男の子を拾った話
その日、私は男の子を一人、拾った。
「ここが私の家。魔女の家と呼ばれていて、ちなみに私はこの家に住む魔女なの」
私が連れてきた少年にそういうと彼は、
「……どうして僕を拾ったのですか?」
そこで彼は不思議そうに私に問いかける。
でも、その言葉は、
「ようやく話したね。何も話せない子かと思ったよ」
「……どうでも良くなってしまったので」
死んだような目で彼は言う。
本当はお茶をごちそうしてからさようならをするつもりだった私だけれど、どうも彼の話からすると……彼は“捨てられて”しまったらしい。
詳しい理由は話さないので私は聞かない。
そして私は拾ってしまったので、拾った責任を私はとることにした。
「じゃあ、今日からここが貴方の家よ。それで名前は何て言うの?」
「……ロミオ」
「私はジュリエット、だよ」
こうして、その日から男の子と私の生活が始まった。
この子は学習意欲が高くて、私の魔法も含めて教えたことは全部吸収していく。
その日々は私にとって思いのほか楽しかった。
そうして何年もたったある日。
私よりも背の高くなった彼は、私を抱きしめながらこう言いました。
「全部あなたから教わったのですよ? 料理も、魔法も、そして……誰かの愛し方も。僕の大切な……ジュリエット」
マンガ1
マンガ2
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