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さて、布のほうはどうするか。
皆一年も二年もかけて、審査までに渾身の作を作るのだ。
編み物にするか、織物にするか。
複雑な編み物の壁掛けもいいけれど、風に揺れるやさしい布もいいな。
次第に明るくなる朝の雲。
薄い色から濃い色まで、六段階くらいの重ね染めにして、織りあげた後に刺繍を入れて。
鎖縫いと小粒縫いで軽やかに・・・
部族の女のたしなみとして常に持ってる針と糸を、襟裏の隠しから取り出して、端布に手早く試し縫いをしてみる。
うん、こんな感じで。
三本の紐と一枚の布。
皆と違ってミーアには糸染めの段階もある。
うまく配分していかないと。
ばば様とおばちゃんに相談しながら、冬の間中、ミーアはワクワクして計画を練っていた。
そして、春。
その春。
春の集会で巫女たちの集会所に行っていたばば様が、ちょっと深刻な顔でミーアとオックを呼んだ。
「今年は薬草園を二割増やすぞ、オック。
ラナンとニガナの種をまいておくれ。
ヤギナの茶を作るで、ミーアには新芽をたくさん摘んでほしい。
それと蜜蜂たちにちょっぴり魔力を奮発して、蜜の質を上げるように頼んでな」
鎮痛消炎、増血、栄養補給。
・・・傷薬の材料だ。




