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砂漠の織り手  作者: 葉月秋子


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「あれはいにしえの帝国時代に作られていた特別な色じゃ。

『聖女の青』という名で呼ばれておる。

 帝国の大聖女が纏うておった衣、幾多の民族を統べる帝国の、平和を象徴するものじゃったそうな。


 何百年たっても色が褪せぬのは、染めるときに莫大な魔力が込められているから。

 染め師の本懐、と言っても良い仕事じゃな。


 しかし、今ではもう、あの染めが出来る者はおらぬ。


 大陸中から物が集まっていた、古き豊かな帝国の時代、三つの民族が、忠誠の証として帝国に献上していた品があった。

 それが『砂漠の民の糸』『森の民の果実』そして『海の民の貝』

 その三つの素材が揃って、初めてあの色の糸が作られておったのじゃ。


 帝国が崩壊した後、三つの民はそれぞれが奉じる神を守って、散り散りとなってしもうた。


 あの糸は何世代か前の超一流の職人が、その最後の三品を使って復元をしたもの。

 染め師の技は細々と伝えられてはきたが、もうその三つの素材が揃う事はない。

 以来、その技は絶えて久しいのじゃ」



『聖女の青』・・・・・・


 その名はミーアの胸に、深く刻まれて残ったのだった。

 

 

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