そして空気は消え去った
「あの……此島さ――」
「まずい! キングがきたぞ!?」
「姫宮君。今は何事もないふりをしておくんですなぁ」
「せやで! 通常通りを装っておくんや」
「此……って、戻ってる!? 最上さんまでいつの間にか本を読んで――」
「おぉ、どうしたのだ? 一人で焦っているようだが」
「あっ、お前は昨日の!?」
「ふむ、私の事を知っているとは。さては私のファンなのだな?」
「んなわけあるか!」
「そんなに照れるでない。サインなら後でちゃんとあげようではないか」
「いるか!」
「はっはっはっ。照れ隠しなぞしなくてもよいぞ?」
「違うって言ってるだろ!?」
「まぁ、君が私のファンなのは仕方が――」
「――しつこい!」
「はっはっはっ。ところで君は先ほど一人で焦っていたようだが、大丈夫なのか?」
「は……大丈夫とは何のことで――」
「――キング! あー、もう。卜野先生は今職員室にいると言っただろう」
「ヒロか。ちょうど良い所にきたな。今この子を悩みから救ってあげようとしていた所なのだ」
「……あー、うん。ご愁傷様?」
「あの、何故僕はそのような言葉をかけられなければならないので――」
「君は家族を亡くしたばかりだったのか!?」
「「どうしてそうなった!?」」
「え?」
「お?」
「むむ? 違うのか」
「最初からそんなことは一言も言ってない」
「ヒロよ。この私に隠し事なぞしても無駄だぞ?」
「してねーっつの!」
「はっはっはっ。さては私ばかりが善行を行うもので負けまいとしているのだな?」
「んなわけあるか!」
「まぁ、待て。そうカリカリする前にまずはこの子から話を聞こうではないか」
「お前のせいだよ!?」
「そろそろ予鈴が鳴るんですなぁ」
「えっ!? あっ。ほらキング! 予鈴が鳴る前に戻るぞ」
「今はそんなことよりこの子の未来の方が重要だとは思わんか?」
「「未来までかかわってるの!?」」
「え?」
「お?」
「なんだ、お前たちは兄弟だったのか」
「「どうしてそうなった!?」」
作者の私でもズレた作品だと思います。
そんな作品でも良ければ気まぐれな私にお付き合いくださいませ。
意見・感想等、ないとは思いますが……もしあればよろしくお願いいたします。
この学校に入学したい方、募集します。……いないと思いますが。
卜野への用事? もちろん吹き飛びました。