おにき
「最近は姫宮君も馴染んできたみたいですね」
「そうかな? 俺は何も変わってないと思うけど」
「明らかに口調は変わってるやんな?」
「あー、うん。そこは変わってるかもね。最初はやっぱり……ねぇ?」
「それは仕方がない事なので良いと思いますよ」
「せやね」
「そう言ってもらえてよかった」
「おーい、姫宮―」
「どうした?」
「坂本先輩が呼んでる」
「あ、りょーかい。ちょっと行ってくるね」
「わかりました」
「ほなまた後でなー」
「お待たせしました」
「急に呼び出して悪かったね」
「いえ、何かありましたか?」
「うん。約束してたコレ持ってきたからさ」
「え? あ、ありがとうございます!」
「どういたしまして」
「ヒロさん。これはいつまでにお返しすれば良いでしょうか?」
「んー、最近ずっと触ってないからしばらくは持ってていいよ」
「わかりました。ありがとうございます!」
「そこまでかしこまらなくて――」
「――邪魔よ」
「うわっ!?」
「――痛って。何するんだ」
「馬鹿なおに……兄が人の教室の前を塞いでるのが悪いんでしょ?」
「あのなー」
「えっ……え?」
「涼平君……挙動不審になってるわよ?」
「え……だって……え?」
「あれ? もしかして涼平君知らなかったの?」
「う……うん」
「何だ、姫宮に言ってなかったのか?」
「何で態々言うのよ。そもそも自分の兄と涼平君の仲が良かったなんて知らないもの」
「そうだっけ?」
「キングの件以来よ。涼平君とおに……きが一緒にいるのを見るのは」
「隠せてないぞ」
「う……うるさい!」
「おにき……?」
「涼平君も!」
「ご……ごめん?」
「もう! 知らないっ!」
「あー、怒らせちゃったかな……?」
「大丈夫。照れてるだけだから」
「照れてる?」
「まぁ、そんなものだと思っておけばいいよ」
「そうですか……」
「それじゃ、俺は教室戻るよ」
「はい、ありがとうございました」
作者の私でも隠したい作品だと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。
意見・感想等、ないとは思いますが……もしあればよろしくお願いいたします。
この学校に入学したい方、募集します。……いないと思いますが。
たまには怒られずにおとなしくするのも必要ですから。