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「ふん、初めてなら、まあ、こんなもんじゃろかい」
ミーアの染めた糸を見たばば様の言葉はこれだけ。
「めまいや吐き気は出とらんな。
色を定着するときは、結構魔力を持っていかれるんじゃ」
「大丈夫でした。もっと濃い色を出したいから、次はもっと頑張ります」
「ほっほ、焦るでない。
どうしてもと言うから教えたが、そろそろ織りのほうに本腰を入れんと、三年後の『織り手』の選定試験が控えとるじゃろ」
そう。
ミーアは十二歳になったら、叔母とばば様を後見に、部族の『織り手』としての試験に臨むことができるのだ。
無事『織り手』の巫女見習いになる事が出来たら、「巫女の集会所」で共同生活をしながら、一族の伝統の意匠や技法を習う事が出来る。
だけど。
共同生活、という処で、ミーアは引っかかっている。
ばば様が教えてくれた髪染めで、銀の髪は栗色に染まっているが。
紫色の眼は、隠しようがない。
用事で村に降りていくたびに、人々から向けられる嫌なまなざし。
「混ざりもの」の自分に、他の女たちとの共同生活なんて、出来るんだろうか。




