02〜UFO
夢のやり場。
02〜UFO
突然、窓から光が飛び込んできた。
テスト終了後の放課後。電気も付いていない教室で、一人、帰る支度をした私は、それを見た。
そして立ち上がったまま、それに心を奪われてしまった。
校舎の横にある体育館。その奥、ちょうど運動場のあるところに空から斜めに何かが通り過ぎている。
色は黄金で綺麗に輝くと言うよりは、年を重ねて輝きを増すようなそんな色。壁にはカラフルな宝石がちりばめられ、細かい彫刻がなされている。
それはとても長く、30秒くらいの間猛スピードで斜めにぶつかっていく。どこにそんな車体が突き刺さる場所があるのかと思うほど長く、それは運動場に墜落していく。
車体から、光り輝く星が溢れ出し、視界を包む。
これが…UFO…?
困惑しているうちにUFOは壁の隙間からいなくなっていた。するとUFOが落ちたと思われる方角から一台のバスがでた。中身はなにやら混雑しているようで青い光がたくさんうじゃうじゃしている以外は真っ黒だった。
ふと、肩に手がかかる。
びっくりして私は顔を振り向かせると、そこにはメガネをかけた先生がいた。
「あぁ、先生。もう完全下校の時間ですか?」
私は今までのことなどなかったかのように、先生に話しかけた。
と、突然、先生は私の首に手をかける。指にはたくさんの宝石がちりばめられた指輪があった。
「先生?」
私は困惑しながらも笑顔で首の手をのけようとする。
しかし先生の手は私の首と同化したかのようにビクともしない。
そして気がつく。
黒い肌。眼鏡の奥にある、赤い瞳。怪しく、眩い光を放っている。
そのまま私は倒れた。
そして目覚めた。