第3話 強欲は変化する
私のしたことを口にすると同時部隊長は他のものと同じく倒れ伏した。
「大丈夫か?」
と男は声をかけてくる?
「え、えぇ、私は大丈夫だけど、いいの?天使を敵に回すことになるわよ?」
今回はただの天使の集団だったけど上位天使が数できたらいくらこいつでも無理だろうと思ってきいてみる。
「俺は、大丈夫だそれよりえっと名前がないと呼びにくいな、とりあえず名前を教えてくれるか?」
確かに私だけ名前を知っているのはフェアじゃない気がするわね
「私はイシュル、あなたは助けてくれた恩人だし気軽に『イル』と呼ぶといいわ」
「そうか、じゃあそうさせてもらう。あ、俺のことはヴェルとでも呼んでくれ。早速だがイル、聞きたいんだがどうして追われていたんだ?」
あ、いきなり愛称で呼ぶのね。
それより、それはさっきあんたが倒したやつが言ってた気がするけどまぁいいわ
「あなた話聞いてなかったの?神器を盗んだからに決まってるじゃない!!」
「でもそもそも神器って天界の倉庫に保管されているんだよな?」
「えぇ、そうよ」
そんな当たり前のことを聞いてどうしたいのかしら
「いや、でもお前悪魔だろ?どうやって天界の倉庫に入り込んだんだ?」
「え!?」
何を言ってるのかしら
「え!?」
ヴェルは私の反応に対して心底驚いた顔をしていた。そしてそのあとすぐに
「なぁ、イルまさかお前、自分の姿見たことないのか?」
自分の姿?天界にいたころはほぼ毎日見てたけど、それが何かというのかしら?
そう思いながら私は自分の姿を確認してみる。
全体的には変わっていない。変わっていないのだが・・・
腰についているはずの純白の翼が真っ黒になっていた。
・・・確かに、これを見たら悪魔だって思われても仕方ないわね。でもこれだけは言わせてもらうわ
「どうしてこうなったのかは知らないけど私は熾天使よ?」
自分が悪魔ではないことをはっきりと宣言しておいた。人間族は悪魔族を恐れ天使族を崇める傾向にあるため怖がらせないためにここは主張しておきたかった。一応命の恩人だしね。
私がそう宣言するとヴィルは少し気まずそうに、
「あ~、なんとなくわかったわ。それの原因」
といった。さっきまで美しい翼をつけていた身としては聞き捨てならない発言ね?
「本当!?教えてくれないかしら?」
戻せるならば戻しておきたい、これから人の街にいくなら天使として見られたほうが得だからだ。
そう思い聞いてみるとヴィルは少し気まずそうに、
「あぁ、たぶんお前・・・堕天したんだとおもうぞ?」
と言った。