サクサク
「涼平。それは何を読んでるの?」
「友達に借りた小説だよ」
「面白い?」
「俺は面白いと思うよ。たぶん姉ちゃんも好きなタイプかな?」
「へぇ。後で私にも読ませてよ」
「わかった」
「ところで、もう一ついいかしら?」
「何?」
「ご飯食べながら本を読むとは何事かしら」
「あー、ごめ……その握り拳を是非おしまいくださいませ」
「何か言うことは?」
「本当に、申し訳ございませんでした!」
「よろしい」
「お許しくださいましてありがとうございます!」
「うむ、苦しゅうない」
「……あ、これもらっていい?」
「えー、私が楽しみにとっておいた分なのにー」
「そっか……わかった」
「いいわよ」
「……は?」
「食べていいわよ」
「え、でも……」
「あら、いらないの? それなら私がもらうわよ」
「あ、それならもらってもいい?」
「好きなように食べなさいよ」
「ありがとう」
「どういたしまして。それにしてもアンタはその唐揚げがよっぽど好きなのね」
「いやいや、姉ちゃんの唐揚げが美味すぎるんだよ。外じゃそんなに食わない」
「あら、嬉しい事言ってくれるわね。でも、気持ち悪いわよ?」
「ぶほっ!」
「汚い」
「ん……むぐ……んっ。人がせっかく褒めてるのに気持ち悪いって何さ!?」
「アンタが普段言わないような事を口走るからでしょ?」
「どうして素直にお礼を言えないかね」
「あら、気持ち悪いと言ったけど嬉しいと言ったのも本当よ?」
「まぁ……それな……結局気持ち悪いのも本当じゃん!?」
「よく気が付いたわね」
「最低だ……」
「あら、何をボソッと言ったのかしら?」
「何でもございません」
「そうだったかしら?」
「うん。何でもないです。何でもない」
「そう?」
「姉ちゃん。その笑顔怖いよ……」
「ふふっ。 でも涼平が私の料理を美味しいって言ってくれるのは本当に嬉しいわよ」
「う、うん……」
「……ごちそうさまでした。涼平も早く食べちゃいなさいよ?」
「わかってる。……わが姉の事ながら美人の自然な笑顔って破壊力がすごいよね」
作者の私でも空っとした作品だと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。
意見・感想等、ないとは思いますが……もしあればよろしくお願いいたします。
この学校に入学したい方、募集します。……いないと思いますが。
かわいい弟なんです。きっと。