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砂漠の織り手  作者: 葉月秋子


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「ふーん、今日もきたの。

 またターロ織りの時間が少なくなるじゃない」


「へん、大兄(おおえ)の言いつけじゃなければ、こんな所に来るもんか。

 ほんとなら皆と組手を習う時間だ」


「戦士の家の男の子が戦事(いくさごと)を習うのは十二歳からだってばば様が言ってたわ。

 それまでは子供同士つるんで遊んでるだけたって。

 あんた、いくつよ」


「見てるのだって勉強だっ!」


「見てるだけ、よね。

 習ってないよね。

 さ、あっち行って。

 ばば様が来る前に、このターロ仕上げたいんだから」


「いちいちあたまにくるんだよ、お前は。

 何だ、今日は薄焼きは作らないのか」


「あんたのために焼くんじゃないもん。

 くいしんぼ」


「なにおっ!この・・・この・・・」


「泥頭?」


「くそーっ!

 お前なんか・・・お前なんか・・・」


 早く帰っちまえ、いじめっ子。

 長年泥頭といじめられて来た恨みは深い。


 だけど不思議だ。

 一度思いっきりぶつかったら、怖さが消えた。

 大嫌いだけど、口ごたえくらいは、してやれるのだ。


 何があろうと、こんな奴にいじめられて、いじけたり泣いたりするものか。



「オック?」


 毛を逆立てた猫みたいな二人を、オックが心配そうに見下ろす。







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