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怠惰の王は怠けない  作者: Fis
第3章 異世界勇者到来
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第50話 ダンジョンボスとの攻防 前編

赤い熊は真っ直ぐこちらへ向かってくる。

その巨体と膂力のお陰で回避は困難を極めそうだ。

いや、私1人なら避ける事はできるだろう。しかしそれをしては後ろの2人が無事では済まない。


やれやれ、本当に厄介ね。

防御強化プロテクト筋力強化ストレングス

私は2つの魔法を唱えて己が身を強化する。

だが、これだけでは足りない。

このまま正面から受け止めても、吹き飛ばされるだけだろう。

それ程までに膂力に差がある。


その為私は、少しずるいと思われるだろうが、いつもの籠手ガントレットを腕にはめる。

そしてそのまま両腕を前に突き出して、突進を受け止める準備を完了させた。

そしてそのまま、赤い熊は私の元へ飛び込んでくる。

しかし、それ以上前に進む事は出来ない。

相手の突進は私によって阻まれる。

その事を想定していなかったのだろう。赤い熊は不思議そうに首を傾げている。


「2人とも、やっちゃいなさい!!」

私は自分の後方に向けて声を飛ばす。

そしてそのすぐ後、

氷弾アイスバレット」「炎弾ファイアーバレット!!」

2つの魔法が唱えられる。それは相手の巨体もあってか、狙い違わず着弾する、があまり効いているように見えない。

と言うかむしろ、怒らせただけな気がする。


『ガアアアアァァァ!!』


赤い熊は私を無視してレンちゃんとノーストリアに向けて腕を振ろうとする。

「させないわよ!!」

それを私は庇うようにして受け止める。

しかし、これは不味いわね。

相手の攻撃は私が止めることが出来るけど、それも永遠では無い。

いつかは限界が来るだろう。

それに対してこちらの攻撃は効果を成さない。状況はかなり悪い。

最悪の場合は私が攻撃に参加すればいいだけの話だが、それは今回の趣旨的にしたく無い。


これはどうしたものかしらね。

私が考えても仕方がないが、一応打開策を考える。

あの体は普通に攻撃しても貫けそうにない。

それは先程2人が証明した通りだ。


通用するとしたら魔力を普段より多く込めた一撃くらいね。

それは後ろの2人も気づいているのだろう。

もう既に準備を始めている。


問題はどのくらい魔力を込めるかと言うところだが、多分残っているのを全て込めるつもりでしょうね。


でもそれだと防ぎきれるかしら?

マナリアが同じ事をやったときは3分だったわね。

今回は何分かかるのかしら?


「2人とも、どれくらいかかりそうかしら?」

一応聞いてみる。が、集中しているのだろう。彼女たちからは答えはない。

しかし、代わりにマナリアが答えてくれる。


「この調子だと、後十分といったところですね。頑張ってください、イルさん!!」


十分!?結構掛かるわね。そしてその間の攻撃を全て私に任せるつもり!?

マナリアは最近遠慮がない気がするわ。


いいでしょう。やってやろうじゃない。

全く、何かを守りながら戦うことの難しさを彼女は一度知った方がいいと思うわ。



それから約8分が経った。

まだ耐えることが出来ている。この籠手ガントレットには本当に感謝ね。

これがなかったら早々にやられてるわ。


まあ、でもそろそろ限界が近いわね。

攻撃を避けたらいけないのが相当にきついわ。


敵の攻撃は出来るだけ速度が乗る前に叩き落としているが、それでもかなりの衝撃だ。

そのせいでもう腕に力が入らなくなってきている。

このままあと2分耐えきる事は出来ないだろう。


さて、どうしたものかしらね。

私の持つアイテムの中にはあの攻撃を防ぐものは、、、そう言えば1つあったわね。


私は籠手ガントレットを外しした。

その指には1つの指輪がはめられている。それは1日1時間だけ強力な結界を張ってくれる神器だ。


ただし、これを発動するにあたって1つ問題がある。

それは内からの攻撃も弾いてしまう点だ。

その為、2人を囲っても寧ろ邪魔をしてしまうだけだろう。

だから私は、赤い熊に接近して指輪を起動させる。結界は私と熊を包み込んだ。


これなら2人に攻撃がいく可能性もない為、攻撃をかわすことが可能になった。

正面から熊と対峙する。

後は2分間、避け続けるだけでいいのだから楽なものだと少しだけ笑みをこぼすのだった。

イルの持っている武具を手甲から籠手へ書き直しました。

内容に特に変化はありません。


後半は今夜投稿予定です

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