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怠惰の王は怠けない  作者: Fis
第4章 始まりの戦い
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第72話 消えない意識


一体何が!?


膝から崩れ落ちる感覚がある。いや、正確にいうなら、脚に力が入らないのだ。

目の前の敵に立ち向かおうという意思とは裏腹に、その場で力をなくした自分の脚を僕は睨みつけた。


ーーーーーーそして見てしまった。


自分の脚が、もう自分のものではなくなってしまっているのを・・・

地面と一体化しかけている、自分の脚だったそれを・・・


「ダイン!!危ない!!」

ルークさんの声が聞こえるような気がする。しかし、自分の体に起きている事態に気を取られ、その声は頭に入ってこないでいた。


そしてその時、視線を下に向けていた僕の視界に、大きな影が映る。

僕は半ば反射的に上を見た。


そこでは、拳を握りしめてこちらに殴りかかろうとする大地の精霊の姿がある。

ーーーこのままでは不味い、、、


そう思い身をかわそうとするも、脚が動かない。

いや、正確には地面とくっついてしまって動かない。

あぁ、僕が注告を聞かずに一緒に戦おうとしたのがいけなかったんだな。


僕はこれから自分の身に起こるであろうことを想像しながらそう考える。


振り下ろされる拳、目の前まで迫る自分の死を告げる拳を前に、不思議と恐れは無かった。

それどころか、どこか安心感さえ感じられる。


視界の端に、慌てて助けに入るルークさんが見えるが、間に合わない。

彼が僕を助ける前に、その拳は僕の体を真上から押しつぶした。


、、あぁ、これで彼と同じところへ、、


この場所に来た目的など、もう微塵も覚えていなかった。

今はただ、先に逝ってしまった友人のことしか、考えられなかった。

しかし、考えている途中、不信感が僕の体をよぎる。


どうして、まだ生きているんだ?


確かに、自分の体はあの巨大な拳を一身に受けた。普通に考えれば、致命傷だろう。


だが、自分のこと意識が途絶える気配はなかった。それどころか、むしろハッキリとしている。


もしや攻撃を受けてはいないのでは?

そう思いはしたがありえない。現に体の方はピクリとも動かない。

僕は自分の体を何度も動かそうと試したが、反応はなかった。

しかし、この感覚には覚えがあった。


そう、これはーーーーー


ズドン!!


あたりに大きな振動と音が響いた。そして、それを境に、音は全て聞こえなくなる。

戦いが終わったのだろう。最後に聞こえた音を考えると、どうやら僕たちは負けてしまったみたいだ。


ズシン、ズシン、


何かが規則的な音を立て始めた。そしてそれはこちらに近づいてくる。

状況的に、大地の精霊のものだと考えられる。


戦うための力を手に入れに来て、戦えなくなるなんて、なんて間抜けなのだろう。


僕はこちらに近づいてくる足音を聞きながら、そう思う。

そしてその足音は、僕が倒れている場所の前でとまる。

そして声がかけられる。



「いつまで寝ておるんじゃ!、はよ起きんかい!!」


それは、自分で殴り倒して起きながら、と思えるとても理不尽な要求だった。


昨日からパソコンがネットに繋がらなくなったので、今日からスマホからの投稿となります。


ペースが落ちます。

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