登校事故
「涼平、起きてきなさい」
「……んーぁー」
「こら! いつまで寝てるの?」
「地球が滅びるまで」
「バカ言ってないでさっさと起きる。転入早々遅刻するつもりなの?」
「痛いって……朝から暴力を使うなんてひどすぎる」
「ほう? このアタシにそんな文句を言うの?」
「……」
「……」
「ごめんなさい」
「わかればよろしい。さっさと準備しなさいよ」
「ん」
「私は先に出るから、ちゃんと戸締りしなさいね」
「わかった」
「いってきます」
「てらしゃーい……。ぼちぼち準備して向かいますかね」
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「さて、戸締りおっけー。……学校に向かいますか」
「……ったくもう。少しくらい手伝いなさいよね……あら、おはよう。涼平君はこれから学校かい?」
「おはようございます。これから学校に向かう所ですね」
「涼平君は転入生として行くんでしょう? 大変かもしれないけど頑張ってね」
「ありがとうございます」
「おばちゃんがもう少し若かったら涼平君と一緒に登校してたかもしれないのに」
「アハハ……っと、遅刻しないようにもう行きますね」
「あら、そうかい? いってらっしゃい」
「いってきます。………………軽く見積もって三十年くらいかねぇ」
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「あぁ、ここの信号長いのに渡れなかったか……」
「危ない!」
「ぐへっ!?」
「若いのに自殺なんて考えちゃダメだ! これから良い事あるから考え直すんだ」
「ちょっ!? やめっ……何をっ」
「君がどんなに抵抗しようとも私は諦めないぞ! 君に自殺なんてさせない」
「くる……し……、はなっせ……」
「さぁ、私がついている。明るい未来を生きようではないか!」
「……」
「おぉ、大人しくなったな。私の気持ちをわかってくれたか……。……ん? はっはっはっ。どうやら私がいることに安心して眠ったみたいだな……ぐほぉぅい!?」
「誰が眠っただ誰が!? いきなり死ぬ気もないのに危うくお前に永遠に眠らされる所だったぞ!」
「はっはっはっ。あまりにも恥ずかしくて手が出てしまったのだな? しかし照れなくても良いぞ? 微妙に回りくどい上に伝わりにくいじゃないか。そんなに緊張するほど私のこ――」
「――ちっがーう!! お前は一体何なんだ!? 初対面の人間に急に体当たりした挙句に首を絞めるバカなんて聞いたことないぞ」
「君は私を知らないのかね?」
「知る訳ないだ――」
「そうか。やはり照れているのだな? そして私の事を知らないフリして私に気にしてもら――」
「っんなわけねぇだろ!」
「はっはっはっ。そうカリカリするな」
「させてるのはお前だーっ!!」
「ところで君。その制服を着ていると言う事は早くしないと遅刻するぞ?」
「は? ちょっ、もうそんな時間になってるのか」
「はっはっはっ。急がないと遅刻してしまうからな。私は先に行く。君も遅刻をするでないぞ? さらばだ!」
「……人を突き飛ばした挙句遅刻するなって。全部あいつのせいじゃねぇか!? っざけんなー!!」
作者の私でも面白くはないと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。