ふわとろっ!
「紅葉。これは何だ?」
「それは……」
「こう言ったものは必要ないと言ってあるだろう?」
「承知しています。しかし……それは友人に貸し与えられた物なので処分だけはしないでいただけないでしょうか……」
「黙れ」
「はい……申し訳ありません」
「必要の無い物はちゃんと断れ。いいな?」
「はい、申し訳ありませんでした」
「もういい。行け」
「はい、失礼致します」
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「……紅葉」
「あ、お兄ちゃん……」
「ごめんな、俺のせいで……」
「ううん、大丈夫。仕方のない事だから……」
「本当にごめん」
「気にしないで! その分学校ではちゃんと楽しくやってるから」
「そっか……」
「お兄ちゃんこそ大丈夫なの?」
「俺はほら……親父からは何も言われないからさ」
「その方が辛い事もあるでしょ?」
「紅葉に比べたら全然だよ」
「でも……」
「いや、これは俺のせいだからいいんだよ」
「うん……」
「そうだ、紅葉は今日は何が食べたい?」
「え……お父さんは……?」
「大丈夫。今日はこの後外で食べてくるはずだから」
「本当?」
「あぁ、スケジュールに書いてあった」
「そうなんだ」
「だから、何が食べたい?」
「えーっと……オムライスが食べたい……」
「わかった。腕に縒りを掛けて作るな」
「楽しみにしてるねっ!」
「任せとけって!」
「お兄ちゃんのオムライスすごく久しぶり……」
「普段は作れないからなぁ……。そう言えば、手紙来てたよ」
「本当! どこにあるの!?」
「いつもの場所にあるよ」
「わかった!」
「あ、ちょっと待った!」
「何?」
「親父が出かけてからの方がいいかと思う。もうそんなにしないで出ていくはずだから」
「うぅ……わかった」
「とりあえず……ふわとろのやつと普通のどっちがいい?」
「ふわとろで!」
「ソースは?」
「デミグラス!」
「トッピングは?」
「チーズ!」
「了解っと。できるまで少し時間かかるから今のうちに課題やっちゃえよ?」
「わかってるよ!」
作者の私でもふわふわした作品だと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。
意見・感想等、ないとは思いますが……もしあればよろしくお願いいたします。
この学校に入学したい方、募集します。……いないと思いますが。
ふわとろは宝です。