
しかし、その三か月後。
南の部族の本拠地のオアシスが襲われた。
「王国兵たちがいきなりオアシスの村を襲ったんだ」
「主力の男たちが交易に出たすきを狙って」
「目的は若い女と子供。男と年寄りは皆殺しだった」
戦の先触れも、降伏の勧告もなく。
ただ野盗の群れのように、いきなり襲い掛かって、村を全滅させたのだと。
王国兵たちはそのままオアシスに居座り、さらなる遠征の準備をしているという。
アムラート王国が、本気で砂漠の民を迫害し始めたのだ。
「魔力を持つ奴隷を欲してのことか。
王国の魔導士ども、よほど切羽詰まって来たと見える」
魔力を持つ子が生まれない。
古の魔道帝国の末裔を掲げるアムラートにとっては呪いとも言える重大事だった。
かつてミーアの母たちを攫ったように、再び魔力持つ砂漠の民に目を付けたのだ。
「タイガにはまだ話すでないぞ。傷にさわるでな」
あの子はターキルの街で行商をしていた父と事件にまきこまれたのだが、オアシスの村には、まだ家族や親族がいたはず。
村が全滅したと知れば、どれだけ衝撃をうけることか。




