気分は空と地下
「よう、キング」
「む? 何か用か」
「んや、特にって訳じゃないんだけどさ。朝はギリギリに来たのに機嫌が良さそうだったから何かあったのかと思ってな」
「はっはっはっ。そんな事か」
「いやね、お前の機嫌が良いって事は何かあるのがほぼ間違いないからさ」
「そうか? 今朝は良い事をしたのでな。それで気分が清々しかったのだよ」
「は? お前が?」
「ヒロも良い事をすると気持ちが良いぞ?」
「そりゃそうだろうけどさ。お前一体何をした?」
「はっはっはっ。そんなに気になるのか?」
「あぁ。お前が何かするってことは大概ろくでもない事やってるはずだしな」
「はっはっはっ。そう褒めるでない。良い事するのはあたり前の事なのだからな」
「褒めてねーっつの」
「ヒロ、照れ隠しはいらんぞ?」
「照れてもねーっつの。それより何をしたのかを言えよ」
「ふむ。今朝は道路に飛び出そうとしていた人を助けたのだよ」
「……はい?」
「だから、自殺をしようとしていた人を止めて救ったのだよ」
「……マジで?」
「はっはっはっ。あまりにも私の善行が素晴らしい物で声が出ないか」
「……はぁ、どちらかと言うとお前が関わった人に同情してるよ」
「素直に私を尊敬しなおしても良いのだぞ?」
「できるかっつの!! てか良く見ろ。教室中お前に関わった人に同情を傾ける目をしているのがわかるだろ!?」
「ヒロよ。やきもちは良くないぞ?」
「やきもちじゃねーっつの!?」
「素直に私を尊敬しても良いのだぞ?」
「できねーっつの……」
「ヒロも少しずつ善行を積めば自然と人に尊敬されるからな頑――」
「――張らなきゃねぇのはお前だっつーの」
「私は常に努――」
「――力の方向性が間違ってる」
「ヒロよ。やき――」
「それ以上言わせねーぞ!?」
「つれないな」
「全力で疲れさせてくれてありがとう」
「はっはっはっ。そう褒――」
「めてないっつーの!?」
「そんなに叫んでいては女の子にも――」
「――お前だけにはその台詞は言わせねーぞ!?」
作者の私でも言葉に詰まる作品だと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。
意見・感想等、ないとは思いますが……もしあればよろしくお願いいたします。