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光の中で、空を見上げる  作者: 樹みとす
2/2

~1~

 今年の桜は遅かった。

 4月に入って数日、ようやく開花。

「なんか、盛り上がらねぇなぁ……」

 高橋和也たかはしかずやがつぶやく。

「せっかく高校入るってのにさぁ。なあ遥斗」

「…………」

 ヘッドフォンをつけた遥斗が、無言のまま起き上がった。

 少しの間窓の外をぼーっと見つめ、また横になる。

「別に、盛り上がっても意味ないし」

「まあそうだけどさぁ……やっと高等部なのに」

 和也は物足りなさそうに言った。

「どうせ同じじゃん」

 遥斗がめんどくさそうにぼそっと返し、和也に背を向けた。

 確かに、中等部から上がって校舎が変わるだけで、周りは見慣れた顔ばかりだ。一応外部の中学校からも受け入れているが、それは極少数であり、それほど刺激はない。

 小さくため息をついて、顔を横に向ける。

 遥斗はいつも寝付くのが早い。いつの間にか、すーすーと気持ちよさそうに寝息を立てている。

「……外に出てぇなぁ」

 聞こえないように小さく言ったつもりが、そうでもなかったようだ。

 遥斗が迷惑そうにこちらに顔を向ける。

「出りゃあいいじゃん」

 一言そう言うと、遥斗は再び眠りについた。

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