名前に負けていられない
「はいっ。と、言う訳でやって参りました。レストランです」
「誰に説明してるんですか?」
「豪也だから仕方がない」
「二階堂だから仕方がないわね」
「なるほど……そうなんですね」
「いや、ちょっと待ってよ。オレだから仕方がないって何さ。それに最上さんまでどうして納得してしまうのさ……」
「豪也だから仕方がない」
「二階堂だから仕方はないわね」
「もういいよ!?」
「あの、店員さんが困ってますよ?」
「えっ? あ、ごめんなさい」
「いえ、四名様でよろしいでしょうか?」
「はい。大丈夫です」
「それではご案内致します。こちらへどうぞ」
「全く、店員を困らせるなんて。これだから豪也は」
「本当ね。これだから二階堂は」
「もう好きにしてください……」
「あの……大丈夫ですか?」
「最上さんは天使だぁ……」
「メニューがお決まりになりましたらこちらのボタンを押してください。すぐにお伺いいたします」
「ありがとうございます」
「それでは失礼致します」
「ところでどうしてこのメンバーなのよ?」
「豪也だから仕方がない」
「涼平……それしか言ってないよね……」
「そんなことあるよ」
「あるのかよ!?」
「二階堂、質問に答えなさいよ」
「そうだぞ。これだから豪也は」
「オレのせい!?」
「姫宮君。二階堂君を少しからかい過ぎではないですか?」
「最上さんは本当に天使だ!」
「だからさっさと答えなさいってば!」
「ゴメンナサイ!」
「それで? 本当は言いたくない訳?」
「そんな事はないけども……」
「坂本さん。変な下心ではないからそこまで警戒しなくて良いと思うよ」
「えっとね、これはこの前のお礼なんだよ」
「どういう事よ?」
「坂本さんと最上さんはこの前小さな迷子の男の子を助けてたよね?」
「そういえばこの前坂本さんと偶然会った時にそんな事がありましたね?」
「そうね。……って、何でその事を二階堂が知ってるのよ」
「うん。その子、実はオレの弟だったんだ」
「なるほど、そうだったんですね」
「そうだったのね」
「うん。だからこれはそのお礼。レストランのクーポンなんて少し安っぽいお礼だけど……」
「十分すぎる程ですよ。むしろこちらが恐縮してしまいます」
「そうよ。でも、せっかくだからごちそうになるわね」
「最上さんも坂本さんもありがとう!」
「よかったな、豪也。今この瞬間だけは名前負けしてないぞ!」
「どういう意味だよ!?」
作者の私でも平謝りが必要な作品だと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。
意見・感想等、ないとは思いますが……もしあればよろしくお願いいたします。
この学校に入学したい方、募集します。……いないと思いますが。
おいしい食事は日々の生活を潤してくれます。